古今和歌集

駆け出し百人一首(39)袖ひちて掬びし水の凍れるを春立つけふの風やとくらむ(紀貫之)

袖(そで)ひちて掬(むす)びし水(みづ)の凍(こほ)れるを春(はる)立(た)つけふの風(かぜ)やとくらむ

古今集 春歌上 2番

訳:昨夏、私は袖を濡らして水をすくった。その水は冬の間に凍りついていたが、立春の今日、春風が溶かしているだろう。

Last summer I scooped up water, which is frozen over during this winter. Tod

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枕よりまた知る人もなき恋を涙せきあへず漏らしつるかな

#平貞文 (たいらのさだふみ) #古今和歌集 0670 #jtanka #短歌 #恋

枕のほかには知る人もいない恋なのだけれど、せきとめることに耐えられず涙を、そして恋心を漏らしてしまったことだよ。

「せきあへず」は「せき+あへ+ず」。「せき」はカ行四段動詞「堰く」の連用形で「せき止める、妨げる」の意味。「あへ」はハ行下二段活用の動詞「敢ふ」の未然形で「こらえる、たえる」の意味。「ず」は打消の

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結城浩です。はげまされるのはとってもうれしい!
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大鵬のごとく大空を舞う

松下幸之助 一日一話
11月 1日 人の世は雲の流れの如し

青い空に、ゆったりと白い雲が流れていく。常日ごろ、あわただしさのままに、意識もしなかった雲の流れである。速くおそく、大きく小さく、白く淡く、高く低く、ひとときも同じ姿を保ってはいない。崩れるが如く崩れざるが如く、一瞬一瞬その形を変えて、青い空の中ほどを、さまざまに流れてゆく。

これはまさに、人の心、人のさだめに似ている。人の心は日に日

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本物を見る目がある!!ありがとうございます!!
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駆け出し百人一首(37)皆人は花の衣になりぬなり苔の袂よ乾きだにせよ(僧正遍昭)

皆人(みなひと)は花(はな)の衣(ころも)になりぬなり苔(こけ)の袂(ころも)よ乾(かは)きだにせよ

訳:皆は華やかな晴れ着になったそうだ。私は粗末な僧衣のまま変わらないけれど、せめて袖が乾くだけでもしてくれよ。無理だろうけれど。

Now everyone wears bright clothes as if he forgot the late Emperor. I became a pri

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大空は恋しき人の形見かは物思ふごとにながめらるらむ

#酒井人真 (さかゐのひとざね) #古今和歌集 0743 #jtanka #短歌 #恋

大空は恋しいあの人の思い出の品なのでしょうか。いえ、そんなことはありません。なのに、物思いにふけるたびに自然と大空をぼんやりながめてしまうのはどうしてなのでしょう。

「形見」はここでは「昔を思い出させる記念のもの」の意味。

「かは」は反語を表す係助詞。

「ながめらるらむ」は「ながめ+らる+らむ」。「なが

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結城浩です。応援ありがとうございます。とてもうれしい!
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秋風に山の木の葉のうつろへば人の心もいかがとぞ思ふ

#素性法師 (そせいほうし) #古今和歌集 0714 #jtanka #短歌 #恋

秋風で山の木の葉の色があせていくように、人の心も移り変わっていくものですから、私が好きなあの人の心もどうなのだろうと思わずにはいられません。

「あきかぜ」は「秋」と「飽き」を掛けています。

「うつろふ」は「木の葉の色づきが変化していく」ことと「人の心が変化していく」ことを掛けています。

「うつろふ」は、変化

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結城浩です。《スキ》を送ってくださってありがとうございます!
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駆け出し百人一首(31)我が如く我を思はむ人もがなさてもや憂きと世を試みむ(凡河内躬恒)

我(わ)が如(ごと)く我(われ)を思(おも)はむ人(ひと)もがなさてもや憂(う)きと世(よ)を試(こころ)みむ

古今和歌集 恋五 750番

訳:私が相手を愛するように、私のことを深く愛してくれるような人がいたらなぁ。それであっても憂鬱になるのか、世の中を試してみたい。

I wish I had a sweetheart loving me as much as I love her. The

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駆け出し百人一首(30)雪の内に春は来にけり鶯の凍れる涙今やとくらむ(二条后・藤原高子)

雪(ゆき)の内(うち)に春(はる)は来(き)にけり鶯(うぐひす)の凍(こほ)れる涙(なみだ)今(いま)やとくらむ

古今和歌集 春上 4番

訳:雪がまだ降っている中、もう春が来てしまったなぁ。鶯の涙が凍っているのも、今はもうとけているだろうか。

Spring has come while snow remained. Today's warm wind will melt the ice of

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まあお訳古今集 恋はいちごを添えて四

こんにちは、まだまだめげない自称作家の あまおう まあお です!
古今集の意訳=いちご訳シリーズ、第四弾ですね。第壱弾と第弐弾・第参弾はこれね。

ここまで大字で数えておいていきなり「四」とか(笑)、という方のご意見も分かりますけどね。「肆」とか言って、いちげんさんは読めないんじゃないですか?

ご祝儀で四萬円なんて出さないんだから……! というわけでシンプルに四です。妥協じゃありません、配慮です

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あなたは今、徳を積みました(確信)
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夫にとって私は、足を引っ張るだけの存在なんだと思うだけで、とめどなく涙がこぼれる。

こきちらす 滝の白玉 拾ひ置きて 世のうき時の 涙にぞかる
(緒から外すようにばらばらに散らすあの滝の白玉を拾っておいて、この世がつらい時の涙として借りておきますよ)

在原行平朝臣 古今和歌集

こころ暖かな一日を・・・