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医心方 巻二十七 養生篇 行止第六 鳳凰堂流解釈

行止とは、簡単に言うと歩く事、立つ事。いわゆる立ち居振る舞いという動作についての養生が記載されています。

千金方からの引用
人には4つの正すべき行動がある。正しく歩き、正しく坐り、正しく立ち、正しい言葉を使う事。空腹時にはじっと止まり、満腹になったら歩くようにすること。

また、歩いたり、立ったり、坐ったりする際には太陽や月を背にしてはいけない。

また、寒いときには結跏趺坐し、温かい時には足をゆったりと伸ばして寝る事。
泰然と坐る時には両足を八字に組むと良い。冷えなくなり、五痔を癒す。

また、外出時には馬に乗ったら振り返らない事。振り返ると神がその人から去る。

養生志には、
朝起きた時、上腕を膝の上に交叉して置いて坐る様な姿をすると、悪い事が起きやすいので慎むべきであると書かれています。

鳳凰堂流解釈
千金方からは何度も引用されています。
今回は行住坐臥についての養生、注意点について書かれています。
鳳凰堂では身体学と称して、この辺りの練習をしていますが、要は地球の重力に従って立つ、坐る、歩く等ができれば、自分の意志に地球の力を載せて使う事ができ、省エネになると同時に改めて自身の体と心に向き合う事ができます。

太陽や月を背にしてはいけないというのは、エネルギーは正面から受けると、吸収しやすく、背中は発散する部位とも言えるので折角の天の恵みを受けることができな事だろうと推測しています。

就寝の際の足の形については、鳳凰堂は真似していませんが、暑いときは誰でも自然に伸びていきます。寒いのに足を伸ばしきったり、暑いのにくるまっていると自身の心身に何か起こっているのでは?と疑問を持つことが大切ですね。

五痔とは≪備急千金要方≫(略称千金方)に記載されている、肛門における痔瘡の五種のタイプの総称です。≪備急千金要方≫巻二十三には「夫五痔者、一曰牡痔、二曰牝痔、三曰脈痔、四曰腸痔、五曰血痔」(五痔とは、牡痔、牝痔、脈痔、腸痔、血痔の五種の痔を総称したものである。)と書かれています。古くは馬王堆漢墓から出土した≪五十二病方≫に記載されている、脈は牡痔、牝痔、血痔等の病名から来ています。

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