そろそろ新学期が始まりそうなので、元吹奏楽部男子が『吹奏楽部に入る』を書いていく。

はじめに

こんにちは。
元吹奏楽部員のほーらいおんです。

さて、新学期ですね。
そういえば、おそらくそろそろ入学式や体験入部とかも始まるんじゃないかなと思うので、ここで経験者である自分から「吹奏楽部に入るってどういうこと」なのかをお伝えしたいと思います。
特に、これから吹奏楽部に入ろうとしている『男子』にはぜひ見ていただきたいです。

これまでの吹奏楽歴

中1時代

コンクール(Bの部)演奏曲:海の男達の歌/ロバート・W・スミス
元々音楽が好きで楽器も好きだったので吹奏楽部に入る。
この時点で同じ学年の中で男子が1人だった。
しかし、先輩たちが思ったよりガチでやってる感じがしなかったり、顧問の先生が嫌いだったりして、7割くらいの出席率で定期的にサボるマンになる。
ただ、先輩に男子がいたりしてなんとなーくいやすい場所ではあった。先輩たちが引退するまでは。

中2時代

コンクール(Bの部)演奏曲:交響組曲「風の谷のナウシカ」3章/久石譲(森田一浩)
先輩たちが引退して、後輩にも男子が入らなかったので、全部員30名台の中で男子が1人だけという状況になる。
そんな中で、顧問が変わって自分の中で「部活に挑む姿勢」が変わる。
と同時に、女子勢の自分への接し方がどんどんきつくなる。
さらには先輩や後輩が辞めていったり、そんな中でコンクール曲のパート追加などがありとんでもねえソロが増えたり、クラスでもいろいろあったりと、正直メンタルボロってた時期ではあった。
それにもめげず、なんとか自分の中で女子との接し方に折り合いを付けながらも1年を基本的に楽しく乗り切る。

中3時代

コンクール(Bの部)演奏曲:元禄/櫛田胅之扶
最高学年になって、女子勢の態度が軟化すると同時に、別の学校から男子部員1名が転校してきてようやくメンタルを安定させながら部活に取り組むことができるようになる。
最後の最後でかなり和風な曲、しかも和太鼓パートがあると聞いて戦慄する。当然のように「男子だからできるでしょ?」と言わんばかりに回ってくる。
後輩がかなりの数入ってきたこともあり、後輩に基礎練習や演奏についてなどを教えながら、これまで接してこなかった「和太鼓」という楽器にどう向き合うかを考えていたりした。
その結果、学校初となる「地区大会金賞」を獲得することができた。

高1時代

コンクール(Dの部)演奏曲:マードックからの最後の手紙/樽屋雅徳
ここでそれなりに吹奏楽が強い高校に進学する。
これまでと練習の量も質も全然違うことに最初のうちにカルチャーショックを受けるも、だんだんと慣れてきて、少しずつできるようになる自分を自分で褒め始める。
そんな中、当然部員数も多く、いわゆるAの部に出られる1軍には1年生は選ばれることはなくDの部の練習をする。
高校では鍵盤パートを基本的にやることになるが、ここでまた変に良いソロ運が回ってきてしまう。そう、トライアングルソロだ。
ここを合奏中に1時間近くやったことがある。あの時間は地獄。
そんな中、いわゆる同県内でも3強と言われる学校と自分の学校だけがDの部で金賞という結果を出した。
そんな折、諸々の事情から精神面の調子を崩し、体調にも表れたことで学校を退学し、同時に吹奏楽部人生も終わりを迎えた。

吹奏楽部に入ると?

ここまで私の経歴(経歴?)を見てもらってきたが、ここで私の思う
★吹奏楽部でいることのメリット
★吹奏楽部でいることのデメリット
★筆者が実際に4年やってどうなったか
★吹奏楽部における男子の立ち回り
の4点に絞ってお伝えしていこうと思う。

吹奏楽部でいることのメリット

①「周囲と合わせること」を覚える
とにかく吹奏楽というのは、いかに「ハーモニー」を生み出すかが重要視される。
ということは、「私が!私が!!」という人が目立てる場所ではない。
ただ、周りと合わせつつ「私が私が」の出し方を覚えることはできる。
これは、意外とこれからどの仕事をするにしても際立つ技術なので、こういった部分はかなりメリットだと思う。

②とにかくいつも音楽に触れられる
それこそ学校によっては、基本的にコンクール練習期間はコンクールでやる曲ばっかりやる学校も多くあるが、その中でも様々なイベントごとでJ-POPを演奏することがあったりする。
こちらも学校によりけりな部分があるが、例えば運動会で演奏をしたり、定期演奏会がGWにある学校もあったりする。
また、高校生になると野球応援に呼び出されたりして爆音で応援歌系J-POPを演奏する機会もある。
ただ、真面目にやることによってだんだんと吹奏楽曲の良さに気づく瞬間が出てくる。そうなってくると末期だと思え。←

③仲間意識が芽生える
先ほども言いましたが、あくまでも吹奏楽部は個々の競技ではなく「チームで1つのハーモニー」を作ることに意義がある。
そんな中で、特に同じパートになった人とは別に嫌い同士であってもいつの間にか「同じものを作る仲間」と認識することが多くあり、男女問わず「仲間」としての意識が強まる。基本的には。
最終的に3年間続けてきた仲間とは、卒業後は仲良くなくとも結果としてよくお話しするくらいにはなるのである。

ではここから、デメリットをいくつか挙げていこうと思う。
メリットだけではやはり信用に値する言葉にならないだろうと思うから。
デメリットも含めて愛せると知ったときに本当の愛が生まれるのだ。(何の話?)

吹奏楽部でいることのデメリット

①時間の制約が強い
こと吹奏楽部というのは、基本的に拘束時間の長い部活の一つである。
基礎練習にも、楽器練習にも、たまに入る合奏練習にも全てに時間を使うので、16時ごろに学校の授業が終わるとしたら、21時くらいまで平気で練習している時もある(特に高校となると顕著)。
しかしその時間の分を音楽・吹奏楽に充てられると思えば、楽しくなってくる(もともと音楽が好きな場合に限る)。

②顧問の厳しさがエグい
よくテレビで吹奏楽部が特集(某笑ったりコラえたりする番組など)されていると、顧問が怒っている場面が出てくることがあると思う。
…あれで4割くらいの怒りだと言ったら、信じるだろうか?
ただ、実際のところそうである。先生によってはあれで2割くらいだし、なんならテレビ用の演出が入っているとも思っている
さらに、ある程度強豪校ともなると、顧問が感覚語(私はそう呼んでいる)やオノマトペで指示することがある。
最初は何言っているかわからないことも多くあるが、だんだんと「ああ、こういうことが言いたいんだな」と半分くらいはわかるようになる。怖いものだ。
ただ、基本的には吹奏楽部の顧問というのは押しなべて感情的かつ良い先生が多いので、怒っている場面で嫌いになると損をする。その先を見る必要がある。

③人間関係がグッチャグチャ(部活・学校差あり)
基本的に吹奏楽部は、共学である場合は女の園になる確率が高まる。
それが故に、女子の嫉妬や陰口などを1日に1回くらい聞くことになる。
そこに同調でもできたならまだマシなのだろうが、特に筆者は男性であったがゆえにあまりいい思いをせず聞いていた。
そんな流れで年に数回レベルで喧嘩が発生する。口喧嘩・取っ組み合いなど様々。
これに関しては、避けようがない部分ではあるので、基本的にそういうことを言う界隈からは「我関せず」の顔をしながら遠ざかる必要がある。
喧嘩が始まっても、先生をこっそり呼びに行くとか、とにかく関さないことが大事だ。

ほかにも様々な部分があるが、あとはかなり学校差・部活差が生まれる部分でもあるので割愛させていただく。
では次に、筆者が4年部活を続けてきた中で手に入れたもの、それを社会人として生かせたところなどを書いていこうと思う。

筆者が4年やってみてどうなったか

①人間関係のアレコレが少しわかるようになった
特に私は人間観察が趣味だった部分もあり、練習の息抜きがてらとにかくいろんなところをぶらつくなどしていた。
そんな中で、陽キャ女子(なぜか押しなべてトランペットが多い)ともよく話すことがあった。
そこから部内であったり学校内であったりの人間関係を把握したりしながら、その人たちの思いなども知ることができた。
また、私は中学3年間、唯一の同学年・同じパートな女子に嫌われ続けた。
最初は嫌われていることに疑問を持ったり、なんとかしてフラットにでも戻そうと頑張ったが、最終的に「そういう人には干渉しすぎず、適度な距離を保つだけでいい」ということを学べた。
…まあ、そいつのことはいまだに許してないんだが。

②目立つことが怖くなくなった
元々の私は、他人の目が嫌いで目立つことが大嫌いな人であった。
ただ、吹奏楽部で何回も何回もソロパートを回されることによって、「良い部分が目立つこと」が怖くなくなった。
さらに、「目立つことは悪いことではない」ということも学べた。
だからこそ、もし吹奏楽部に入ってソロパートが回ってきたら、むしろ目立つことが嫌いな人にこそやらせてほしい。
私は先述の嫌われている女子に「アンタこれやってよ」と押し付けられたいくつものソロパートのおかげで「悪目立ち以外はしてもいい」と思えるようになった。それはそれとして許してはいない。

③過剰な自信を打ちのめされた
特にコンクールに出るに当たってオーディションがある場合なのだが、過剰な自信をメッタメタにされることがある。
私は、3~8人で出る少人数の大会である「アンサンブルコンテスト」に打楽器八重奏で出るとなったとき、先輩5人+後輩3人という構成で行くとなり、後輩6人から3人を選出するとなった。
その時の私は、元々の自己肯定感の低さから「ここまでやれば通るだろう」というラインの低い目標を立てていた。
しかし、その結果私は(明言されなかったが6人中最下位で)落選となってしまった。
(実はこれがトリガーとなり、体調不良を引き起こしてしまったのだが)
そこで私は、変に過剰になった自信を以てしてもまだ足りなかったことに気づかされ、これまでの自信を粉々にされた。
さらに、そこから今までの何倍も頑張らなければいけないことにも気づかされた。
なかなかに苦しい経験だし、しなくてもいい経験であることには違いないのだが、一度どこかでするべき経験であることに間違いはないのである。

④吹奏楽曲が大好きになった
とにかく「吹奏楽」というものが大好きになったのである。
中学で始めるまではいまいち実態をつかめないでいたところから、4年続けると、他人の演奏でも「ああここ違う」「そうそう!ここはそう!!」と演奏の良し悪しもわかるようになる。
さらに私は高校に進んだ時、実際に演奏する曲のフルスコア(全ての楽器の譜面が載っているもの)を渡されてからというもの、視界が開けた気がした。
そこからの私は、吹奏楽曲を聴くときにかならず「フルスコアほしい」「フルスコアよこせ…」というようになった。
そのくらい、楽器ごとの音階の動きや音楽の運び方などを理解できるようになったし、それを楽しめるようになった。

ここまで私の経験から語らせてもらったが、最後に1つ、共学の学校の吹奏楽部における「男子」の立ち回りをお教えしたい。

吹奏楽部における「男子」の立ち回り方

まず、吹奏楽部男子たるもの「目立ってはいけない」のである。
特に同じ部内に男子が10人近くいる場合は先導する男子とその取り巻きのようにいればいいのだが、1人や2人となった場合はとにかく「女の園を必要以上に汚さない」という意識が重要になってくる。
また、吹奏楽部男子たるもの「男らしさを出し過ぎない」のである。
逆に消してもいいくらいである。
変に色気を出して、部内の女子と繋がろうとしたが最後、そこはもう修羅場である。それは避けたいだろう?
吹奏楽部で男らしさを出していい部分は「重い楽器を運ぶとき」だけ。これは意識しよう。
そして、吹奏楽部男子たるもの「味方を見つける」ことも必要である。
こと、部内の男子が数人となると味方が非常に少ない。
そこで、その数人同士で励ますもよし、ある程度男子に抵抗のない女子を味方につけるもよし、とにかく自分にとっての「味方」「居場所」を見つけておく必要がある。
私は、中1の時は男子の先輩、中2の時は3年生の先輩や陽キャ女子たち、中3の時は転校してきた同級生男子や先述の陽キャ女子ズなど見つけてきた。
また、高校では運のいいことに10人以上の男子がいたため、味方を見つけることにそれほど苦労しなかった。助かった。
基本的には以上3点を意識すれば問題はなく過ごせる。楽しいかどうかは別として。

終わりに

いかがだっただろうか。
もし、この記事の筆者に質問があればどんどん答えていきたいと思うし、実際の経験者から「こんなこともあったよね?」であったり、「こんなことは絶対ない!お前の思い違いだ!」であったりする部分は甘んじてコメント欄で受け付けようと思う。
また、新入部員となるつもりの人からも「こういうとこって実際どうなの?」であったり、「中学でやるのと高校でやるのと違いある?」であったりわからないことも多いと思うのでそれもコメント欄やSNSで受け付けようと思う。
ぜひ、この記事が1人でも多くの吹奏楽フリークを生み出せると信じて、この文章を締めようと思う。

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