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法務が早すぎる

「探偵が早すぎる」というドラマがあるのだが(2018年)、サブスクを見てるとリコメンドに出てきたので、久々に見てみた。

滝藤賢一さんと広瀬アリスさんのW主演のドラマで、遺産争いで命を狙われる主人公を探偵が守るという設定のコメディなのだが、半沢直樹にも負けず劣らずの2人の顔芸もあったりして(笑)。当時好きだった。

だいたい推理ドラマは、コ○ンくんでも、金◯一くんでも、人が死んでから出てくるので、冷静に考えると屍が累々である(笑)。しかし、「探偵が早すぎる」は、事前事前に探偵が早すぎる程の手を打つので、刺客の行為が「全て未然に防がれる」という、中々に神がかった主人公なのである。

ハッ、これって、法務でも同じなのではないか…!?(←職業病)

だいたいの場合、起こってから対応するのがトラブル対応であり、また裁判である。刑事事件も、起こったことを解明し、裁く手続きであったりする(※起こった事象を解明・捜査する「司法警察活動」という⇄未然に秩序を維持しようとするのは「行政警察活動」という)。そこではもう、事件は起こっちゃっているのだ。

リーガルドラマも名作は多いが、たいていは起こった後の話である。これはリーガルにも応用できるのではないか。

題して、「法務が早すぎる」

(注)エピソードは、言うまでもなく、筆者の捏造です笑

「法務が早すぎる」:エピソード1

事業部が新しいサービスを作りたいというので、規約の依頼を持ってきた。

しかし、「早すぎる法務」は、すでにそのとき規約のタタキを作っていたのだ。

事業部「こういうサービスつくりたくて、規約の作成したいんですけど」

法務「もう出来てますよ」

事業部「えっ…!?」

法務「[ ]のところの、ブランクとか複数案の部分を見て、ご意見ください。そのあと、1度打ち合わせして、確認のすり合わせしましょう」

事業部「マジかよ…!すっげえな…!」

☆現実世界の冷静なツッコミ
いや、聴き取りしてから1stドラフトつくろうよ。思い込み禁物。

「法務が早すぎる」:エピソード2

契約書の条項に関する違反行為があったとして、契約の相手方が損害賠償などの請求をしてきた。(※)実際のやり取りは事業部が窓口になる

相手方「こういう条項に違反していたので、補填を求めます」

法務「しかし、ドラフトの途中でその解釈は文言的に削除されてますし、むしろメールではこういうやり取りが残ってますよ」

相手方「あん?」

法務「その部分、折り合いがつかず結局ペンディングな表現に落ち着いたみたいですけど」

相手方「何だと?」

法務「ふっふっふ…この契約書に完全合意条項はありますかね??」
(※)完全合意条項とは、契約書の記載のみを契約内容とする合意。契約書以外の交渉過程や経緯などを契約内容から排除する。

相手方「何?うっ、よく見ると無い…。くそ、うぜえ!」

☆現実世界の冷静なツッコミ
未然に防げてはいないし、決定打にはなっていない(笑)。

結び

「全て未然に防がれる」というのが法務的にはカッコいいなと思って、アホな妄想をしてしまいました。

「探偵が早すぎる」的な、発想の転換的なリーガルドラマを、誰か作ってくれないかな(笑)。

最高に無益な話を書いてしまったので、お口直しに、最近読んだ法務の良記事をどうぞ。



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