縫製工場あるある①納期のしわ寄せは縫製工場に

何事にも、どんな業種にも、
納期
は存在すると思います。

アパレル業界もまた然り。

お店やネットショップに陳列させたい時期から逆算して、
いろんな準備をします。

まず、
「こんな服作りたいなー」
と企画。

次いで、サンプルを作ってその企画を形にしてみる。
サンプルは、1回で良い時もあれば、2回3回と重ねて、
量産できるデザインや仕様、素材を決定させます。

「これで行こう!」
と決まったら、生地や資材を手配して縫製工場に投入。
工場に入ったら、納期に向かってひたすら縫う。

何アイテムか携われば、
この流れを掴んでスケジュール組んでいけると思うんです。

が、
が、
が、
ガーン

なぜかいつも納期に追われる。
そしてそのしわ寄せは必ずと言っていいほど縫製工場にやってくる。

これ、うちの工場とお客さんの問題なのかなー。
私の要領が悪いのかなー。
って最初の頃は思ってたんですが、
同じような立場の知り合いの工場さんと話しても
やはり同じことを言っていました。

なぜ遅れるか。

まず、企画が遅れる。
納期は決まっているのに、なぜか企画が進まない。

これははっきり言ってブランドやメーカーさんの問題じゃないかと思っている。
いや、確信している。
スケジュールを決めた営業さんやMDさんと、
デザイナーやパタンナーさんとの間で意思疎通が取れておらず、
スケジュール通りに企画やサンプルが進んでいなかった、
なんてことは結構ある。

なぜいつもそうなる。
話し合っておくれよ。同じ会社の仲間でしょう?

また、多少遅れても結局は納期に通りに上がってくる前例がある(後述(※1))から、
この段階ではあまり納期を気にしていない、と思う。

なんだかんだでようやく企画が決まり、量産できる段になっても、
次は生地が遅れる。
特にコロナ以降はひどい。
コロナで人減らしをしたり、そもそも人手不足だったりで、
生地がガンガン遅れる。
昔は、服が売れたので、生地もたくさん作って在庫していたけれど、
今や服が売れない時代。
在庫は最低限で、他はオーダー入ってから作ることもしばしば。
でも人がいないから納期通りには上がってこない。

生地が予定よりひと月以上遅れるなんてことも。
ひと月て。。。

そんなに遅れられると、
縫製工場のスケジュールはぐだぐだ。
その間仕事はすっぽり抜けてしまうし、
でも工場閉めるわけにもいかないから必死で仕事かき集めて。。。
ようやくひと月経って生地が入ってきたと思ったら、
縫製工場が納める納期は一日たりとも、
いや、半日たりとも遅れてはならぬ。
と言われるわけです。

なぜ生地屋は遅れても「仕方ないですね」
で済むのに
縫製工場は「ならぬものはならぬ」
となるのか、
十数年やってる私にも、いまだに理解できない仕組みです。

摩訶不思議。
ふしぎ遊戯。

「ならぬものはならぬ」と言われて、
頑張って言いなりになるしかないのが下請け工場。

こうやって、
なんとか無理して頑張って納期に間に合わせてしまうから
「やればできるじゃないですかー」
とか言われて次もまた同じことが起こる。(※1)

こうやって何も改善しないまま、毎シーズン当然のように繰り返されていきます。


もちろん、きっちりスケジュール管理してくれるメーカーさんもいらっしゃいます。みんながみんなってわけではありません。
そんなメーカーさんがもっともっと増えてくれたら、本当に嬉しい。。。

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