縫製工場の種類

ひと口に「縫製工場」と言いましても、
扱うアイテムは様々。

コートやジャケットなど厚い生地のアイテムを縫う工場から、
下着のような薄い生地のアイテムを作る工場まで、いろいろあります。

ミシンさえあれば何でも縫える、ってことでもありません。
いや、何でも縫えることは縫えるんですけど、
それぞれの工場で得意なアイテムがあります。

薄い生地と厚い生地ではミシンの調整も変わってくるし、
縫う人も、アイテム絞ってた方が効率が良い。

サンプルに特化した工場は、結構何でも縫うと思いますが、
量産メインの小工場は、いかに効率的にたくさん早く縫うかが大切なので、
得意なアイテムというのがあります。

めちゃめちゃ大きな工場は、生産ラインも人もたくさん確保できているので、
幅広く縫えたりもします。

うちの工場は、「ニット製品」がメイン。
「ニット」っていうと、セーターみたいなの想像すると思いますが、
ここでいうニットは、Tシャツなんかの素材になるカットソー生地のこと。
引っ張ったら伸びる、編んで作る生地です。
ワイシャツのような伸びない生地は、織って作る「布帛(ふはく)」と言います。

まぁ、ニット縫えたら布帛もそんなに苦じゃないんですが、
布帛ばっかりやってると、ニット縫うと一瞬戸惑う。
伸びるから。
もちろん縫う人はすぐに勘は掴みますので、そんなに問題ではない。

あと、アパレル製品じゃなくてもミシン使って作るものってあると思います。
車のシートや、赤ちゃんの抱っこ紐、バッグ、等々。

時々、「こんなの縫えますか?」と言って、アパレルじゃないものの問い合わせあったりするんですが、薄い生地のポーチやエコバッグとかならできますが、
ガチガチのバッグや、厚いテープ使った小物とかになると論外。
これは、ミシンが違います。

我々アパレル縫製工場が使うのは「アパレルミシン」
バッグや小物を作っている工場が使うのは「ノンアパレルミシン」

同じミシンでも、作るものが違うと縫えるミシンの種類も違うのです。
同じ「アパレルミシン」でも、薄物(うすもの)と厚物(あつもの)では機種違ってくるくらいです。

だから、ひと口に縫製工場と言えど、縫えるもの、得意なものはぜーんぜん違ってくるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?