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映画「アナログ」感想 人には自分だけの幸せのかたちがある

本日「アナログ」見てきました。

「好きだよ」「愛してるよ」などのチープな言葉、キスや濡れ場は一切なく、ただひたすら一途な愛情が描かれていました。

以下ネタバレ含みます。

悟(二宮和也)について

しごできインテリアデザイナー。
頼みを断れない、押しに弱いところもあるけど、とにかく腕がいい。(多分、とっても優しいんだと思う)
手柄は全て部長に持っていかれるが、そういう評価とか名誉とか昇進とかは一切興味なし。好きでデザインやってる職人さんみたい。(こういうとこも波瑠役の女性・みゆきにも似てる)
デザインは鉛筆の手書き、模型作りにこだわる。仕事のために徹夜もしちゃうくらい、熱心。

あと、朝ごはんをしっかり作る。美味しそうに食べる。丁寧な暮らし。部屋も綺麗。
病気のお母さん(高橋惠子)のお見舞いに何度も行く。どら焼きを食べながら、ニコニコ話す。お母さん想いのいい息子。お母さんも嬉しかっただろうな。

だからこそお母さんが亡くなったシーンは辛かった。お母さんは、いつも悟のことを想っていて、一番の理解者だったんだと思う。悟が嬉しそうにしているのを、恋愛だと一発で見抜くお母さん、流石だった。笑
タイトルの「人には自分だけの幸せのかたちがある」というのはお母さんの言葉。
最後、悟が悟なりの幸せを見つけていてよかった。(それについてはまたあとで…)

それにしてもニノの演技力が高すぎて感嘆。
女性を誘う男性特有のしどろもどろした感じとかもどかしい感じとか、表現がすごい。ぎゅ〜っと胸が締め付けられた。


みゆき(波瑠)について

めちゃくちゃ美しい謎の女性。
悟がデザインしたカフェ「Piano」の常連。悟のデザインを細かいところまでよく見てる。デザインはお手洗いに表れる、とか言ってた。細かい悟のこだわりに気づいていて、悟はそれをすごく喜んでいた。

みゆきは訳あってスマホを持たない。代わりに、毎週木曜、Pianoで会おうと悟へ提案。2人で会う時間が増えるにつれ、笑顔が増えていく。

「会いたい気持ちがあれば、きっと会えます。」
木曜日に会える時もあれば、会えない時もあれば…と、山あり谷ありだったが、その言葉が伏線となり、最終的に二人はずっと一緒に寄り添っていけることとなる。

後ほど書くが、みゆきは国際的なバイオリニスト。これは物語のかなり後半で明かされる。ついでに昔結婚していた(夫とは死別)。
オーケストラのコンサートでは亡き夫を思い出し泣くシーンも。
しかし最終的には悟と一緒に生きたいと思うようになる。

とにかく服がおしゃれで上品。透明感があって、儚く、ミステリアスな雰囲気。波瑠はハマり役だと思う。キャスティング神だった。


高木(桐谷健太)と山下(浜野謙太)について

悟の男友達。子供の頃からの付き合い。
それぞれ務める会社は違うが、よく飲みに行っている。
悟のお母さんが亡くなったときも、悟が結婚指輪を買うときも、みゆきがPianoに来なくなって悟がヤケクソになったときも、ずっとそばにいた最高の男友達。

山下は奥さんと娘さんがいる、優しい中年男性。奥さんは、悟のお母さんが亡くなった時に色々お手伝いしていた。(お皿洗いとか) きっと家族ぐるみで付き合いがあるのだろう。
高木はいつもきちんとしたスーツで、こちらも仕事に熱心な感じ。おそらく独身貴族。一人で居酒屋で飲むシーンもあった。関西風なノリ、明るい性格。

高木は、悟のお母さんが亡くなったとき、Pianoで悟を待っていたみゆきに会いに行った。(お母さんの通夜がちょうど木曜日だった)
悟は意気消沈しているため、来たくても来れないことを伝えに行ったのだ。優しすぎるやろ…

みゆきの正体を解き明かしたのは、山下。山下はすぐ高木に連絡をとり、わざわざ大阪まで悟に会いに行った。
みゆきの正体を話しているとき、山下がポロポロ泣いていて(なんなら悟より泣いていた)、なんて優しいんだ…!!!と感動した。




ということで、登場人物がみんな魅力的で好きです。笑 書いていくとキリがない。



みゆきの正体について

結局みゆきの正体は国際的なバイオリニストで、20代の頃ミハエルという外国人と結婚した。しかも本名は古田なおみ。二人でドイツに住んでいたが、ミハエルが病死。それをきっかけにバイオリンはやめて、日本へ戻ってくることに。
日本に来たのをきっかけに、スマホは持たなくなり、偽名を使うように。(有名人だから)

そこで出会ったのが悟…。
悟がデザインした東京のPianoというカフェで、毎週木曜、逢瀬を重ねる。

悟と順調に仲良くなっていったが、いざプロポーズという木曜日に、みゆきは不慮の事故に遭う。脳障害と下半身麻痺が残った。もちろん、Pianoへはもう行けない。悟に連絡する手段もない。というか、悟のことももう分からない。

何も知らない悟は、何週間も、何ヶ月もみゆきに会えない日々を送る。振られたと思い、傷心ながらも転勤で大阪へ。そこから何年も経った後、山下と高木がみゆきの正体と今の状態を知り、悟に伝えるのであった…。(ここで山下が号泣)



みゆきの正体が明かされた後

悟はみゆきのお姉さんに会い、やっとみゆきのいる病院へ行くことに。そこには車椅子に座り、無表情で遠くを見つめる、変わり果てたみゆきの姿が。

(もう、後半、悟ほとんど泣いていたよ。ニノの演技やっぱすごいよ。)

悟はもちろん、みゆきのお世話を手伝いたいとお姉さんに交渉。しかしお姉さんは「悟には悟の人生がある、重荷になってはならない」と簡単に了承しなかった。ここの描写が丁寧に描かれているのも良かった!!簡単に「そうですね、妹も喜びますよ!」で、終わるんじゃなくてさ。お姉さんもお姉さんなりに悟を心配してたのが良かった。

しかし悟の愛は深かった。
お姉さんを説得し、仕事を辞めて、みゆきの家に近く、海が見えるところに一軒家を建てた。

ありがたいことに、辞めた後も前の会社から仕事の依頼が舞い込んできた。収入はぼちぼちあるみたいだ。もともと腕はいいし、フリーランスでも十分なんだろうな。

悟の想いを理解し、納得したお姉さんは、徐々に悟を信頼し、みゆきを任せるようになる。悟は、車椅子のみゆきと一緒に外を散歩したり、海を眺めたりして、穏やかに過ごす日々を送るようになる。



ある日、高木と山下と悟で飲む場面。
悟は「俺は幸せ者だ」としみじみ呟いた。
仕事がいただけているっていうのもそうだけど、悟にとってはみゆきといれる日々が幸せなのだろう。例えみゆきが健常者でなくとも。

ここでお母さんの言葉が効いてくる。
「人には自分だけの幸せのかたちがある」
結婚していなくても、もとのみゆきに戻れなくても、しゃべれなくても、子供ができなくても、悟にとってはみゆきと寄り添える日々が幸せなのだ。側から見れば可哀想と思うかもしれないが、悟が幸せならそれでいいのだ。

感動のラストは…劇場で見てほしい。なんか、ここで書きたくない。私の拙い文章だと、なんか良いところが何にも伝わらない気がして😭笑
文章に表せないほど素晴らしいシーンだったことに間違いはない。



この映画は、夫と見た。
夫のことを、より大切だと思うようになった。
たとえ子どもができても、できなくても。
夫が病気になっても、ならなくても。
どうなろうとも、夫とともに生きていきたいと感じた。悟のように。

大切な人を、より大切だと思える。
愛する人への愛が、より深まる。
素晴らしい映画だった。
「当たり前」の幸せを噛み締めて生きていきたい。

ここまでネタバレかなりしてしまっまけど、まだ見てない人は…
ぜひ、大切な人と見てください。

あ〜〜このブログがアナログの制作チームの誰かに届くといいな〜。
てか、まだまだいっぱい書けるもん!笑 
悟(というかニノ)のカラオケの上手さとか、悟のお母さんの好きなところとか、悟がお見舞い行くときに食べてたどら焼きが美味しそうなこととか、部長がうざいけど憎めないとことか!!!笑

ファンレターとか送ろうかな…。



さてと、noteのアナログの感想を書いたブログを見漁りに行きます!!

いきなり❤️来て、誰やねんって思ったらすみません。ただのアナログ好きな女です。

DVD発売されたら買おうかな〜



※映画は一回しか見ていないので、細かい点が間違えていたらすみません。生温かい目で許してください。


では、また。

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