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不機嫌なはじまり(1, p.14~16 )

■7.11(土) 曇りのち晴れ

朝から子どもたちのドッチボール大会へ行く支度をしている。6月からずっと週末の天気が不順で(まあ梅雨ですからね)、地区大会が3度も延びた。4度目の正直という言葉はないが、今日はなんとか晴れるようで開催決定となり、自転車で競技会場まで向かう準備をしているのである。

わたし以外のこの家族は、日常の動作として、まず準備が鈍(のろ)い。とにかく時間通りにいかない。
鈍いというか、遅刻することにあまり罪悪感を抱いていない。口酸っぱくそのことを言い続けても、蛙の面に水だが、さすがに今朝はわたしがぶち切れて、連れ合い含めてさんざんなじった。

この人たちとは行動をともにしたくない、というのが、今日の出発点で、以来わたしはずっと不機嫌さんになっている。午前中は連れ合いと子どもたちを会場まで送り届けて開会式まで見届けたら、さっさと帰宅した。
怒りを抱えたまま卒論に取りかかろうとしても、どうにも気持ちの納まりがつなかくて、けっきょく一時間ほど無為に過ごしてしまう。

では、そのあいだに『戦争と平和』を読もうかとも思ってソファに沈み込んだが、文字面がアタマに入ってこない。宮廷女官のアンナ・パーヴロヴナがワシーリー公爵に、自分の意見を滔滔と述べているくだりのようだが、小説の全体像が見えていないので、このシーンの意味するところ、あるいは位置づけといったものがジグソーパズルのワンピースにしか過ぎない。ま、小説の最初のほうはそんなものなのだけど。

午後、連れ合いの携帯呼び出しでけっきょく会場まででかけることになった。すっかり晴れて気温がぐんと上がっている。子どもたちのチームは午前中で予選敗退、本選には進めなかったようだ。午後は交流試合を数度。
閉会式は16:00までかかった。この暑い中、子どもたちはよくやったと思う。このドッジボール部に入部してまだ1ヶ月も経っていないんだし。

帰りは寄り道して、Denny'sでデザートを食べる。わたしは白ワインとホウレン草とベーコンのソテー、蒸し鶏とネギの胡麻ソース和えをいただく。美味しいものを食べて良いとされる土日にして、この少食で終わってしまう。胃がすっかり小さくなってしまった。

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