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「日本再興戦略」に学ぶ理想の日本像【第一章:「欧米」とは何か②】

今回は 第一章「欧米」とは何か の続きですね。

以前は、日本独自の成長をするならコミュニティを重要視すべきであることをお話しました。詳しくは前回の記事を見てください。

【ポイントのおさらい】

他国のマネをして上手く行く時代は終わりを迎えつつあり、今後は日本なりの発展が必要である。

ワークライフバランスという幻想 

今回は働き方についてのお話です。

日本の生産性の低さを問題視して、アメリカの生産性の高さを見習うべきであるという意見をよく聞きます。しかし、これは日本人に最適な方法ではありません。

例えば「ワークライフバランス」という考え方です。日本人は昔から労働時間が長かったことを考えると、労働時間を一気に減らすという考えは浸透しにくいです。

逆に「ワークアズライフ」として、無理なく続けられるような仕事をするほうが向いているはずです。長い人生だからこそ、生きがいを仕事に見いだせるほうが良い人生を歩めるはずです。

シンプル化が浸透しない理由

アメリカから影響を受けたビジネスマンがよく口にする「シンプルにすべき」という考えも東洋思想に合ったものではないので、受け入れられにくいはずです。東洋思想は「わからないから修行すべき」という考えなので、この違いを理解した上で、上手く取り入れていく必要があります。バックグラウンドを理解せずに変化を起こすと、良い所まで失われる恐れがあるのです。

日本なりのイノベーション

イノベーションという考え方も日本独自の方法を取る必要があります。

例えば、「日本にスティーブ・ジョブズは生まれるか」といった議論がされたりしますが、これもナンセンスです。日本はコミュニティとして生きてきたのだから、超人的な個人の能力に期待せず、コミュニティとしてイノベーションを起こせば良いのです。チームラボなんかは良い例だと思います。


ただ、イノベーションを起こす上で他国から見習えることもあります。しかしそれは欧米ではありません。見習うべきは「シリコンバレー・シンガポール・深セン型」です。シリコンバレーでは「イノベーション×ソフトウェア」、深センでは「イノベーション×生産設備」、最近のフランスでは「イノベーション×文化」というような従来の強みを活かしたイノベーションが起こっています。これを見習って、日本なりのイノベーションを立てていく必要があるのです。


イノベーションを起こす上で、ITは欠かせません。しかし、日本はITでは他国に大きな遅れをとっています。その原因は2つです。1.伝統的社会が強すぎた、2.古いメディアが強すぎる、ということです。つまり、従来の生活で満足して、必要に駆られなかったのです。

原因を知れば、日本でITの浸透が遅れたことは充分に理解できます。こういった背景を理解しつつ、日本なりの成長を考えていくことが重要なのです。


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