見出し画像

【ベイツ大学留学】リベラルアーツを堪能した秋学期

あっという間の秋学期

数日前に、すべての期末テストとレポートを終え、冬休みになりました!できることを全力でやっていたら、気づいたら中間も期末も終わっていた、そんな感覚です。

始まったころは、こんなこと思ってたなぁ。
忘れないうちに今学期を振り返ります。

What’s Rhetoric?

今学期、一番気力と体力と時間を費やした授業です。古代ギリシャ、ローマからフーコーなど現代にいたるまで、いろんな哲学者の文献を読みました。

枕にできそうな厚さの教科書

ただでさえ英語なのに、古典となるとハードルが一気に上がります。現代になれば、内容がより抽象的で何言ってるかわからないし…。このクラスは週に2つのリーディングと、それに対しての短いライティングの課題がありました。量も質もヘビーで、日本語訳も見つからないときは絶望でした。

授業後のオフィスアワーで先生に質問しに行ったり、添削をしてもらったりしてなんとかかんとか授業についていっていましたが、内容自体はとても面白く、楽しい授業でした。

期末レポートのテーマは、「What’s Rhetoric?」。自分でもなかなかいいレポートが書けたと思います。大満足!

Voice and Speech - Theater

歴代平沢スカラーが取っている授業の一つです。代々受け継がれている教科書のおかげで、中間試験は難なく乗り越えました(ありがたや…)。

このクラスは、明るくて陽気なシニア(4年生)の人たちがたくさんいたので、最初はテンションと自由度の高さに圧倒されました。先生の話の途中で踊り始めたり、「雪だ―――――!」といって外に出て行ったり。先生に「まるで、幼稚園ね…」とあきれ顔で言われるくらいで、私はなかなか進まない授業にヒヤヒヤ。

この授業では、舞台上で一人ずつモノローグを演じたり、グループでパフォーマンスをしたりしました。英語で人前で発表するのは勇気がいりますが、みんな終わった後に「よかったよ!」と言ってくれます。結果よりも、そこまでの勇気や挑戦したことを認めてくれる。アメリカでは当たり前なのかもしれませんが、この小さな積み重ねが自信になりました。

期末パフォーマンス(公演)のリハーサル
期末のパフォーマンスの楽屋にて

この授業のクラスメイトは、キャンパス内ですれ違うとみんな声をかけてくれます。授業外でも一緒に過ごせる友達ができたのは嬉しかったなぁ。

African American Religion in American Film - FYS (First Year Seminar)

日本での副専攻がメディア、そして大学1年生からずっとゴスペルに熱中していた私にとって、この授業はその二つが重なり合う授業でした。

ゴスペルのルーツである、アフリカ系アメリカ人の宗教の歴史的背景や、それらが映画の中でどのように描写されているか、その社会的背景にある人種、性別、宗教的規範について広く深く学びました。

期末レポートでは、テーマに選んだのはかの有名な「アメイジング・グレイス」。この曲の作曲者は、白人(イギリス人)で、奴隷貿易の船長をしていた無神論者でしたが、後に牧師となり奴隷廃止論者となった人物です。そんな彼が作曲した「アメイジング・グレイス」が、アフリカ系アメリカ人とキリスト教の信仰をテーマにした映画の中で、どのような役割を果たしたかというテーマは、なかなか面白いと思いませんか?

自分の興味関心を、アカデミックに掘り下げる経験がこんなに楽しいとは知らなかった!

Beginning Ballet - Dance

バレエは全くの未経験でしたが、3か月で基本的なポジションやステップを学んで、なんとなくそれっぽく踊れるようになりました。

左がわたし

実践だけではなく、バレエのボキャブラリーやクラシックバレエとコンテンポラリーバレエについてアカデミックに考察する課題もあり、ベイツで一番リベラルアーツを感じた授業です。

期末はクラスメイトみんなで振付を考え、先生の前で発表するというものでした。8人という小さなクラスですが、みんなと仲良くなって、期末を乗り越えた戦友たちになりました。

この記事の見出し画像は、最後のパフォーマンスの後に撮ったお気に入りの写真です。

バレエのクラスメイト
雪がいい感じ。

Intermediate Chinese1- Asian Studies

せっかく高校時時代に中国語を身に付けたのに、大学に入ってから何も勉強していないので、せっかくだからアメリカでブラッシュアップしてみよう!と思って取った中国語のクラス。台湾では日常会話ベースで感覚的に学んだ中国語を、文法のルールにのっとって勉強し直すのはためになりました。

レベル的には簡単でしたが、日本語⇄中国語⇄英語を行き来しながら考えるので、たまに混乱します。来学期はもっと上のレベルのクラスを取る予定です。

点と点が繋がるリベラルアーツ

三鷹の森でもどっぷりリベラルアーツに浸かっていると思っていましたが、ベイツはそれ以上に学問のすそ野が広いと感じます。舞台や芸術だけではなく、理系の研究もとても盛んです。

私が日本で専攻しているメディアやジャーナリズムや、ゴスペルや舞台での表現という好きなことが、どの授業にも少しずつオーバーラップしていた秋学期の授業でした。

一つのクラスの中で完結せず、それぞれが少しずつ重なり合って、点と点が繋がって「自分らしさ」が構築されていく。ただの知識としての勉強だけではなく、自分の内面が耕されていくような学びは、まさにリベラルアーツの醍醐味です。

今はまだ、一部しか点と点が繋がった部分を言語化できていないのですが、きっと1年の留学を経て、「あの授業も今の私の価値観を支えているんだな」と感じる時が来るのだと思います。

来学期も、楽しみな授業ばかりです。じっくり熟成させられる学びができるといいなぁ。

この記事が参加している募集

学問への愛を語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?