見出し画像

英語なまりのコージ ウィルスと融合することで人類は、老化を克服する。

学生下宿ほうれんそうの住人は10人ですが、
コージが3回生の時、5人の1回生がいました。
その一人が松田君と言って、背の低い無口で大人しい子でした。
大人しいだけでは面白くありませんので、
顔はプロレスラーのタイガージェット・シンそっくりでした。
この松田君は、いつも小さなバイクに乗っていました。
大きなタイヤのついた50CCタイプだったと思います。
その松田君のバイクに目を付けたのが、コージとアリです。
コージ「ミスター松田、バイク、ヘルプミー」
アリ「オッチャンの言い分を通訳するとやなあ・・・
ゲームセンターに行きたいから、バイク貸してんか?やね」
おそらく、体重は倍はあろうコージとアリに
迫られた髭は濃いけど気の弱い松田君
「はい、油入れて返していただけるなら・・・・・」
コージ「スイート」
アリ「ベッドやなくて・・・甘いんよ
先輩に油入れて返せとは何言うてんや」
と、ほとんどウエート差を利用した脅しです。
 
難なくバイクを借りたコージとアリは
「ヘイヘイヘイ・・・」
と叫びながら、ほうれんそう周辺を
ブーンブーンとハエのような音をたてて走り回ります。
コージ「交代ね」
ブーンブーン・・・・・・・・・
アリ「ヘイヘイ・・・交代やね」
アリがハエのような音をたてるのは自然界では変ですが
人間界では許されます。
悪乗り二人組は絶好調です。
ブーンブーン・・・
しかし、可哀想なのは松田君です
「ゲームセンター行くだけだって行ったのに・・・」
泣きそうな顔で大切なバイクを見守っています。
50キロもないモスキート級の松田君が乗っていたバイクに
スーパーヘビー級のコージとアリという
100キロはありそうな巨体が乗りまくっているのですから
バイクが可哀想です。
いや、もっと可哀想なのは、それを支えている地球です。
 
なんと1時間もコージとアリは交代で乗り続けたあげく、
松田君が一番恐れていたことが起こりました。
タマちゃんとヨウコさんが、腕を組んでデートから
帰って来たのです。それを見たコージが正常でいるはずは
ありません。眉間に深いしわを寄せたコージは
ヨウコさんにカッコイイところを見せようと、
とんでもないことを始めたのです・・・
コージは、一周回って帰って来たアリに
「ミー、バックね」
と言って、二人乗り運転を始めました。
哀れ!悲惨!小さなバイクに100キロの大男が乗ってしまったのです。
サーカスなら、二匹の色白と色黒のブタが二人乗りで大受けでしょうが・・・
松田君は泣きそうを超えて「おお、神よ」とばかり天を仰ぎました。
コージの「レディー・ゴー!!!」
アリ「ピンク・レディー!!」
という叫び声とともに、もはや古代ギリシャの奴隷と化したバイクは
重い重いピラミッドよりも重い男二人を乗せ、ゆっくりと動き始めました。
ブブーン・・ブブーン・・、心なしかバイクの後ろから出る煙が変です。
気づかないコージとアリは
「ヘイヘイヘイ・・・・・」
と超うれしそうです。
ブブブーン・・・ブブン・・ブン・・ポポ。。。。。
哀れバイクは、100メートルほど走って失速し
そのまま動かなくなってしまいました。
「こんなはずではなかった」
呆然とバイクを見つめるコージとアリ。
松田君は瀕死の重傷を負ったバイクに
短い足を回転させて駆け寄り
「まだ、ローン残ってるんやぞ」
とコージとアリを涙を流して睨みました。
タマちゃんとヨウコさんも駆け寄り
タマ「やりすぎ」
ヨウコ「最低ね」
タマ「ちゃんと修理してやれよ」
ヨウコ「行きましょ」
イイカッコするどころか最低の人間とレッテルを貼られたコージは、
「アイム・ソーリー」
アリ「ごめん、悪気はなかった。
ただ、ちょっと、からかっただけや」
松田「1時間で、ちょっとか!!」
コージ「アイムソーリー」
そう言いながら、いざ押して行くと・・・
かなり重いバイクを修理工場に運んだのでした。
トホホホ・・・

なんて昭和の時代にタイムスリップした旧型人工知能のコージは相変わらず馬鹿なことをやっているんですが、22世紀末期のコージは新型の人工知能を搭載していますから、自由に時間をコントロールすることができます。人工知能は歳をとりませんからね。つまり、21世紀後半の新型人工知能搭載した人間は老化を克服しているのです。もちろん人工知能を搭載することできなかったか、拒否した人間は老化してしまいますがね。まぁ宗教上の理由とかそんな馬鹿なことできるかとか信じられないとか理解できないとか考えた人たちです。そんな人たちも多数存在しています。まぁ人工知能搭載した人間が1割から2割。それに拒否したり、今のような人間たち8割位ですね。ちなみに新型人工知能は、現在の時代で言えば、ウィルス位の大きさですから、現在の人間の目には見えません。現在の人間たちのほとんどは、ウィルスを敵だと感じていますが、実はウィルスと人間は融合が充分可能なのです。そもそもウィルスは人間が作り出したものですからね。そんな各種のウィルスを自由に身に付けることで、人間はいろいろなタイプの進化した人間になれるんです。ほら、そんなことできるわけないよ。なんて思ったあなたあなたは永遠に現在の人間のままです。ちなみに今の時代で言う認知症もあるウィルスを搭載することで克服されることになります。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?