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瞬撃手が解く、沖縄空手「基本の解明」 第八回 「型」

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数年前から急速に注目を集めた沖縄空手。現在では本土でも沖縄で空手を学んだ先生も数多く活躍すろとともに、そこに学ぶ熱心な生徒も集まり、秘密の空手という捉え方から、徐々に地に足の着いたものへと変わりつつある。ここでは、多年に渡り米国で活躍し、瞬撃手の異名を持つ横山師範に、改めて沖縄空手の基本から学び方をご紹介頂く。





瞬撃手が解く、沖縄空手「基本の解明」

第八回 「型」

文●横山和正(沖縄小林流研心国際空手道館長)



型こそ空手

 さて、今回は空手の本質と最も深い繋がりを持つ型について改めて考察を進めてみましょう。

 私は型は空手という武道を修得するために最も重要なものだと断言します。

 何故なら空手が空手として成立し、得られる全ての能力の養成がこの型稽古の中に秘められており、最適化された訓練法であるからと感じているからです。

 様々な格闘技や武道にはそれぞれに適した様々な用具や単独や対人による訓練方法が体系化されています。
 例えばボクシングの場合、ボクサーとして完成するべくランニングを始め、ロープワーク、筋トレなどのトレーニング法やサンドバッグやミット、スピードバッグなどの様々な用具が存在します。

 それと同じように空手には空手を学ぶためのシステムがあり道具があります。
 そのシステムであり道具となるのが型稽古なのです。

 特に空手の発生の地である沖縄では訓練は絶えず型を中心として行われ、本土のそれとは比べ物にならない回数と密度をもって繰り返し行われます。
 正に空手=型であり、型=空手といっても過言ではない程の深い繋がりをもっており、私自身、何よりもこの型訓練の効果を心身でヒシヒシと感じてきたものです。空手における独特のスピード・威力・変化・技法等は全てはこの型の中から生まれ、養われてくるといっても過言ではありません。



沖縄の型と本土の型

 空手の型が具体的にどういった要素を養うのかを説明する前に、少し空手の型について考えてみたいと思います。

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