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瞬撃手が解く、沖縄空手「基本の解明」 第六回 「蹴りと歩法」

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数年前から急速に注目を集めた沖縄空手。現在では本土でも沖縄で空手を学んだ先生も数多く活躍すろとともに、そこに学ぶ熱心な生徒も集まり、秘密の空手という捉え方から、徐々に地に足の着いたものへと変わりつつある。ここでは、多年に渡り米国で活躍し、瞬撃手の異名を持つ横山師範に、改めて沖縄空手の基本から学び方をご紹介頂く。




瞬撃手が解く、沖縄空手「基本の解明」

第六回 「蹴りと歩法」

文●横山和正(沖縄小林流研心国際空手道館長)



空手の蹴りと歩法

 沖縄のいち地方武術であった空手が、今日の様に大きく世界に普及した要因を考察すると、まず簡単にふたつの要素が頭に浮かびます。それは、

有無を言わせぬ破壊力 
華麗な動き

 1の破壊力は試し割りで、そしてその2の華麗さとは型や約束組手等の動作にも起因することでしょう。
 しかし、更に言えば、華麗さと破壊力を兼ね備えた“蹴り”の存在にあると言えるでしょう。
 それまでの日本武術や西洋の格闘スポーツといえば、組み合う柔道やレスリング、打撃系はボクシングの様に手のみ用いるものが大半を占めていました。そうした中で伝統的な武術を背景を持ちながら、“足を以て相手を蹴る”という攻撃方法をあからさまに示した空手は非常に珍しいものであったと考えられます。

 それは空手が普及する過程で組手の研究とともに最も進化したのが“蹴り”であることを考えれば分かりやすいでしょう。伝統派、フルコンのルールに拠らず、いずれにおいてもその時代時代にあった蹴りの名手が誕生し、今日に至るまで日進月歩であることを見れば、蹴りはまさに“空手の華”であり、ある意味で空手の魅力であると言えるでしょう。
 そこで今回は、この蹴りについて書いていこうと思います。



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