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加湿器つくるもん

今日は工作します! 工作と言えば、やはりアメリカですね。日本をはじめ他国の世論形成に介入し……って、その工作じゃない! 今日やる工作はアメリカがよくやる政治工作ではなくむしろ中国の……という冗談はさておきなのですが、関係なさそうで関係してくるのが中国のすごいところ。

気付けば冬、空気もかなり乾燥してきたところなので今回は"加湿器"を作るわけですが、これを自作しようと思ったのはかつて、"MADE IN CHINA"のお安い加湿機を買っても買ってもすぐダメになり、さすが懲りたからです。もう買わない!

子どものころからあった昭和の加湿機は20年以上も使えたのに、それが壊れたとたんにこの有り様……。昭和の加湿機は吹く霧の強弱を変えられるだけの簡素なもので、べつにお値段も高くはなかったのにこの品質の低下はなんなんでしょうね。

もっとも、廉価品で貧しい日本からお金をまきあげて財をなした中国メーカーは、今は技術的にしっかりしたものを作れるようになったところもありますから、一概に"MADE IN CHINA"を否定するつもりはありません。販売者が日本のメーカーのこともありましたし、共犯ですからね。

ま、ぐちぐち言ってても仕方ありませんから、サクッと加湿器を作っていきたいと思います!

1. 容器を用意する

まず用意するものは容器です。今回は、ゲームのコントローラーの容器とお菓子の容器の2種類を用意してみました。これが加湿器の本体となります。

2種類の"容器"を用意します。

左は、ゲームの別売コントローラーの箱のなかでコントローラーを支えている内側容器で、それをひっくり返した状態で使います。ちなみに、ずっと『HORI PAD』を愛用していますが、実はHORI PADもMADE IN CHINAです。でも品質が良いのは、きちんと"監督"しているんでしょうね。

右は、6個入りお菓子の内側容器です。お菓子を整列させるための"⊿⊿⊿"状の座席があればOK。どら焼きや少し大きめの饅頭系の和菓子でよく使われているほか、売り方によってはブッセやカステラ、バームクーヘンのような洋菓子系でも使われています。

なお、別に2列である必要はありません。「美味しいやつ」がなによりです。

今回は2種類の容器を用意しましたが、とりあえずひとつあればOKです。

2. 紙を敷く

続いて、容器のなかに紙を敷きます。必要になるのは、キッチンペーパーやティッシュペッパーといった、吸水性の高い紙。トイレットペーパーは溶けてしまうのでNGです。

このコントローラーの容器は左右に深い溝があるので、底の部分に届くように紙を敷きます。全部白いので、ちょっとわかりにくいですね。

またこの容器は手前にも浅い溝があるので、そこにも届くよう、今回はティッシュペーパーを三角形に畳んでみました。かなり「オムツをはかせる」という気分です。生まれましたよ、元気な加湿器ちゃんです!

お菓子の容器の方は、サイズにあわせて端を折ったティッシュペーパーを"座席"の凹凸にあわせるように敷きました。この容器の場合は各座席に"窪み"があるので、紙を少し押し込んでいます。

3. 水を注いで完成

あとは、それぞれの容器に水を注げば完成です。

コントローラーの容器は左の溝に水を注ぎました。写真で見てもわかりませんが、じわ~っと右へ向かって浸透していっています。オムツとか言ってすみませんでした。

一方、お菓子の容器は下側に水を注ぎました。こちらはなんとか見てわかるように、水が下から上へと浸透していき、写真では3段目の山を登ろうとしているところです。がんばれ! と、ちょっと応援したくなります。

このように、左から右、あるいは下から上へといった具合に、端から端へと水が浸透すれば、無事「完成」です。「これだけ!?」という感じですが、これだけ! 電気を使うような機械ではないので「加湿機」というより「加湿"器"」なのです。

日中、陽が当たる場所に置いておくとカビの発生も防げるうえによく蒸発するので「太陽光式加湿器」とでも呼びたいところなのですが、太陽光がなくても蒸発は進み、それなりに機能します。

ちょっと解説

原理的には、水に直接浸かっていない紙の部分から水分が蒸発することで周囲の湿度を高めるだけのものです。

逆に人が"乾燥"に苦しむ原理は、部屋のなかが低湿度の空気で満たされているとき、もっともガードが弱い人間の目や唇から水分が奪われるということに尽きます。だから、身代わりとなる"加湿器ちゃん"がいれば、それでいいというわけですね。

部屋の隅に"水を入れた瓶"を置く人は昔からいて、それもある程度は役立つのですが、空気に接する面が狭いこともあってなかなか蒸発しません。電化式の加湿機はそれを霧状にして(あるいは温度を高めて)噴射し、強引に湿度を上げるわけですが、結露しやすく、周辺にある家具がサビたりカビたり水垢が付着することもあってデメリットも伴います。

この加湿器ちゃんは力は強くないのですが、不必要なほどの勢いでは蒸発しませんし、電気も使わないので、常設しておけばほどよく部屋に潤いをもたらしてくれます。水に浸らずに露出している紙の面積が広いほど"有能"になるので、適した容器を探してみてください。

とはいえ、やはり加湿器ちゃんには"勢い"がなく鈍足なので、6畳以上の広い部屋や隙間風がよく通る部屋、人の出入りが激しく部屋の空気が頻繁に入れ替わる場合などには乾燥に負けることがあります。単に部屋が広いだけなら加湿器ちゃんの数を増やせばいいのですが、気密性が低くて、寒いときに暖房を長時間つけっぱなしにせざるをえない環境も苦手です。ま、そんな環境では電気式の加湿機でもカサカサしますけどね。

注意事項

実は、"安モノ加湿機"に凝りて、この加湿器ちゃんを使うようになってもう10年ほどになります。もともとぼくは仕事で長時間PCを使い、趣味でもゲームをし……という具合いにかなり目を酷使することもあって昔はドライアイに苦しみ、だからこそ加湿機は欠かせなかったのですが、この自作の(というほど作ってもいない)加湿器ちゃんにしてからもドライアイになっていません。

ただ、いくつか使用上の注意があります。

まずは、日差し。前述のように蒸発を促しつつカビの発生を防ぐために日差しは欠かせません。日当たりの悪い部屋での使用にはご注意ください。

次に、小さなお子さんやペットを飼っている場合、加湿器ちゃんを落としたり倒したり、あるいは清潔ではない水を飲んでしまうおそれがあります。手足が届かない場所に置くとか、カゴを被せるといった防護策が必要になる場合があります。

また、秋の終わりくらいから使用を始める場合、まだ蚊や蠅などの虫が飛び交っていることがあり、露出した水場は繁殖の場になるおそれがあります。水にわずかな洗剤等をまぜておくことで逆に"虫取りちゃん"にすることもできますが、虫取りちゃんがよく働くと見た目がいや~んになるのでご注意ください。

あとは、メンテナンスについて。長く使っていると水垢がたまるのは電気式の加湿機と同様ですので、掃除は必要です。とはいえ、ただ敷いただけのティッシュペーパーを捨てて交換すればOKなので簡単です。

容器のほうにも水垢がこびりつくのですが、日差しを浴びてプラスチックが劣化することもあるので、春の訪れとともに丸ごと捨ててしまうのがオススメです。もともとゴミに出されるものを活用していただけですから、罪悪感もありません。

季節が移り、また秋や冬が訪れたときには、新しい加湿器ちゃんを作るために美味しいお菓子を買って来るのがオススメです。それなら、部屋だけでなく人生も潤いますからね。

(おしまい)




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