見出し画像

デザイン思考

こんにちは。HRDX & Co. 代表の ノノミヤ チヒロです。
今日は、Udemy講座 【職場の失敗あるある】事例でわかるDXの進め方 のテキストから一部抜粋して、デザイン思考の解説記事をお届けします。

Udemy講座については、こちらで無料クーポンもお配りしています。

デザイン思考の2つのフレームワーク

デザイン思考のフレームワークには、以下の2つの代表的なものがあります。

1つは、デザイン思考プロセスという5つのステップで、スタンフォード大学のd.schoolによって提唱されたフレームワークです。特に、ユーザーへの「共感・理解」を重視する第1ステップが、デザイン思考における最も重要な考え方の1つです。今回は、最初の「共感・理解」のステップのみ解説し、残りの4つのステップは、別の記事で解説します。(あまり全部書くと、Udemy講座のネタバレになってしまうけど・・。)

問題解決の8STEPでは、第1STEPにおいて、「あるべき姿」と「現状」のギャップから、解決すべき問題を定め、その問題解決を行っていきますが、私は「あるべき姿」を定めるのが一番難しいと思っています。そして、本当の意味で「あるべき姿」を正しく定めるには、ユーザーへの共感・理解がなにより重要です。

例えば、デザイン思考の事例として有名な、ゲーム機のwiiの開発を例に説明します。単純に作り手側の視点(プロダクト・アウトの視点)で考えると、「映像出力が高精細なゲームの開発」「コンマ何秒の激しいボタン操作に対応できるゲームの開発」といった、スペック勝負の開発に陥りがちです。

ですが、直接的なユーザー(主要なゲームプレイヤー層である若者)だけでなく、潜在的なユーザー(両親や祖父母などの家族)も含めて、ユーザーへの共感・理解(マーケット・インの視点)をもとに考えていくと、「子供がゲーム機に夢中で、家族の会話が減っている」という問題に気付きます。そこから、「家族が世代を超えて、一家団らんできる場を創る」という本当に解決すべき課題が浮かび上がってきます。

最初に「問い」を間違えてしまうと、本当に解くべき問題とは別の、作り手が勝手に設定した問題を解くことになってしまいます。ピーター・ドラッカーの言葉に、「やらなくて良いことを効率よく行うことほど無駄なことはない」という言葉があります。ですので、何か手詰まり感がある時は、「問い自体を問う」ことが重要で、その際には、独りよがりな「問い」を立てていないか、「ユーザーへの共感・理解」を元に考えることが重要です。

もう1つは、ダブル・ダイヤモンド・プロセスという、英国デザイン協議会によって提唱されたフレームワークです。このフレームワークは、「問題発見」と「問題解決」の各ステップで、「発散的な思考」「収束的な思考」を繰り返すというものです。

これらの2つのフレームワークは、発祥の起源や、フレームワークの形状は異なりますが、根本的な考えはどちらのフレームワークにおいても共通しており、一体のものとして理解するとわかりやすいです。Udemy講座の中では、この2つのフレームワークを一体的に説明していますが、今回の記事では、ダブル・ダイヤモンド・プロセスに注目して説明します。

ダブル・ダイヤモンド・プロセス

ダブル・ダイヤモンド・プロセスでは、「問題発見」と「問題解決」のそれぞれのステップで、「発散的な思考」「収束的な思考」を繰り返します。

このフレームワークの良いところは、「今は『問題発見』の『発散的な思考』のフェーズなので、まずは問題だと思う点を、自由な発想でたくさん出してみましょう」というように、今の思考のフェーズがどの段階かを、共通認識として確認しながら進めることができる点です。

この考え方は、単なる理論上の話ではなく、実際の業務や、会議の進行においても、活用することができます。例えば、「職場のコミュニケーションの活性化」について議論する場合に、以下のようにフェーズを分けて議論を進めると、会議の参加者がいま議論がどこの段階にあるのかを認識しながら、議論に参加することができます。

「今週のMTGでは、職場のコミュニケーションについて、前半では各自が問題だと思う点をたくさん案を出して、後半では特に重要な問題に絞りましょう。」

「来週のMTGでは、前週のMTGで特定した問題について、前半では問題解決の方法を自由な発想でたくさん案を出して、後半では特に有効だと思う解決策に絞りましょう。」

・・・といった具合で、フェーズを切り分けることができます。

「ブレスト会議を開いたけど、議論が発散してしまって、結論があいまいなままで終わった。。」
「新しいアイデアを期待したが、結論ありきの予定調和的な議論ばかりで、似たようなアイデアしか出ない。。」
「何が問題化を十分に議論しないまま、ソリューション決め打ちの議論になってしまう。。」

といった経験をされた方も多いかと思います。

そんな時は、ダブル・ダイヤモンド・プロセスのフレームワークで、今は「問題発見」なのか、「問題解決」なのか、「発散的な思考」と「収束的な思考」のどちらなのか、を意識して会議を進めると、議論のフェーズがどの段階あるのかが明確になって、会議のファシリテーションが進めやすいと思います。

この考え方は、業務や会議だけでなく、家族や友人との会話においても、活用できます。例えば、休日の過ごし方や、旅行の行き先を相談する時など。

「デザイン思考って難しそう」と身構えずに、普段使いの思考法として、身近なところから活用してみるのは、いかがでしょうか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

HRDX & Co. 代表
ノノミヤ チヒロ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?