見出し画像

三行の経営論〜セオリーG〜

この夏、多分、自分の思考回路を根本から変えたであろう本に出会いました。

「多分」と言っているのは、本当に変わったかどうかは自分の行動した結果によって評価されるため、まだ確定していないからです。

その本は2冊あります。
プロフェッショナルマネジャー』と『経営者になるためのノート』という本です。
『プロフェッショナルマネジャー』は私のマーケティングの師匠から教えてもらったもので、『経営者になるためのノート』は何かで良い本だと紹介されていたので買いました。
私は『プロフェッショナルマネジャー』を読んでから『経営者になるためのノート』を読みましたが、この順番で読むとハロルド・ジェニーンが言ったことを柳井さんがどう理解して社員に伝えたかがよくわかるので、この順番に読むのがおすすめです。
(『経営者になるためのノート』を書いた柳井さんの教科書が『プロフェッショナルマネジャー』だったそうです。)

今日はこの本に書いてあって自分の心に刺さった内容を中心に書いていきたいと思います。


三行の経営論


私は元々、超積み上げ思考の人でした。
積み上げ思考というのは『現状からどう目標に向かっていくのか』という考え方です。
私は基本的に仕事をする上でそういう考え方ばかりをしていました。
超ど平凡で、特に何の輝かしい経歴もなく、「毎日楽しく生きれればそれでいいかな」という生き方をしていたので、ある意味当然かもしれません。

もちろん積み上げ思考が必要な場面もあるとは思うのですが、『プロフェッショナルマネジャー』の本の帯にも書かれている三行の経営論は、こう言っています。

《三行の経営論》
本を読む時は、初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営はそれとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ。

『プロフェッショナルマネジャー』ハロルド・ジェニーン

つまり、「到達すべき点があって、そこから逆算して進めるのが経営である」と言っているわけですが、一見当たり前のようでいて、この本をすべて読んだ上で思うのは、自分も含めて想像以上に積み上げ思考の人が多いということです。

経営する人に限らず、誰しもが目標を掲げて日々行動していると思いますが、その目標である終わりから始めるために必要なことは、

  • その目標が達成された状態をどれだけ鮮明に描けているか

  • 達成した数字が何によって(組織、事業、一人ひとりの行動)構成されているのか

ということを現実に囚われすぎずに、それでいてリアリティを持ってイメージすることだと理解しているのですが、案外それができている人は少ないようです。
この本を読んだ上で色々な人と話をしてみて、なんとなくですがわかるようになりました。

これができないと、本当に終わりから始めていること(逆算していること)にはならず、積み上げ思考から抜け出せていないのですが、私はそこまで目標が達成された状態を鮮明に描けていなくても目標を立ててそこに向かっていくことがずっと逆算をして行動していることだと思い込んでいました。

自分が積み上げ思考であるかどうかということは、ほんの少しでも逆算思考を身に着けていないと気が付けないのかもしれません。


事実を吟味する。


『プロフェッショナルマネジャー』の中では、とにかく「揺るぎない事実」を元に考える重要性が何度も語られています。
というのも、よく語られる”事実”には事実のレッテルを貼られて事実と受け入れられているだけで、実は事実でもなんでもないことがたくさんあるというのです。

”表面的な事実(一見事実と見える事柄)”
”仮定的事実(事実と見なされていること)”
”報告された事実(事実として報告されたこと)”
”希望的事実(願わくば事実であってほしい事柄)”

『プロフェッショナルマネジャー』ハロルド・ジェニーン

これを読んで自分自身の日常を振り返ってみるとお恥ずかしながら色々と身に覚えがありました。

事実というのは現在地なので、この認識を誤ってしまうとせっかく終わりから始めても進み方を間違えてしまいます。

「事実と意見を混同しない」ということはよく聞きますが、”揺るぎない事実”をここまで追い求めていくという話は聞いたことがありませんでした。

その上で、面白いなと思ったのは「一見どのように見えたとしても、念のため、事実とされるものを一回揺すってみる」という内容です。
実際に自分が事実っぽいことに直面したときに行動しやすいので気に入っています。


高い目標を立てる理由。


『プロフェッショナルマネジャー』と『経営者になるためのノート』のどちらにも、高い目標を立ててそこから逆算して実行することの重要性について書かれているのですが、『経営者になるためのノート』には高い目標を立てる必要性についてこう書かれています。

既存の延長線の発想ではできなことに自らを追い込む

『経営者になるためのノート』柳井正

周りから笑われるほどの高い目標を立てたほうがいいとうようなことについては、これまで読んだ本の中にも書いてあったような気がしますが、それがもたらす意味について述べられている本はあまり出会ってこなかったような気がします。

高い目標が達成されている状態を鮮明に描くと、到底既存の延長線上ではたどり着けないことが明白になり、それを達成するための方法を考え実行していくと、結果としてイノベーションが起こるというのです。

自分自身に置き換えて考えてみると、こういう考え方(やり方)をしていないからイノベーションがあまり起こっていっていないのかな、と感じたりしました。


2冊の本を読んでからの変化


この2冊の本を読んだあと、自分に足りないものが浮き彫りになったのと同時に、チームに足りないものが何なのかもなんとなく見えた気がしました。

足りないものを埋めていくために、各メンバーの担当範囲ごとに「逆算するとはどういうことか」ということを伝えたり、直球ですが『経営者になるためのノート』を読むことをおすすめしたりして、色々と模索しはじめました。

まだ明らかな成果にまで結びついてはいませんが、全員が事実を確かめるための行動を開始し、目標と現状のギャップを埋めるためのアクションを少しずつ起こしていっています。

とはいえ油断すると自分も含めてまだまだ積み上げ思考に戻りたくなってしまうものなので、これからまだまだ修行が必要です。


セオリーG


最後にタイトルにも入れたセオリーGに少し触れておきます。
『プロフェッショナルマネジャー』の冒頭で、セオリーX、セオリーY、セオリーZについて簡単に触れてあるのですが、その前にセオリーGの説明が出てきます。

ビジネスはもちろん、他のどんなものでも、セオリーなんかで経営できるものではない。

『プロフェッショナルマネジャー』ハロルド・ジェニーン

経営=実行!










STAGEでは、私と一緒に高い目標から始めてくれる方を探しています!!!

カジュアル面談でお待ちしております!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?