プレスリリースに愛情を(ある記者さんが教えてくれたこと)

プレスリリースは主として報道機関に向けたお手紙である。もっと言えば、記者の仕事をする生身の人間へのお手紙である。受け取った一人ひとりがそのお手紙を読み、そこにどのような価値があり、世の中の人にとってどのような意味を持つかを考える。報道価値とは、世の中の人が知る理由・意味である。

広報が発信するプレスリリースは、広報から記者の方へのお手紙だ。優しく、分かりやすく、誠実に説明したい。すなわち、愛を以って伝えたい。

また広報というのは、自分の仕事を記者に、そして世の人々に知っていただける立場だ。自分の頑張りが相手に伝わるのだ。「僕も広報という立場で、一人の人間として頑張って仕事をしている、世の中のために何かを生み出そうとしている」…こうしたメッセージを暗に送ることができる。そうした主張ができるというのは恵まれており、ありがたいことだ。

特に、親しく知っている記者の人にとっては、プレスリリースは会社の声明文というだけでなく、その文面の裏に僕の人格が思い浮かぶはずだ。
「木下さん、こんな風に書いてもらってますけど、その先に何を意図したものなんですか?」「木下さん、これ面白いですね。もう少し教えてもらえますか?」
こんな風な問い合わせをいただける。

記者の方からの、「なるほど/いい取り組みですね/たしかに大事ですね/納得しました」といった言葉をいただけるように、心を込めて、愛情を以って、お手紙を書き綴ろう。

コピーライター岩崎俊一さんの『幸福を見つめるコピー』のように、「慈愛と情熱で書かれたお手紙」を書いていこう。
慈愛と情熱から何かを生み出す。そんな仕事をしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?