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第3章【平成型人事制度のデメリット解消】マトリクス昇給とグランドデザインについて

今回は、「平成型人事制度のデメリット解消」と題しまして、目標管理制度やコンピテンシー、賃金カーブ、給与レンジ等のデメリットについてご説明します。

特に本記事では、マトリクス昇給と、グランドデザインについてお話します。

またこちらは当社代表の平康慶浩が2023年7月自社セミナーにて講演した内容を全3回にわたってご紹介する記事です。本記事は「第3章」となりますので、ぜひ全ての記事をご覧いただけると嬉しいです!

*本記事は5分程度で読むことができます。

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マトリクス昇給

近年、マトリクス昇給の導入が多くみられました。
マトリクス昇給とは、同じ等級の中でも時間が経つにつれて昇給額が減っていくような仕組みを指します。
しかしながらデメリットもあり、セレクションアンドバリエーションでは内容を調整して導入することもあります。

マトリクス昇給のメリット

まずこの仕組みのメリットとしては、1つ目に昇格モチベーションを高めることが挙げられます。初めの方は昇給額が高いですが、それが段々と減っていくため、従業員の昇格したい気持ちを強めることができます。
また一方で、長期的に昇格できないような従業員に対しても、少しではありますが昇給自体はあるため、モチベーションとなる場合があります。

マトリクス昇給のデメリット

そしてデメリットですが、成績優秀者にとって不満となることが多いです。
この仕組みでは、従業員が一度優秀な評価を受けると、その時は大きな昇給となりますが、その後にも同じように優秀な評価を受けた場合、1回目よりは低い昇給額となるため、不満になりやすいです。

一方で中程度の評価を受けるような従業員の場合は、1回目と2回目で昇給額に大差はない上に、さらに昇給額が優秀者に追いついてしまうケースがあり、不満につながります。

こういったデメリットがあるため、マトリクス昇給は用いられず、優秀者が同じ評価を受けても同じ昇給を得ることができるような仕組みが適用されるケースも最近は多くあります。

そのため、自社に適した制度を見極めることが大切です。

グランドデザインの重要性

企業の変革の際、従業員の働きやすさやモチベーション向上を目的としていないでしょうか?

実は、これらをゴールにする場合はほとんどがうまくいかないのが現状です。
従業員の働きやすさ等はあくまでも手段であり、大事なのはビジネスの観点です。
つまりゴールにすべきなのは、事業の成長や売上、利益などです。

しっかり会社の特性や事業の変化を知った上でゴールを定め、グランドデザイン、人事改革の全体像を考えることが大切です。

儲けの仕組みから考える人事

グランドデザインにおいて、ビジネスの観点を踏まえ、当社では以下の設問から人事改革を進めていきます。

・収益の源泉はヒト・モノ・カネのどれなのか
・ヒトに作業・計画・企画のどれを求めるのか
・社員が歳をとったときに何を求めるのか
・これだけは譲れない働き方の軸は何か

これらの答えを知ることで、人事制度改革の方針が見えてきます。
会社に適した制度を見極めるためには、その会社の特性を知ることが必要です。

最も重要なのは変化を見極めること

人事のあり方が変化するのも、もちろん儲けの仕組みが変化したときです。
つまり人事改革の際には、事業の変化を知る必要があります。
以下に、儲けの仕組みが変化した例をご紹介します。

・製造業でよく見る変化
従来は決まった製品を大量に作るため、従順な作業者を長期間雇用することが必要でした。しかしそれが、自分たちの技術のコアを見極め、新たな市場を開拓する必要性に変わりました。もちろん、人材も変わるため、人事制度も変化しました。

・出版・メディア業でよく見る変化
従来は良いコンテンツを作るために人材を自由に活躍させる仕組みがありました。しかしそれが、ユーザー動向を意識し、常に情報収集をし、収益を確保し続けられるビジネスをつくるための仕組みになり、求められる人材がコンテンツを作る人からビジネスを作る人に変化し、そのため人事制度も大きく変わりました。

これらのように、人事制度はビジネスの変化とともに変化していきます。
そのため、もし環境やビジネスが大きく変化している会社がありましたら、それに合わせた人事制度改革をグランドデザインから進めていくことが望ましいです。

まとめ

本記事では、マトリクス昇給のデメリットおよびグランドデザインの必要性についてご説明しました。

また本記事にて、「平成型人事制度のデメリット解消」は最終回となるので、ここまでご覧いただきありがとうございました!

他の章をまだご覧いただいていない方は、ぜひご覧ください!


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