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【ISO30414に対する考え】#6採用・異動及び離職、スキル及び能力

最終更新日:2024年4月23日

今回は、採用・異動及び離職、スキル及び能力の2つに注目して見ていきます。

◆採用・異動及び離職
〇新卒採用者数
高校・専門学校・大学などを卒業後、すぐに採用する新卒採用人数を集計します。
会社によっては卒業後3年程度までを集計する場合もあります。
〇中途採用者数
他社で経験を積んで中途転職してきた人数を集計します。
〇中途退職者数
自己都合で退職した人数を集計します。
懲戒解雇などは含めない方がよいでしょう。
〇定年退職者数
会社の定年規程に沿った退職者人数を集計します。
※定年後の再雇用に関して、再雇用選択者比率や再雇用後退職者人数などを集計することもお勧めします。

このあたりは、採用情報に記載している会社も多いのではないでしょうか?特に学生向けのサイトでは、過去採用実績などを記載していることを多く見かけます。今後は、定年退職などの人数も求められるようになります。

加えて、人員動態などの分析を行うとより会社の実態が見えてくるようになります。
縦軸に年齢、横軸位に人数をとって、どの年代に何人いるのかを見ていきます。そのグラフから、10年後はどうなっているのかを分析していくのです。
たとえば、5年後には30代の人数が足りなくなるから今のうちに中途採用を強化していくなどの対策を打つことができるようになります。

◆スキル及び能力
〇有資格者数
業務に必要な資格がある場合に、有資格者数を集計します。
〇年間教育関連費用
従業員教育にかかる費用全体を集計します。
主に外部に支払う金額ですが、受講者の人件費も合算します。また、社内講師を活用している場合には、社内講師の人件費相当を集計することをお勧めします。
〇一人あたり研修時間
総研修時間を従業員数で割り戻して集計します。
〇昇格者数
社内で活用している等級に則り、各等級に昇格した人数を集計します。
特に管理職相当となる等級については明確に確認します。

ここでは特に年間教育関連費用を打ち出していくと良いでしょう。いかに教育に対して投資をしているのかを見える化することで、対外的に好印象をアピールすることができます。

また社内においても同様です。従業員に対して投資をしているかが分かるとモチベーション向上にもつながります。

今回の紹介した情報は、普段から管理しておけば難しいような項目ではありません。ただし、それを何のために公開・活用していくのかを充分に考える必要があります。

人事として自社の活用方法をしっかりと検討していきましょう。

セレクションアンドバリエーション株式会社 

参考文献
「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)

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