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PFIなどによるスタジアム整備の時代

水戸ホーリーホックのホームスタジアムとするサッカー専用スタジアム整備に関するニュースがありました。

J2水戸 スタジアム建設へ 5年後目標 収容1.5万人超
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15743388065852
総工費は国内のほかの事例を参考に約100億円を見込む。資金調達や整備手法については、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)や、PPP(公民連携)方式を含め、検討を進めている。

上記記事内のPFIでの整備についてが気になったのですが、PFIでのスタジアム整備と言えばギラヴァンツ北九州のホームスタジアムであるミクニワールドスタジアム北九州がそうでした。

スタジアム整備等PFI事業
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/shimin/08100065.html

日本全国には国体開催時に利用するための陸上競技場が多数存在していますが、サッカーなどの球技専用スタジアムというのはまだまだ少ないです。少し前では全額、自治体&国からの税金で建設されていましたが、最近では数十億から数百億円かかるスタジアムの建設というのは市民・有権者の理解を得るのが難しくなってきました。

そんな中でもJリーグの各クラブが利用する専スタが2010年代中頃から建設ラッシュ状態となっています。

その先駆けとなったのが吹田スタジアムでした(竣工は長野Uスタジアムの方が先でしたが)。

ただ、ガンバ大阪のホームスタジアムであるパナソニックスタジアム吹田(建設時は吹田スタジアム)の建設経緯については、結構特殊な事例というか、クラブの親会社兼メインスポンサーであるパナソニックの支援があったからこその建設でした。

補助金・助成金やサポーター個人からの寄付に加えて、パナソニックなどの法人からの多額の寄付金によって、後々の債務が残らない形で建てることが出来たわけです。

ちなみに長野Uスタジアムは国庫支出金と市債でほとんどを賄っています。

その後、前述の北九州のスタジアムが出来て、来年には京都サンガのホームとなる亀岡駅前の京都スタジアムが完成・利用されます。こちらは出来るだけ早めに観に行きたいですね。今はこんな感じになっているようです。

京都スタジアム工事進捗状況の空撮動画(令和元年11月12日現在)
http://www.pref.kyoto.jp/net_tv/cm/186.html
https://www.youtube.com/watch?v=_xOb17r8kZ8&t=15s

V・ファーレン長崎の新スタジアム計画は、メインスポンサーであるジャパネットたかたのバックアップにより行われるみたいなので、これもまた日本では特殊な事例になるかと思います。

京都スタジアムの計画にもPFIはありましたし、今後は単純に自治体&国がボーンと税金をそのまま建設に使うやり方は減っていくでしょう。

吹田スタジアムみたいな全額寄付金&補助金というケースもそうそうないでしょうし、PFIのような民設民営だけど公共施設、という形が増えていくと思います。

ちなみにPFIについて、北九州のスタジアムが採用するというニュースを見たときにもざっとネットで調べて、今も調べたのですがいまいち理解出来てません。

PPP/PFIとは|内閣府
https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/aboutpfi_index.html

それなりにメリットがあるのでしょうけれど、行政や自治体運営などについて素人なのでメリットデメリットを把握し切れていないのでとんでもない勘違いをしていそうで怖いのですが。

吹田スタジアム建設時に寄付という選択肢を取ったのは、

民間側のリスク
・集めたお金が収入・売上扱いになり法人税の課税の可能性があった。→寄付金団体で解決
・建設した建物に対して多額の固定資産税が必要となる。→自治体への寄付で解決

自治体側のリスク
・多額の税金をサッカースタジアム建設に回すことへの反発→税金を使用しないことで解決
・維持費がかかる→指定管理者制度で解決
・将来の修繕費→ガンバ及びパナソニックからの積み立てで解決

こういったリスクがあったからでした。ガンバではなく寄付のための団体を設立し、そこにお金を集めてスタジアムを建設してスタジアムを吹田市に寄付、吹田市はスタジアムの指定管理者としてガンバを指定、そしてパナソニックがネーミングライツのお金を払って吹田市はそれを将来の修繕費とする、という奇跡的なスキームを作り上げました。

まあ、こうせざるを得なかったとも言えるのですが。吹田市や高槻市との交渉というかせめぎ合いというか、かなり長い間いろいろとあったみたいですから。クラブと自治体の関係が上手く行っていれば、あるいは自治体にとって新スタジアムを作る動機が大きければ、市債やPFIなどのスキームでやってくれていたはずなんでしょうけれど。

今さら言ってもしょうがない恨み言は置いておいて、PFIに関しては事業者が各種税金を納める必要があるので、トータルの金額ではコストパフォーマンス的に吹田スタジアムよりは割高になるでしょう。

PFIの対象となる施設は当然ながらスタジアムだけではありません。

PFIの対象施設
https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/aboutpfi/pfi_taishou.html

これを見ると、むしろ何が対象にならないかがちょっと分からないくらいです。純粋な商業施設くらいでしょうか? サッカースタジアムは観光施設に含まれるのでしょう。

相模原での新スタジアム建設の要望とか、名古屋の瑞穂公園陸上競技場建て替えなども最近ニュースになっています。

返還地にスタジアムを 相模原拠点4プロチームが署名活動
https://www.kanaloco.jp/article/entry-210300.html
瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)建て替えに伴う休場について
https://nagoya-grampus.jp/news/game/2019/1122post-1326.php

名古屋の方は2026年のアジア大会のためらしいですが、名古屋市内の専スタ構想もあまり進展は聞きませんね。静岡市の新スタ計画はどうなのかなと思って検索してみたらこんなのが見つかりました。

サッカー新スタジアムを早く建設してください。
最終更新日: 2019年04月22日
https://www.city.shizuoka.lg.jp/koe/detail.php?id=6719
IAIスタジアムが老朽化し、1階自由席は雨漏りしています。2階自由席では、多くのサポーターが飛び跳ねて応援をしていますが、崩れるのではと心配です。

雨漏りしているんですね・・・。旧万博スタジアムもまあまあ劣化していましたがそこまでではなかったかなあ。試合中にバックスタンドのトイレの配水管が破裂したことがあったような・・・。

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