国立競技場を役所にしたら?

2021年の東京オリンピックの話題が出ることもまず無くなりました。昨年末のサッカーワールドカップ、ついで今年の野球のWBCもあって、スポーツのビッグイベントというものは基本的に毎年のようにあります。

国内開催のビッグスポーツイベントというのはそう巡ってくるものではないので、その時に国家の威信を賭けて乾坤一擲、巨大建築物というものが作られるのも世の常です。

世の常とは言え、莫大な維持管理費が掛かると後代の負債になってしまい、何のためのレガシーか、と疑問を呈されることになるのですが、今の国立競技場はまさにそうなっています。

既にイベントも各種行われているとは言え、どう考えても巨額の維持管理費、そして将来の大規模修繕費を賄えるような収入ではありません。もちろん、国立の施設は商売のために建設・維持するわけではないので、必ずしも収支均衡を求めるとは言えないのですが、それでも額には限度があります。

あんな巨大な箱で毎日毎日来る日も来る日もビッグイベントをし続けるわけにもいきません。利用料を下げて稼働率を上げれば売上は減り、利用料を上げて単価を上げれば稼働率が減ります。完全に行き詰まっている状態ですが、いっそのこと、東京都やスポーツ庁などの役所を国立競技場に移転して、他の役所の賃料を減らしたらいいんじゃないですかね。

バブル期の負の遺産だったWTCビルは大赤字になり倒産したものの、大阪市の部局を移転させ、さらに後には大阪府が府庁移転を計画(実際には断念)し、第二庁舎として現在も利用しています。

テナントビルとスタジアムでは同じことが出来るとは思っていませんが、だからといって客待ちの状態でスタジアムの稼働日数が増えないままというのも不味いでしょう。

一番安く上がるのは取り壊しなんでしょうけれどね。

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