昨年今年と騒がしい大阪大学の入試

昨年は外国語学部インドネシア語専攻の入試において定員割れが結構な話題になった大阪大学の入試ですが、今年はその比ではない問題をやらかしたようです。

先日の入試で一部の試験官が問題の訂正について話し合った際に、「談笑していた」という非難が試験後に受験生からなされた件です。当の大阪大学側は業務上必要な会話であり問題はなかったという見解に終始していて、非難した側の複数の受験生とは異なる解釈のようです。

大阪大学の入試専用ホームページを見ても、特にこの件について言及しているところはなく、大阪大学の入試は「何の問題も無く」終了したことになっているのでしょう。大阪大学はそれなりにイメージダウンすることになりますが、あくまで一切認めず押し切るというのは、試験官がそこら辺のバイトや下っ端教員だけではなくて、お偉いさんもふくまれていたのですかね。

もし、実際に「談笑」があったとして、自分がその近くの席で受験していたとしたら、相当に腹を立てたでしょうけれど、多分自分の思想的には、
「よっしゃ、これで回りの受験生の集中が削がれて有利になる」
といったふてぶてしい考えの中で解答に臨んでいたと思います。入試はあくまで相対評価であり、集中を切らした者から脱落していきます。ピンチをチャンスに考えるくらいの度胸は必要でしょう。

だからといって、繊細な心の持ち主が一切成功できない社会も嫌なものです。それはそれで弱点ではなく特性であり、鈍感でふてぶてしい人間しかいない大学なんて嫌すぎます。

この「談笑問題」の被害を受けた受験生で、合格発表が行われて残念ながらも不合格だった場合はまた文句も言いたくなるでしょうけれど、大阪大学の対応は変わらないでしょう。再受験というのも難しいもので、大学入試共通テストなどでよくあるような、一つの部屋の試験官が時間を間違ったといった、明らかに被害を受けた受験生の範囲を絞ることが出来る場合は再受験もやりやすいでしょうが、今回の問題のように「談笑によって集中を削がれて解答に支障をきたした」受験生の範囲は絞れないでしょう。多目に見積もったとしたら、逆にその中で試験に失敗した人がいれば再受験によって不当に利益を得てしまいます。

もちろん、全部大阪大学が悪いのだからと言えなくもないですが、裁判まで行ったとしても勝てるかどうか怪しい気がします。受験生側の証言だけですし、それによって不合格になったという証拠もないでしょうし。

談笑の直接の被害に遭った受験生には同情します。気持ちを切り替えて頑張れとしか言えません。ただ、この受験生側が非難されているのはちょっと納得出来ないですね。その程度気にするなというのは容易いですが、実際にどのくらいの程度の談笑だったのかが当事者以外には分からないのですから。

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