JFLのFC神楽しまねの退会について個人的感想その2

前回の続きの感想です。

都道府県リーグ、地域リーグ、そしてJFLまでは「アマチュアリーグ」です。当然ですが、参加しているチームのほぼ全て、99.9%以上は、Jリーグ入りを目指していませんし、プロ選手も抱えていませんし、チーム運営する人間もそれだけで報酬を得ていません。そりゃそうだということなのですが、Jリーグ入りを掲げるクラブとして、そして報酬を支払う形態で選手と契約して所属させているクラブとして、さらにそれ以外の事業も含めて、グッズ販売・入場料収入・スポンサー料を得てクラブ運営を行っているなら、それはもちろん「経営・運営者はプロ」であるということになります。

実際には運営に関わる人間も、赤字続きのためにまともな報酬を得られなかったり、自腹を切っていることも珍しくはありませんが、それでもそのクラブで収入が発生していたら、その資金を適切に扱うべきプロであると言えるはずです。

まあ実際に収支バランスやキャッシュフローがどうだったのか知りませんので、経営陣を糾弾するのも悪い気がするのですけれど、目的を達するどころか開幕直前に至ってもJFL参加費用を工面出来なかったのですから、クラブ経営がもっと早くに破綻していたということであり、クラブ内どころかJFLの他クラブにまで迷惑をかけた以上は、アレコレ言われてしまうのもしようがないですよね。

アマチュアだから、といって色々とプロフェッショナルより低く見られがちな世間一般ですが、そもそもアマチュアとは「収入を得ずに行うこと」であって、むしろ金持ちじゃないと出来ないという一面もあります。オリンピックが始まった頃はまさにそんな感じで、その競技で収入を得ている人間は出られなかったのですから。日本でも飛脚など収入を得て走っている人間が駅伝の出場資格が無かったそうですし。

プロにはプロとして必要な資質はあるのですけれど、その一方でアマチュアだからこそ求められる倫理観だってあります。

FC神楽しまねは、JFL強制退会によって、その下の中国リーグではなくて、島根県サッカー協会が認めた場合にのみ県リーグへの参加が認められるそうです。これから必要な分だけではなく未払いの分を含めて、資金問題が解決しない限りは、そもそもクラブが維持出来ないでしょう。

もっと早くにダウンサイジングしておくか、平穏裏に自主的に解散していれば、ここまで大きな騒動にはならなかったと思います。私自身は昔、実家の会社をたたんだことがありますけれど、給与未払いも自身・家族への借金も残さずに清算しました。業種も規模も関係者数も丸っきり異なりますけれど、無理をしすぎて無理が通らなくなった時に被害を被るのは経営から遠い人たちなのですよね。その点では、しまねのクラブ上層部は非難されてしかるべきでしょう。

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