2019年10月13日Jリーグルヴァンカップ準決勝第2戦コンサドーレ札幌対ガンバ大阪テレビ観戦の感想

とてつもない台風が日本を襲った直後の試合であり、なかなか気持ちを切り替えることが難しいですが、今日の試合に勝つもしくは引き分けでガンバが決勝進出です。負けても2点以上とっての1点差負けであればアウェイゴールの差でやはり勝ち上がり。2−1での負けなら延長戦。1−0での負けなら敗退です。

戦い方としてはアウェイゴールを意識するのは実際にどちらかが得点してからでいいでしょう。基本的には負けないように、ということであれば当たり前の話ですが通常通り戦えば良いだけです。2点差をつけて勝たないといけないという条件があるわけではありません。

12日は台風が来ることが分かっていたため、11日のうちに札幌にガンバの選手達は移動していましたが、アウェイ遠征しているサポーターの人達はどうしたんでしょうか。新幹線も飛行機も厳しいですので、現地組のサポーターくらいしかいないか、前々日にチームと同じようなタイミングで移動したか。

ガンバのスタメンはホームでの第1戦と全く同じ。控えも同じです。ヨングォン→菅沼に代わったこと以外は札幌との3連戦で同じメンバーということになります。結果と内容も考慮すると当然ですね。

今年はそれまで通りの4バックでスタートして、調子が上がらずホームでの大阪ダービーで突然、選手を入れ替えての3−5−2に移行して勝ち、その後ほぼ負け無しが続いたものの再びチーム状態が悪くなっていったために4バックに戻してルヴァンカップ準々決勝を勝ち上がり、しかしリーグ戦の方は負けの方が多く、アウェイでの大阪ダービーの惨敗を受けて3バックへ回帰しての札幌との3連戦となりました。

ちなみに同時刻で鳥取との試合があるガンバ大阪U-23のスタメンには、この夏に移籍してきた鈴木と高木が入っています。全く出番のない高木と、移籍当初に比べると出番が減った鈴木ですが、この移籍はクラブ側にも選手側にも成功とは言えないでしょう。まだシーズンは続くので今後も出番がないとは言えないですが。U-23の方は最近得点を増やしている白井に期待ですね。あとはコンチャでしょうか。コンチャの使い方についてはよく分からないのですが。

今日は同じ時間帯キックオフのこの2試合を同時に見ます。もちろんメインはルヴァンカップの方ですが。

トップチームは札幌ドームにてキックオフ。

前半冒頭は結構攻められるケースが続きました。少なくとも得点しなければ敗退になる札幌が最初から攻めてくるのは当然ですが、続きざまのコーナーキックは防げました。

その後は一進一退といったところ。守り切る結果にアドバンテージがあるガンバは、守ってカウンターでアデミウソンと宇佐美が決めればいい、というプランがあるようにも見えます。実際、この2人が好調なら2人だけでも得点できますし、2戦連続決勝点を決めている倉田もいますから、プランとしては非常に妥当なものだと思います。

前半30分、菅沼のハンドから与えた福森のフリーキックはポストに当たり助かりました。

ガンバは攻撃の精度が足りないかな、とか色々考えながら見ていたら、U-23の方で鳥取ゴール前でボールを失った、と思ったらオウンゴールで得点していました。

え? とか思っていたら今度はトップチームの方で宇佐美が負傷退場していました。太ももを痛めていたのでリーグ戦に影響なければ良いのですが。

これでアデミウソン・パトリックの2トップとなります。第1戦でも思いましたが、今はパトリックよりも渡邉千真の方が調子良いと思うんですけどね。前線でボールを収めての遅攻よりも縦パス一本という意図が強く出ているようです。

36分にはアデミウソンが抜け出しましたがシュートは上に外れました。前半のビッグチャンスをアデミウソンが外すというのはこの3連戦全てで同じですね。

と思っていたらU-23の方でクロスから頭で決められて失点。1−1になりました。ガンバの試合を2試合同時に見るということはあまりないのでややこしいですね。普段はガンバの試合とどこか別のチーム同士の試合を見ますが、その場合はほぼずっとガンバの試合を見ているのですが。

そして攻められたり攻めたりしているうちに前半終了。ガンバは1−0でリードされるとそのままでは負けなのでまずは失点をしないことが重要ですし、札幌の方も失点すると2点取っても延長なのでどちらも前半は0−0というのは頭の中にあったでしょう。

そしてU-23も同点のままハーフタイムへ。

後半は2試合とも両チームともハーフタイムでの選手交代は無し。特に札幌対ガンバの方はカップ戦特有の、重苦しく我慢比べのような展開が続きます。

後半は当たり前ですがさらに札幌が攻勢を強めます。東口と三浦を中心にしのいで、井手口からアデミウソンにつながったカウンターは決まらず。ガンバはカウンター時の精度がやはりまだ高くないのが、リーグ戦でも苦しんでいる理由の一つでしょう。より正確に言うと、前線のタレントのその日の調子に左右されすぎています。

吹田での2試合に比べると札幌のポゼッション率が高くなっているはずですが、ガンバにとって危険なレベルまでは高まっていません。これは中盤で広範囲をカバー出来る井手口の存在が大きいです。夏に復帰してから井手口の使いどころをなかなか宮本監督が見つけられませんでしたが、この3試合での井手口のポジションや動きは安定して良いレベルにあります。

0−0ならガンバの勝ち上がりですが、そこで失点すると札幌の勝ち上がりです。逆にガンバが先制すれば2点取られても延長には持ち込めます。0−0が続くのは本当に心臓に悪いですが、これこそカップ戦です。

しかし75分に井手口が上がったところで奪われて、中盤を飛ばされて鈴木武蔵にボールが渡り、菅沼の股を抜く強烈なシュートを決められます。

さあこれで立場が入れ替わりました。ガンバは絶対に得点が必要、札幌はこのままでOK、ということになります。こうなると前半途中で宇佐美が負傷退場したことが響いてきました。

矢島に代えてスサエタを入れましたが、中盤のポジションもいじるようです。

そんな中でU-23の方も失点しましたが、もはやそれどころではありません。ガンバは攻め続けますが得点できず、どうもまだスサエタと周囲が合いません。アデミウソンに代えて渡邉千真を入れます。

もはやパワープレーでもオウンゴールでもとにかく得点しないといけない状況ですが、どうも選手交代に一貫性がないというか、失点した時点で3人目まで代えても良かったと思うんですが。

そして鳥取ではコンチャが来日初ゴールを決めて2−2に追いつきましたがどちらにせよもはや関係ありません。

94分には菅野がCKからのヘディングを防ぎます。東口も上がってきました。CKが続きましたが最後のシュートが外れ、ガンバの準決勝敗退が決まりました。

なんというか。もっとやりようがあったはず、という気持ちがしてなりません。それは選手個人のプレーでもそうですし、監督の采配にもあります。色々ともったいないところがあったはずですが、このタイトルについては語ってもしょうがないですし、切り替えてJ1残留に全力を注ぐだけです。

守り切るプランがあるにしても守り切れなかった以上は得点を取るプランもなければいけませんし、得点できなかった問題と失点してしまった問題を解決しなければJ1残留もまた厳しくなりかねません。

ルヴァンカップが無くなったので、今シーズンのガンバとしてはJ1残留だけが目標となりました。そしてリーグ戦の次節は川崎フロンターレです。スタメン、フォーメーションはこの札幌3連戦のままでいいでしょう。ヨングォンが戻ってくるのと、宇佐美の太ももの状態で替わるかも知れないくらいでしょう。もう今年は残り試合の戦い方はこれで行くしかないはずです。イジっている暇はありません。シーズンの総括はその後、果たしてどうなるか。J1残留は絶対必要として、クラブとしてまさかルヴァンカップベスト4を評価したりしませんよね? そんなものは天皇杯初戦で法政大に負けたマイナスを取り返すほどの価値はありません。価値が出るとしたら優勝したときのみです。

しかし、そもそも今年はシーズン中の移籍、特に出ていく方が大量にあり、編成の方に問題があったことは間違いありません。一体、宮本監督の評価は誰が下すのか。誰に下す権利があるのか。名波体制を続けて結局今苦しんでいるジュビロ磐田が他人事には思えません。

あと、コンサドーレ札幌の皆さん、初の決勝進出おめでとうございます。思えば2年前、ガンバとの準決勝をアウェイゴールで勝ち上がったセレッソ大阪は決勝でも勝って初タイトルを獲りました。なんとなくですが、今回もガンバに勝った札幌が優勝するんじゃないかと思っています。

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