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トランジットも楽しむ移動術(日本国内の場合)

出発も到着も地方空港だと乗り継ぎに

飛行機で目的地へ行く時、直行できる場合もあるが、乗り継ぎをしないとたどり着けないこともある。その乗り継ぎはただの待ち時間と捉えるか、その時間も有効に使うかで移動も楽しくなる。

私(山口県在住)は2021年5月~2022年3月までの間、仙台市へ行く用事が10回ほどあり、飛行機に搭乗する機会が多かった。岩国錦帯橋空港→仙台空港、羽田空港→仙台空港には直行便がないため、岩国空港→羽田空港→(仙台空港へ就航している空港 伊丹空港や新千歳空港など)→仙台空港のようなルートを取ることになる。

ということは最短でも岩国空港→羽田空港→伊丹空港(もしくは新千歳空港)→仙台空港になる。

そしてこのようなジグザグなルートを正規で購入すると金額がどんどん跳ね上がっていくので、私が選択したのは特典航空券を使うことだ。いわゆるマイル交換で搭乗である。


マイレージ交換

私が貯めているマイレージはアメリカの航空会社ユナイテッド航空。ユナイテッド航空はスターアライアンスメンバーで、全日空と同じグループなのでユナイテッド航空のマイルで全日空の便名がついたフライトに搭乗することができる。
そこでマイルを使って航空券予約をしようとサイト上で搭乗日・出発空港・到着空港を入力するとその日に搭乗できるフライトの選択肢が出てくる。その時、上記のような最短ルートだけではなく、いろいろな経由便が出てくることがある。
例えば、岩国空港→羽田空港→釧路空港→新千歳空港→仙台空港のように。それぞれの空港でのトランジット時間も分かるので、ある程度時間あれば空港を楽しむことができるし、それ以上の時間あれば空港から出てちょっと観光というということもできるではないか!そんなことを思った私はあえて経由地があるもの、トランジット時間が長いものを選ぶようにした。
マイル交換で使用する特典航空券は、何区間利用しても必要マイル数は同じであるものの、同一区間の往復はできず一筆書きのように進むこと、という制限がある。

そんなこんなで10回の仙台行きで使った空港は18空港になった。
(北から順に)
①稚内空港
②新千歳空港
③釧路空港
④函館空港
⑤秋田空港
⑥仙台空港
⑦福島空港
⑧羽田空港
⑨セントレア空港
⑩伊丹空港
⑪関西空港
⑫広島空港
⑬岩国空港
⑭高知空港
⑮福岡空港
⑯宮崎空港
⑰鹿児島空港
⑱那覇空港
その中でも印象に残っているルートを4つ紹介。

(1)仙台空港→伊丹空港→那覇空港→羽田空港→岩国空港

那覇空港の選択肢が出てきたとき、お~沖縄上陸できるではないか!とすぐ飛びついた。いくつか那覇空港を利用できる選択肢があったが、約4時間のトランジットがあるものを選んだ。
那覇空港で実質自由に動ける時間はそのうち約3時間。その時間を有効に使うため、空港周辺ですぐ行けるスポットをいくつかピックアップすると同時に、空港からのアクセスを調べる。
それで私が選んだのは、沖縄アウトレットモール あしびなー・イーアス沖縄豊崎・豊崎海浜公園 オリオンECO美らSUNビーチである。空港から市バスで15分ちょっとで行けること、アウトレットやショッピングモールで沖縄のお土産も買える、ビーチも少し堪能できる、と一石三鳥なスポットである。
那覇空港から市バスに乗り、まずアウトレットモールへ!

アウトレットモール

ざっとお店をまわったあと、無料循環バスでイーアスへ。ここはショッピングモールだけではなく水族館も併設されていて1日楽しめそうなスポットである。ただ、水族館に行く余裕はないので、この中で沖縄らしいものを探すことに。スーパーには沖縄の定番お土産、特にばらまきで使えそうなものがいくつかあったのでそこで買い物したあと、フードコートに行くと、沖縄そばや石垣牛を使ったステーキ丼が。沖縄らしいものがあるではないか!迷わずその2つを即買い。
1つ誤算だったのは、私が少食だということ。そのことをすっかり忘れるくらい魅かれてしまった。
さて、時間がない。次に進もう。
1階に行くと、Tシャツの安売りをしているコーナーが。見ると、沖縄ぽいシーサーや海をテーマにしたデザイン。私と生まれたばかりの子ども用と2枚即決で購入。まだまだ急ごう。
イーアスから徒歩3分ほどでビーチに着く。

11月だというのに、半そで短パンでいいくらいの気温。ビーチをぶらぶら歩くだけでも南国気分になれる~。空港近いから飛行機も見れる!


おっと、時間がない。空港行きバスに乗るためにイーアスへとんぼ返り!

フライトの1時間前に空港着!すでにチェックインも済ませているので、保安検査場へ直行!いざ羽田へ。

この那覇での滞在で気をつけたことは、バスの時刻表をその都度ちゃんと確認すること。ネットで調べてある程度把握はしていたものの、現場で変わっていることもあるので、次に利用するバスは何時発なのか必ずチェックした。もともとせっかちな性格なので、ダイジェスト版の那覇でも十分満足でしたとさ。

(2)仙台空港→新千歳空港→稚内空港→羽田空港→岩国空港

仙台から山口に帰るルートを検索していた時、稚内という文字が。最北端の地、宗谷岬がある稚内。以前稚内にも宗谷岬にも行ったことがあったが、なんだかもう1回行ってみたくなり、このルートにした。以前稚内から戻る時には、同じくマイル交換の特典航空券で稚内空港→羽田空港→那覇空港→岩国空港(実際には稚内空港発が欠航になり旭川空港→羽田空港に)で利用した。北と南を経験したく、これにした。その時は那覇空港でのトランジットが16時間!ある意味、弾丸旅行を堪能した。その時は、飲みの締めにステーキが定番らしいが、飲めない私もステーキを食べた。

おっと話が逸れた。

でもこのルートにした時、ちょっと心配がよぎった。前回、稚内空港を利用した時、機材トラブルで欠航になったし、そもそも空港は海のすぐそばで風が強い地域でもある。航空会社のSNSをフォローしているが、「稚内空港は強風のため欠航になる可能性があります」たまにこの言葉見たなーと。ここで欠航になると、確実に帰宅が1日延びる。さすがにそれはマズイ!
フライトの2週間を切ると、特典航空券のマイル交換レートが少し上がるものの、直前まで特典航空券の枠さえあれば予約はできるので、週間天気をみながら予約を入れた。

稚内空港のトランジットは約3時間。そのうち自由に使える時間は約2時間。タクシーをチャーターしたら宗谷岬に行けるのではないだろうか。稚内空港でチャーターのことをネットで調べるも、できるのかどうか、できるとしたらいくらなのか、分からない。空港で待機しているタクシーのおっちゃんに直接交渉するしかないか。
稚内空港に着いて、タクシー乗り場に向かう。「宗谷岬往復ってできます?そのあたり周遊したらいくらくらいになります?」ちょっと高かったけど、まぁ時間を有効に使うならしょうがない。「うーん・・・・じゃ、お願いします!」

瀬戸内の海と北の海はこんなにも違うのか。漁師町のような、白波が立ちそうな、最果ての地感たっぷり。20分ほどで宗谷岬に到着。

うわっさむ!つい10日前の那覇はTシャツ短パンでOKな気温だったのに、宗谷岬は3.6度!

ダウンジャケット来ても寒いんだけど。宗谷岬の向こうはサハリン。もう日本ではないんだ。自分の住む瀬戸内は海の向こうは愛媛。日本。日本語も日本円も使える。そう思うとここは日本の端っこなんだなー。

宗谷岬のすぐ横にあるお土産物屋さんでは宗谷岬に来ましたという証明書がもらえる。運転手さんが気を利かせて取ってきてくれた。ありがとう運転手さん。

ここもとんぼ返りしないと。そういえば、宗谷岬のすぐ近くでは宗谷岬牧場の牛肉有名なんですよねーという話を運転手さんとしていたら、ちょっと迂回して寄ってくれるという。宗谷岬のすぐ裏手には丘陵地帯があり、そこが牧場になっている。でも・・・通行止めのところがあり、ちょっとだけ堪能して牧場は終了。

ちょうどランチ時だった。お昼どうしよう。食堂に寄る時間はない。あ!途中にセイコーマートがあったな。
山口にはないセイコーマート。
100円惣菜が充実しているセイコーマート。
寄ってもらおう。普段はコンビニで食事を買うことはないが、こういうのだったらむしろセイコーマートを楽しもうではないか!
そのセイコーマートには北海道土産も少しある。お義父さんはお酒飲む人だし、鮭とばいいのでは!宗谷岬にも行けて、セイコーマートにも行けて、しかもお土産も買えて、これってトランジットだっけ!?と勘違いしかけていた。

さ、空港に戻って自宅へ・・・の前に羽田空港でPCR検査を済ませた。


(3)仙台空港→福岡空港→宮崎空港→羽田空港→岩国空港

この選択肢が出てきたとき、宮崎県って行ったことない!旅好きとしてはちょっとでも踏み入れたい!これだけでこのルートを選んだ。その宮崎空港でのトランジットは1時間半。さすがにこの時間だと空港の外に出るのは無理だけど、空港探検や宮崎メシは食べられるのではないか。
福岡空港→宮崎空港はオリエンタルエアブリッジという長崎を拠点とする航空会社のフライト。全日空とコードシェア便なので選択肢として可能なのだ。しかも、1時間以内のフライトなのに飲み物サービスもあり、満足満足。

でも。でも。この搭乗前の福岡空港で大失敗をしてしまう。
搭乗前のゲート付近に服を忘れてしまい、オリエンタルエアブリッジのCAさんにそのことを伝えるとともに、福岡空港、念のため仙台空港→福岡空港で利用したアイベックスエアラインズ(全日空とのコードシェア便)に電話をした。

オリエンタルエアブリッジ機内にて、忘れ物をして狼狽えている私にいただいた。

宮崎空港では忘れ物をしてしまったことが気になって、宮崎メシどころではなくなった。ただ、食べないのはもっと後悔にもなる。とりあえず、宮崎ひなた膳(カツオ・冷汁・チキン南蛮など宮崎メシを詰め込んだ定食)を頼む。

たぶん、美味しかった。気になりすぎて覚えてないけど。

ソラシドエアと海ほたる付近の東京湾

振り返ってみると、このルートはアイベックスエアライン、オリエンタルエアブリッジ、ソラシドエア(宮崎―羽田)、全日空(羽田―岩国)と全区間違う航空会社に搭乗できたのもちょっと面白い。全日空と同じサービスもあれば、異なったサービスもあり、その違いも楽しめた。

【帰宅後】福岡空港の忘れ物センターから電話があり、忘れた服が見つかった、と。服の特徴(ノースフェイスの黒のフリースでリバーシブルなど)を伝えると、「あ、ちょっと使用感のあるかんじですよね!?」
けっこう大切に来ているので、まだまだ新しめな感じだと思ってたんですけど。着払いでの発送をお願いした。


(4)岩国空港→羽田空港→函館空港 新幹線利用で 新函館北斗駅→新青森駅(泊)→仙台駅

これはちょっと変則的な利用。函館に行ってみたいなーとは思っていたけれど、函館空港→仙台空港の直行便がない。うーん・・・ん!函館から新幹線使えばいいじゃん!じゃあ、未踏の地の青森にも行ってみたいなー。ということで、こんなルートに。
函館からは新幹線なので時間の制約がそこまでないにしても、だいたい1時間に1本だったのと、今日泊まる予定の青森に到着が遅くなってしまうことを考えると、函館での滞在は約3時間。空港バスで函館駅まで行き、迷わずラッキーピエロへ。

時間がないのであらかじめグーグル先生で駅からの行き方は予習済。

ラッキーピエロで使える時間は1時間ちょっと。いざラッキーピエロの店内に入ると、ランチの時間は過ぎているにもかかわらず、10人ほどの人が並んでいる。40分は列で並び、注文後にまた10分ほど待つ。15分で食べないといけないじゃん!食べるの遅い自分としてはけっこうタイトなスケジュールだなぁ。
時計を気にしながらチャイニーズバーガーを頬張る。

うまい!来た甲斐があった。いそいで函館駅に戻る。

ここから新函館北斗駅までローカル電車に乗り、新幹線に乗り換え。

そのまま仙台に向かってもいいのだが、青森県は未踏の地。

青森駅近くのすし屋で遅めの夕飯。

明日の午前中に仙台向かえば十分間に合うので青森駅近くの温泉施設で1泊。このホテル、温泉付きのスーパー銭湯が併設で入り放題、朝食は無料にもかかわらず、有料だったら2000円以上するのでは!?というくらいのクオリティ。普段ガツガツ朝食食べない派だけど、満腹中枢壊れるまでいただきました。
青森駅→新青森駅→仙台駅 でやっと仙台へ。

濃密な移動となりました。


(5)その他の空港の滞在方法

・関西空港

LCC以外の国内線の乗り継ぎではあまり使うことがないが、伊丹を外してあえてこちらを選択。週末だと、関空からシャトルバスで関空展望ホール スカイビューがオープンしていて、真正面から飛行機を見ることができる。シャトルバスは30分おきなので、次のフライトに間に合うようバスの時刻表をチェックしておく必要がある。

・釧路空港

釧路湿原の端に位置するこの空港。

4時間のトランジットだったので、タクシーで釧路湿原や釧路市丹頂鶴自然公園を周遊することができた(調べたがバスなどは現実的ではなかった)。

・福島空港

ここで乗り継ぎすることはないと思うが、空港の2階にある自販機がカオスで一見の価値がある。

私はさすがにこの自販機で買う勇気はなかった。

・高知空港

高知と言えばカツオのたたき。これは必須でしょう。

空港でびっくりしたのはお遍路さん用の更衣室があったこと。


・新千歳空港

言わずと知れた滞在型の空港。温泉もあれば映画館もある。空港だと買い物や食事がメインになってくるが、個人的にオススメなのは、スープカレー・スパカツ(釧路のソウルフード)。

スパカツ

空港以外だと、JRで1駅の南千歳駅に隣接したアウトレットモール「レラ」だろう。ここで買い物するもよし、食べるのもよし、お土産買うのもよし。時間つぶすというより、有効な時間を過ごせる。(空き店舗が多め)


・伊丹空港

新しくなって過ごしやすくなった。最上階には吉本のグッズショップや家具や小物が揃うアクタス、展望台もあり、空港で過ごすにはもってこい。わざわざ空港に遊びに来た家族連れもちらほら。びっくりしたのは兵庫県の情報スペース「INFORMATION ひょうご・関西」にある、ひょうご特産品自動販売機だ。訪れた時には1000円の真珠を売っていて、思わずお土産に買った(妻用)。

空港メシは高いというイメージもあるが、お昼時にはワンコイン弁当も売っていてお得感もある空港。


・広島空港

市街地からは離れているので空港周辺には用事がないと来ないかもしれないが、空港前のスペースにはクリームパンで有名な八天堂が展開する八天堂ビレッジがある。(時間の都合がつかず行けなかったので次回は寄ろうと画策中)


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