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大人に読んで欲しい小説30選

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆)が話題になっている今、ぜひ大人に読んで欲しい「小説」を18歳の若輩者が選ばせてもらいました。

なんとなくメーターがあると良いかなと思って軽め・普通・重めに分けてみました。
30冊選んだ中から1冊でも読んでもらえると嬉しいです。ぜひGWのお供に!

軽め

ワンダー Wonder
R.J.パラシオ/ほるぷ出版

オーガスト・プルマンはふつうの男の子。ただし、顔以外は。生まれつき顔に障害があるオーガストは、はじめて学校に通うことになった。だが生徒たちはオーガストの顔を見て悲鳴をあげ、じろじろながめ、やがて「病気がうつる」と避けるようになる。一方で、オーガストの話をおもしろいと感じる同級生は少しずつ増えていた。そんなとき、夏のキャンプで事件が起こる……。全ての人に読んで欲しい、心ふるえる感動作。

ほるぷ出版

元々児童向けの小説ですが、大人の方が読んでも得るものがあると思います。子供のいる方は一緒に読んで意見交換をしてみてもいいと思います。テーマは決して軽くはないと思いますが、読みやすく分かりやすいのでするする読めるはずです。

あひる
今村夏子/角川書店

我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。

角川書店
(一部抜粋)

自分の経験と紐づけて考える、というよりは単純に文学の、言葉の、物語の「可笑しさ」を楽しめると思います。疲れていても読めます。意味が分かると怖い話が好きな人におすすめします。

かけら
青山七恵/新潮社

家族全員で出かけるはずだった日帰りのさくらんぼ狩りツアーに、ふとしたことから父と二人で行くことになった桐子。口数が少なく、「ただのお父さん」だったはずの父の、意外な顔を目にする。

新潮社

じーーーんと来ます。沁みる読書がしたい方に『かけら』を勧めます。作中にさくらんぼ狩りが出てくるので、旬と言われる6〜7月夏の手前に読むと趣があります。(大好きな作品で、毎年読んでいます)

城の崎にて
(『日曜日/蜻蛉』収録)
志賀直哉/中央公論新社

怪我の療養のために城の崎に訪れる。そこで役目を終えた蜂、死に抗う鼠、偶然死んだいもりを見て「生と死」について考える。

※『城の崎にて』は短編で様々な作品に収録されています。いくつかある作品の中から志賀直哉初心者におすすめな『日曜日/蜻蛉』を選びました。

教科書で出合った人も多いかもしれません。作中にある「自殺を知らない動物」という言葉が忘れられなく、今でも繰り返し読んでいる作品です。「死にたい」と思うとき、『城の崎にて』を必ず思い出します。

その日のまえに
重松清/文藝春秋

僕たちは「その日」に向かって生きてきた――。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか…。死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死、そして日常のなかにある幸せの意味を見つめる連作短編集。

文藝春秋

正直「死」が関わる作品って、お涙頂戴展開に必ずなるしずるい。ずるいずるい、と分かっていても泣かされます。つまるところ、「名作」というやつです。

ハッチとマーロウ
青山七恵/小学館

「ママは大人を卒業します!」とシングルマザーで小説家の母親が突然の宣言。
11歳の誕生日に大人になることを余儀なくされたハッチとマーロウ。お料理ってどうやって作るの?お洋服、何を着ればいいの?双子に個性って必要?
私たちのパパって誰なの・・・・?少しずつ目覚めるふたりの自我と葛藤。二人の12歳までのコミカルでシビアな1年間を優しい視点で紡ぎ出す。

小学館

「大人を卒業」というワードに惹かれ読んでみました。自立しようと奮闘する双子がとても可愛く終始笑顔で読んでいました。文体が簡単なので読みやすいです、とくに子供がいる方におすすめします。挿絵が可愛い!

窓ぎわのトットちゃん
黒柳徹子/講談社

「きみは、ほんとうは、いい子なんだよ!」。小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういつた。「そうです。私は、いい子です!」 そのたびにトットちゃんは、ニッコリして、とびはねながら答えた。――トモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。

講談社

黒柳徹子さんの少女時代を描いたとされる本作。読んでいると自然と心が締め付けられるような読書ができます。正直、子供から大人まで全員に読んで欲しいです。

八月の御所グラウンド
万城目学/文藝春秋

死んだはずの名投手とのプレーボール、戦争に断ち切られた青春、京都が生んだ、やさしい奇跡。
幻のような出会いが生んだドラマとは──

文藝春秋

一月に直木賞を取ったばかりの本作。今私が一番勧めたい作品です。中編が二作収録されていますが、もう一つの作品は中学生〜高校生に勧めたいです。八月の〜から読んでも問題ないですよ。しっとり温かな気持ちになれます、切ない。

普通

コンビニ人間
村田沙耶香/文藝春秋

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

文藝春秋
(一部抜粋)

仕事をしていると安心しませんか。社会の一員であることが子供からすると羨ましいです。「普通」とは何かを問う本作ですが、物語としても面白いです。純文学初心者でもするする読めるはずです。

ここはとても速い川
井戸川射子/講談社

児童養護施設に住む、小学五年生の集。
一緒に暮らす年下の親友ひじりと、近所を流れる淀川へ亀を見に行くのが楽しみだ。
繊細な言葉で子どもたちの目に映る景色をそのままに描く野間文芸新人賞受賞作。

講談社
(一部抜粋)

詩人でもある作者の心地よい文体が魅力です。最初は慣れないかもしれませんが、やみつきになります。私はこのような作品をやみつき文学と呼んでいます。これから注目していきたい作者の一人です。

眠れる美女
川端康成/新潮社

波の音高い海辺の宿は、すでに男ではなくなった老人たちのための逸楽の館だった。真紅のビロードのカーテンをめぐらせた一室に、前後不覚に眠らされた裸形の若い女――その傍らで一夜を過す老人の眼は、みずみずしい娘の肉体を透して、訪れつつある死の相を凝視していた。

新潮社

文章がとにかく艶かしいです。「川端康成」と言われると構えてしまうかもしれませんが、気軽に手に取って欲しいです。この一冊で「エロティシズム」「幻想文学」のどちらも楽しめます。

星の子
今村夏子/朝日新聞出版

林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形を歪めていく。

朝日新聞出版

私はこの作品を「影響力」という点に注目して読みました。親ガモについていく小ガモのように、子がうける親の影響は絶大です。大人のことを「親」という立場でなくとも子供は見ています。自分の行動・言葉遣いなどを鑑みるきっかけになると嬉しいです。

おいしいごはんが食べられますように
高瀬隼子/講談社

「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。

職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。

講談社

職場小説でぱっと思いついたのがこちら。近年食事へのスタンスが議論される中で、食だけでなく仕事、恋愛を絡めた作品です。働く全ての方におすすめです。

皆のあらばしり
乗代雄介/新潮社

ぼくと中年男は、謎の本を探し求める。幻の書の新発見か、それとも偽書か――。

高校の歴史研究部活動で城址を訪れたぼくは中年男に出会う。人を喰った大阪弁とは裏腹な深い学識で、男は旧家の好事家が蔵書目録に残した「謎の本」の存在を追い始めた。うさん臭さに警戒しつつも、ぼくは男の博識に惹かれていく。ラストの逆転劇が光る、良質のミステリのような注目作。

新潮社

ただただ爽やかですっきりする。純文学でありながら、ミステリのようなしかけもあるので純文学が苦手でも読みやすいかも。「頑張ろう」という気持ちを掘り起こしてくれます。

この世の喜びよ
井戸川射子/講談社

思い出すことは、世界に出会い直すこと。

娘たちが幼い頃、よく一緒に過ごした近所のショッピングセンター。その喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼びさましていく。

講談社
(一部抜粋)

視点が二人称(あなた)で進んでいく小説です。いつもと毛色の違うものを欲していたらぜひ。玄人向けな小説ですが、良い小説ですよ。

乳と卵
川上未映子/文藝春秋

初潮を迎える直前で無言を通す娘と、豊胸手術を受けようと上京してきた母親、そしてその妹である「わたし」が三ノ輪のアパートで過ごす三日間の物語。三人の登場人物の身体観と哲学的テーマが鮮やかに交錯し、魅惑を放つ!

文藝春秋

新しく芥川賞の選考委員にもなった、川上未映子の芥川賞作品です。小学生の葛藤を描いた作品で、登場する日記の文章の味があって良いです。ラストシーンは脳裏に画が浮かぶような臨場感があります、文章なのに。

おらおらでひとりいぐも
若竹千佐子/河出書房新社

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。夫に死なれ、子どもとは疎遠。新たな「老いの境地」を描いた感動作。

河出書房新社

高校生のとき初めて読みましたが、読み終えた瞬間に「これを味わうには年齢が足らない」と感じました。大人へ、私が抱いた感覚は大人になっても続くでしょうか、この作品を味わえるようになったとき、大人になったと言えるのではないでしょうか。ぜひ読んでみてください。

スクラップ・アンド・ビルド
羽田圭介/文藝春秋

「死にたか」と漏らす八十七歳の祖父の手助けを決意した健斗の意外な行動とは!? 新しい家族小説の誕生を告げた芥川賞受賞作。

文藝春秋

自分にとって本作は「新しい視点をくれた」作品です。介護をしている方がこれを読んでどんな感想を持つのか気になります。

沖で待つ
絲山秋子/文藝春秋

同期入社の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、彼の部屋にしのびこむ私。恋愛ではない男女の友情と信頼を描く。

文藝春秋
(一部抜粋)

貴方にとって異性の唯一無二な存在はいますか。恋愛でない、友情だけで成り立つ存在。そんな存在がいる方、欲しい方におすすめです。

想像ラジオ
いとうせいこう/河出書房新社

深夜二時四十六分「想像」という電波を使ってラジオのOAを始めたDJアーク。その理由は……。東日本大震災を背景に生者と死者の新たな関係を描く。

河出書房新社
(一部抜粋)

東日本大震災を扱っている作品です。ラジオのDJが主人公で、話も基本ラジオを流しているような感覚で進んでいきます。結末に行くにつれて「あったはずの日常」に思いを馳せることになるはずです。

ひとり日和
青山七恵/河出書房新社

20歳の知寿が居候することになったのは、71歳の吟子さんの家。奇妙な同居生活の中、知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋にあてられ、成長していく。

河出書房新社

子供みたいな大人ってたくさんいますよね。大人みたいな子供も。これをもし人に勧めるなら、そのどちらかに当てはまる人に読んで欲しいです。大人になっても「成長」できます。当たり前かな、それを実感する作品です。

異類婚姻譚
本谷有希子/講談社

子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描く。

講談社

夫婦で過ごす時間が増えると、ふと「似てきた」と思うことがありませんか。私は「作画が同じ」という言葉を使うのですが、芸能人でも結婚のニュースが流れると顔が同じに見えることがあるんです。不思議ですよね、男女でパーツも全然違うのに。そんな形式としての「夫婦」をコミカルに描く純文学です。

センセイの鞄
川上弘美/文藝春秋

駅前の居酒屋で高校の恩師・松本春綱先生と、十数年ぶりに再会したツキコさん。以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは列車と船を乗り継ぎ、島へと出かけた。その島でセンセイに案内されたのは、小さな墓地だった――。

40歳目前の女性と、30と少し年の離れたセンセイ。せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。切なく、悲しく、あたたかい恋模様を描く。

文藝春秋

小説には「恋愛小説」というジャンルがあります。音楽にも「ラブソング」というように、「愛とは何か」の答えを人類は探しています。愛なんてくだらねえ、と思う時もありますが、『センセイの鞄』の純愛さを読むと堪らないです。私の知る中で一番の恋愛小説です。

百年と一日
柴崎友香/筑摩書房

学校、家、映画館、喫茶店、地下街の噴水広場、島、空港……さまざまな場所で、人と人は人生のひとコマを共有し、別れ、別々の時間を生きる。屋上にある部屋ばかり探して住む男、戦争が起こり逃げて来た女と迎えた女、周囲の開発がつづいても残り続ける「未来軒」というラーメン屋……この星にあった、誰も知らない34の物語。

筑摩書房

時間の経過を感じる作品です。私たちの一生はせいぜい百年生きることができれば万々歳。その百年を生きてるのは人間だけでなく、生き物や場所や空気や風も同じです。しみじみと時の流れを実感したい方におすすめです。

愛が嫌い
町屋良平/文藝春秋

自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。
ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。

文藝春秋

『愛が嫌い』には中編が三作入っています。その中で『しずけさ』は鬱だったりやる気をなくした人に読んで欲しいです。表題作の『愛が嫌い』は子供が苦手な人におすすめです。

重め

ブラックボックス
砂川文次/講談社

ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

講談社

「ちゃんとしよう」そう思っても怒りを抑えられない人の話。滑稽に見えるかもしれない男の顛末を見届けて欲しいです。「日本」らしい作品です。

くるまの娘
宇佐見りん/河出書房新社

17歳のかんこたち一家は、久しぶりの車中泊の旅をする。思い出の景色が、家族のままならなさの根源にあるものを引きずりだす。

河出書房新社

全体を通して空気の通り道がないくらい鬱屈とした作品。「生きづらさ」に向き合い続けた小説です。一気に読むと体調を崩しそうです。

ミシンと金魚
永井みみ/集英社

認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。

暴力と愛情、幸福と絶望、諦念と悔悟……絡まりあう記憶の中から語られる、凄絶な「女の一生」

集英社
(一部抜粋)

タイトルの「ミシンと金魚」の意味を知ったとき、苦しさだったりやるせなさを感じました。感想が難しい作品の一つです。老婆の一人語りで進む、「語りの小説」です。

同士少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬/早川書房

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。

同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

早川書房

本屋大賞も受賞した本作。戦争がもう身近な話になりました。ニュースで報道される紛争の惨めさ、苦しみから目を逸らさないでください、まずは知ることをしないと変わりません。本も同じで、自分が苦しくなると分かっているジャンルを避けないで欲しいです。

海と毒薬
遠藤周作/新潮社

生きた人間を生きたまま殺す。

何が彼らをこのような残虐行為に駆りたてたのか? 終戦時の大学病院の生体解剖事件を小説化し、日本人の罪悪感を追求した問題作。

戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識"の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。

新潮社

罪意識について考えてみませんか。『海と毒薬』が巻き起こした事件は一体誰が悪者に見えるでしょうか。議論が白熱しそうなので、読書会の課題本にも良さそうです。そして個人的には物語の構造にも注目して欲しいです。体調の良い時にぜひ。

まとめ

最初はエンタメ、ミステリ、SF、古典、純文学と様々なジャンルから選ぶつもりでした。でも結局私が大人の方に読んでもらいたいと思う作品はほとんど現代純文学でした。起承転結のしっかりしているエンタメやミステリも良いですが、「読み砕く」という印象のある純文学を勧めたくなりました。

純文学は人によって合う・合わないがはっきりするジャンルです。今日選んだ30冊の中でも「つまらん!」と感じる作品があるかもしれません。でもそう結論づけるまでに考えて、考え込んで、作品と向き合って欲しいと思います。その上で合わないと思うのは仕方ないので。ぜひ一人でも多く純文学に興味を持ってくれると冥利に尽きます。

長文になりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。これからも時々おすすめの本の記事をあげようと思います。

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