【でらマーケ勉強会Vol.3】ユーザーに届く、購買に繋がる『SNSマーケティング』(飯髙悠太さん)

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【日にち】 2019/10/16
【主 催】 ASUE株式会社 さん
     https://www.facebook.com/ASUE.Inc/
【登 壇】株式会社ホットリンクCMO 飯髙悠太さん
【内 容】
「僕らはSNSでモノを買う」の著者が語る!
ユーザーに届く、購買に繋がる『SNSマーケティング』
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僕らはSNSでモノを買う
付箋貼ったままで、すみませんw


「SNSを使えば商品・サービスの良さを伝えられるはず!」
「でもSNSでどうやって売上げアップに繋げるんだろう?」
興味はあるものの、中々足を踏み込めなかったSNSマーケティング…
私と同じ思いの人は多いはず!

飯髙さんのウルサス本はとっても読みやすかったので、企業・お店・団体・バンドなど、SNSを扱う色々な方に是非読んで頂きたいです^^

このnoteでは「でらマーケ勉強会 vol.3」で飯髙さんに伺った内容を掲載しています。


↓「ULSSAS(ウルサス)」:SNS時代の行動購買プロセスのこと画像1


1.Google検索からSNS検索の時代へ

消費者の購買行動のきっかけは、Google検索からSNS検索の時代に変わってきた。現在、SNSで商品を知り、それが購買に繋がった人は、なんと65%以上!

■消費者の検索行動パターン
①SNSで商品と出会う
②気になった商品のクチコミをSNSで検索する
③さらに気になったら、Googleで商品の詳細を検索する

■SNS検索の特徴
・クチコミ(リアルなユーザーの声)を把握する事が目的
・商品を使用しているユーザーの生活の様子を知る事ができる

■Google検索の特徴
・有識者やメーカーに、スペック等の詳細を確認する事が目的


2.注目すべきは「量」よりも「質」

2019年の現在は、モノや情報が溢れかえっている。そのため誰の目にも触れる事なく埋もれていく膨大な数の情報が増加している…
つまり現在はAIDMAの最初のA「Attention(注意)」の段階で、「量」だけでなく「質」へのアプローチが必要である。

では企業はどのようにして消費者の注意を引けば良いのだろうか?
「質」の良い情報とは…?


3.「質」の良い情報とは…?

消費者が商品の購買を決定する上で、1番信頼する情報は
「家族・友人・知人からのオススメ」
つまり、企業が自社製品をマスメディアなどを通じて宣伝するよりも、身近な人に商品をオススメされた方が、消費者にとっては「質」の良い情報である。(これは年代を問わず共通している)

上記と同様にSNSでも、商品に対して身近な人からのオススメ情報である「クチコミ」が増えれば、その商品に対する関心が増え、購入率があがる。つまりSNSのクチコミを利用する事で、コンバージョン(Webサイトにおける最終的な成果)を増やすことが可能☆

※私はこれが分かった時「だから本のタイトルが『僕らはSNSでモノを買う』なんだ~!」と、とても納得しました。

(例)信頼きる良質な情報
○良い商品だと判断したユーザーが、SNSにクチコミを投稿する
×フォロー&リツイートキャンペーンで、公式の商品紹介がRTする


4.企業が注力すべきSNSは「Twitter」!

SNSの中でも、ユーザー数・拡散性・データー活用等の面から、クチコミの起点に最適なのは「Twitter」が最適である。(最近は色々なSNSが登場していいるため、Twitterの価値は下がっているとばかり思っていた私には、意外なお話でした)

Twitterには、ユーザーのうち90%以上は、フォロワー数が300人以下(知人としか繋がっていない)という特徴があり「良質な情報=知人からのオススメ」という観点から見ても、Twitterは企業にとって魅力的なSNSである。
※フォロワー数が300人以下のユーザーは、Twitterと他SNS(Facebook・Instagram・LINEなど)でのフォロワーは同一人物である事が多い。

■フォロワー数と、Twitter利用者数の割合
(下記①・②のクチコミは信頼性が高いと消費者は感じている)
① 0人~50人(家族・親しい友人):65%
② 51人~300人(職場やサークルの友人):25%
③ 300人以上(趣味や興味の繋がり):10%


5.SNSマーケティングへの誤解…

SNSは無料でアカウント運営が出来るし、拡散性があって日本中に情報を伝える事が出来ると分かっていても、「どうやって運用すれば良いか分からない」「SNSマーケティングをやっても売上げに繋がらない」と思われがち…

でもそれはSNSマーケティングへの誤解が原因だった!

【SNSマーケティングへの誤解】
×SNSを情報発信媒体としてしか認識していない
×SNSのアカウント運用がゴールとなっている
×とりあえずフォロワーを増やせばイイんでしょ?
×とりあえずエンゲージを高めればイイんでしょ?
×とりあえずバズればイイんでしょ?

これら全部が誤解…
では、SNSマーケティングをどのように認識するのが正解なのだろう??


6.SNSマーケティングは手段のひとつ

SNSを使えば商品の知名度があがるという考え方は、半分正解で半分不正解。
知名度を上げる方法はSNS以外にも、従来行われてきた広告やイベントなど様々な方法があり「SNSはあくまで手段のひとつ」なのだという事を忘れてはいけない。
SNS中心思考ではなく、ブランド中心な全体最適思考で、SNSを活用するのだと認識することが大切。

(例) 消費者の商品とのタッチポイント
・SNSを見て、商品を知る
・ポスターを見て、商品を知る
・雑誌を見て、商品を知る
・お店の前を通って、商品を知る


また知名度の低い商品やコモディティ化している商品をSNSのみで宣伝しても、知名度を向上する事は難しい。そのためSNSに限定するのではなく、イベントなどのリアルマーケティングとセットで実施する必要がある。

(例)リアルイベント等で集客し、そのイベントの内容をSNSでクチコミしたくなるような内容にする


7.「フォロワー数」よりも「UGC」が重要!

企業がTwitterを運営すると「バズる」「フォロワー数」を注目しがちだが、それよりも重要なのは「UGC」!!

UGC:ユーザーが自然と発生させるクチコミ
(ユーザー・ジェネレーション・コンテンツ)

■UGCとは…
・SNS投稿、食べログ、2chの書き込みなど
・UGCは情報の信頼性が高い
・企業からの情報を元に消費者はモノを買わない
 消費者が購買行動の参考にするのは、UGC(他の消費者のクチコミ)!

企業が投資すべき施策は、継続的な収益増に繋がる施策である。
そのためバズによる一時的な収益増は、一時的な効果のみで再現性がないため、企業にとっては「バズ」よりも「信頼性の高いクチコミ(UGC)」が拡散されて商品が知れ渡る事による継続的な効果の方が価値がある。

そのため、フォロワー数の多い芸能人などのインフルエンサーよりも、企業の届けたい情報(商品の良さ)を周囲に伝達してくれる「一般消費者のクチコミ(UGC)」の方が重要である。

(例)TVやフォロリツキャンペーンなどによる一時的な効果は、瞬間的に増えてすぐに収束する一過性のものなので、企業が必要とする継続的な効果には繋がらない。そのため企業は「スパイク型」の一時的な成果ではなく「積層型」の成果を重視すべきである。スパイク型・積層型


8.企業にとって、良いフォロワーとは?

良いフォロワー

○フォロワー数が50人以下で、ツイート数が多いユーザー
×フォロワー数が1万人で、ツイート数が少ないユーザー(芸能人など)

■なぜ上記が、良いフォロワーなのか?
・身近な人のみをフォローしているユーザーが、商品の良さを投稿した際
 フォロワーは信頼性の高い情報だと判断するため。
・ツイート数が多いユーザーは、頻繁に該当企業の商品に対するUGCを
 投稿やリツイートしてくれる可能性が高いため。


9.企業はどのようにUGCを活用すべきか? 

企業はSNSで自社製品をひたすら宣伝するのではなく、自社製品がSNS上でどのようにクチコミされているかをUGCで探ることで、企業と消費者間での商品に対する認識の相違を発見する事ができる。その結果を元に、ブランディング・広告・商品企画などの是正を実施する事で、企業と顧客の溝を埋めて、商品が売れやすい環境を整える必要がある。
(例)商品の良いところ・悪いところに対する認識の相違


10.UGCを発生させる仕掛け

企業が意図的にUGCを発生させるには、下記のような企画がオススメ
・面白いと思わせる企画
・意外性のある企画
・役に立つ企画

※ユーザーがマネしやすい企画だと、ユーザーも気軽に企画に参加できるようになるため、あえてTwitterに投稿する写真は、クオリティーの低い写真(一眼レフカメラで撮影しない、加工しすぎない)を選ぶ事がある。
※見栄え重視のInstagramと違い、Twitterは手軽さを重視したSNSのため、綺麗な背景にこだわる必要はない。

また企業は、積極的に「UGCをリツイート」すると良い!
企業はリツイートする事をネガティブに捉えすぎだが、もっと気軽にリツイートしてOK!企業にリツイートされると消費者は嬉しくなり、企業への親近感が高まり(好きになり)、その企業の商品を優先的に購入したいと思うようになる。これにより、継続的な購買や売上UPへと繋がる。

※ただしリツイート頻度が多すぎると、ウザがられミュートやフォローを外される可能性があるため、リツイートは1時間に1回程度に抑えること。


11.目指せ!指名検索!! 

指名検索はその商品に対しピンポイントで消費者が関心を示している証であり、指名購入に近い行動なので、指名検索は一般検索よりも購買転換率が高い。そのため企業は、指名検索される事を目標にすると良い。
○指名検索:「(商品名)」での投稿・検索
×一般検索:「シャンプー オススメ」での投稿・検索


12.その他

消費者のSNS投稿の行動パターン

■Twitter:140文字で手軽
・商品購入直後に写真を撮る人が多い(袋を未開封な状態でも写真を撮る)
・悪いクチコミも良いクチコミもある

■Instagram:映え重視
・商品を購入しても帰宅後に綺麗な背景の前で写真を撮る人が多い
・悪いクチコミはなく、良いクチコミのみ