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Garment of by for the C. : J01 (スタンダードミドル丈Aライン)

投稿が遅れてしまい、タイムリーではありませんが…

以前にカットオフのフーディーを紹介した chairmade さんですが、chairmade ブランドに一区切りをつけ、あらたなオーダー・システムと共に Garment of by for the C. として再スタートされました。
本稿は新ブランド Garment of by for the C. のジャケット『J01』の紹介です。

テキスタイル・アーティスト/デザイナー/パタンナー/テーラリングその全てを渡邉さん一人でこなすファクトリー・ブランド chairmade の存在を instagram で知ったのは2019年のこと。
ワークウェアをベースとしながらも、ヨーロッパ・ヴィンテージのような洒脱なデザインと絶妙のフィッティング感でオリジナル・デザインの衣服をセミオーダー制作されていました。

私が初めて購入したのがラグラン・スリーブのGジャンで、後に『The C.』(カスタマイズ・オプション有り)および『C101』(カスタマイズ無し)と名付けられる chairmade のフラッグシップ・モデルです。

ラグラン・スリーブのGジャン (2020年のモデル)

私は基本的にアメカジ野郎でして、春先や秋口は Rogue Territory や 3sixteen のGジャン(Levi'sモデルではないのでデニム・ジャケットと呼ぶほうが適切かも)を着てますが、ラグラン・スリーブのGジャンは新鮮でした。そして何よりもその着易さ・フィッティング感にビックリしましたね。

丁度その頃に気になっていたブランドの一つにスウェーデンに本社を構えカスタム・メイドのジーンズを制作する SOSOBROTHERS というブランドがあります(実際の制作工場はバンコクらしい)。

ホームページを見ていただくと判りますが、①ジーンズ/シャツ/ジャケットなどのメニューから入り、②生地を選んで、③その後にデザイン(スタイル/ステッチの色/ボタン/ポケット等)を選定することで、④自分好みのカスタム・アイテムが作成できるのです。

①最初に作成するメニューを選ぶ
②生地を選定
③カスタム・ジャケットの指定画面
④制作シャツ一例 (公式instagramより)

コンセプトは非常に面白いなと思ったのですが、カスタムを盛ってゆくと結構な金額となってしまうことから、結局トライ出来ませんでした…
とその存在をスッカリ忘れていたところに chairmade あらため Garment of by for the C. で同じような試みをスタートさせたではありませんか!!

これはさっそく挑戦と思いホームページを見て色々とイメージを膨らませていたのですが、冷静になって考えると既にデニム・ジャケットを5着持っていて、これ以上増やしてもなぁ~と思い悩んでおりました。
ジーンズと違ってジャケットってなかなかエイジングが進まないので、5着もあると一つをイイ感じに育てるのも大変なのですよね。

そこに先日、スワッチブック(生地サンプル)が届きました。公式instagramでアナウンスされていたものです。PCの画面越しに見る生地と、小さいながらもジツブツの生地を見る・触るとでは全く違いますね。

しかもこのスワッチブックは制作者渡邉さんご自身の発案により、サイト・アカウント登録者全員に対してプッシュ型で送付(郵送)されたもの。相当の手間とコストを掛けてまでもユーザー(購入者)と一緒にワードローブを創っていこうというアツイ思いに心打たれました。。。

ということで、最初はデニム・ジャケットを考えていたのですが、生地を見て触っているうちにスプリング・コートのようなコットン・ツイルのミドル丈ジャケットのイメージが膨らんできました。
もともとは Yarmo の Duster Coat もしくは EEL Products のサクラコートをいつかは購入したいなぁと考えていたのですが、足さばきの良いミドル丈が好きなので、まさに Garment of by for the C.  の『J01 (スタンダードミドル丈Aライン) 』がピッタリなのでは?と閃きました。

まずはホームページに載っている J01 の製品説明とサンプル画像を見てみましょう。

* * * * * 
スタンダードなAラインシルエットのボディです。
旧chairmadeのラインを踏襲しつつ、後ろ脇に切替を設けています。
バックスタイルをよりすっきりと見せる効果があります。
(中略)
※サンプル画像で使用している生地は【10ozブロークンツイル/カーキ色】です。
* * * * *

J01 (スタンダードミドル丈Aライン) サンプル

フロントは5つボタンで、ワークコートのようでもあるし丈はミドル・ジャケット相当。肩から袖に掛けては chairmade の肝であるラグラン・スリーブ。(バックショットが判りやすいですが)袖部分のパーツがかなり凝っています。
襟のフードと前身頃のポケット形状はオプション指定で、生地とステッチ(糸)も選択指定します。

この情報とスワッチを元にイメージを膨らませ、以下にてオーダーいたしました。

  • 商品コード : J01

  • サイズ : 47 (メンズS/レディースM)

  • (背丈のサイズ調整 背丈スペック通り : 72cm)

  • (裄丈のサイズ調整 裄丈スペック通り : 78cm)

  • 衿デザイン : フード

  • 袖デザイン : ラウンド風防

  • 胸ポケットデザイン : 左右標準ポケット+左右フラップ

  • 左右メインポケット : 標準ポケット&フラップ

  • 生地 : 綿ウールサージ, ネイビー

  • ステッチ色 : 生成

  • その他デザイン等についての要望 : 胸ポケットを左右異なるガチャポケでお願いします。具体的には、右胸をサイドオープン(フラップ有り/ボタンあり)、左胸を標準ポケット。

ということで実際に届いたジツブツがこちら。
ハーフコートのようなジャケットのような… イメージ通りです!

J01 をベースにMyオプションを指定したもの

ステッチ色を敢えて生成にしていますので、ネイビー生地色との対比で縫製がよく判ります。特にバックを見ていただくと、ラグラン袖(腕)と後身頃の切り替しの作りに工夫が見られることが判ります。
お気に入りその1は、着用時の肩回りの動きが楽でストレスフリーなこと。

後ろ姿はAラインでありながら切替ステッチのお陰でシャープな印象

お気に入りその2は、標準仕様ですが襟からフード首元にかけての持ち出し部分のスロートラッチ(チンストラップ)。これにより前ボタンを留めていなくてもフードがだらしなく開き過ぎないです。留めればもちろん防寒効果もあります。
お気に入りその3は、左右でカタチが異なるチェスト・ポケット(アシンメトリーなガチャポケ仕様)。これはコメント・リクエストでお伝えしました。

ポケットはラウンドタイプのデザインで、敢えてのガチャポケ指定

続いてフード部分。縫い込みタイプで着脱は出来ません。コットンで内張されてます。おそらく頭髪・皮脂が付着しやすいことから貼っているのだと。気遣いがニクイです。

スロートラッチのボタンが縦に二つ。アクセントであり実用でもある。

フード後ろ。複数のパーツから成っていて形が崩れにくくなるようにしていることが判りますね。首回りの台襟(って言うのは正しい?)は高さがあってフードの立ち具合をサポートします。

ブランド・ラベルも生成りで縫い付けられてますね

お気に入りその4であるカフ部分のラウンド風防。もともとミリタリー由来の意匠と思いますが、ここでは実用というよりデザインとしてのオプション指定。チェストポケットと合わせてラウンドさせているのがキュート。

ストラップで袖口を絞るのでなく、風防を広げて手の甲を覆う風除け

身頃のメイン・ポケットは大きく取られていて、前から横そして少し後ろに掛かってます。フラップ&ボタン留めで荷こぼれし難いようになってます。
オプション指定でポケットにマチを付けることもできます。容量という点ではマチを付けた方が良いですが、今回はスッキリで行きました。次回はどうするかな。。。

ラウンド風防と馴染む緩やかにカーブした大ぶりのメイン・ポケット

基本的には単衣(1枚)仕立てです。なので秋冬の厚手コートというよりは、スプリング・コート的にサッと羽織るミドル丈ジャケットを想定しています。
裏地がないので着用時に若干袖のスベリが良くないですが、来てしまえば肩の取り回しは絶好調に軽いので気になりません。

あくまでワークジャケットで、バサッと羽織る感じ

新しいブランド・ラベルはこんな風。
『顧客の、顧客による、顧客のための衣服』というコンセプトとのこと。
ベースはあれど個々人の思い(カスタマイズ)を経て初めて一つの商品として完成するという訳ですね。

Abraham Lincoln 大統領の演説フレーズからのインスパイアですね

ボタンは敢えてエイジングさせているとのこと。
生地は綿ウールサージ, ネイビー。接写し過ぎて色味がおかしくなってますが、生地は 10oz 程度のミドルウェイトです。
「綿ウールサージ」とあるように実はコットンではなく、コットン40% + ウール 40% + 他20% の交織ファブリックで保温性はありそう。スプリング・コート風と言いましたが秋に活躍しそうですね。
(表面と裏面で織が異なるのですが、説明を見ると「肌に当たる裏が綿になることで裏地なしでもチクチクしにくい」とあります)

良く見ると chairmade, unionnade の刻印ですね

ということで、これから暑くなってゆく時期にご紹介するものではありませんが、instagram によれば生地の原価がどんどん上がっているそうで、閃いた時にオーダーするのが良さそうです。以上です。


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