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森山満穂のバックボーンpart2 読書遍歴(漫画編)

だいたいの人がそうだと思うけど、私は小説よりも漫画を読む。
読書家の方は小さい頃から本を読んで育ってきたとよくいうが、私ははっきり言って小説より漫画を読んで育ってきた方だと思う。人生の一番多感な時に漫画に触れたことで、多くの場面で漫画に救われてきたと言っても過言ではない。


少女漫画雑誌期

初めて漫画に触れたのは、おそらく小学生の頃。毎月、姉と二人分、少女漫画雑誌「ちゃお」と「なかよし」を買ってもらっていた。基本的には姉はちゃお担当、私はなかよし担当で、自分の方を読み切ったら取り換えっこして読んでいた記憶がある。でも、私はなかよし担当だったわりに、今思い返して出てくる作品はなぜかちゃおのものが多い。アニメも見ていた『きらりん☆レボリューション』、『ミルモでポン!』など。その中で一番初めにパッと出てきたのはあらいきよこ先生の『ビューティー・ポップ』という漫画だった。

天才的なヘアカットの腕前を持つ女子高校生の綺里が、学校で有名な美容カリスマイケメン集団S・Pのメンバーたちと関わって夢を自覚し、成長していく学園美容漫画。
連載開始時から読んでいたのだけれど、主人公の女の子がとにかく格好良くて、イケメンたちとの恋模様もあり、毎月楽しみに読んでいた記憶がある。途中で両方の雑誌も買うのをやめてしまって、最終回までは追えなかった記憶があるが、今でも時々ふと思い出して、コミックスを買おうかなと思ったりしている(思っているだけで、未だ行動に移せていないけど……)。当時はまだ自分でお金の管理をしていなかったので、コミックスを買うという発想もなかった(というかコミックスの存在さえも知らなかったと思う)。なので、その頃の漫画は手元にほとんど残っていない。ちなみに、なかよしでは『ぴちぴちピッチ』、『チェリージュース』、『まもって!ロリポップ』あたりが好きだった。それと定期的に付録の冊子で付いてきたえぬえけい先生が描いた『名探偵夢水清志郎事件ノート』が大好きで、今でもこれだけは大切に保管してある。(ちなみに原作小説は読んでいない笑)

コミックスとの奇妙な出会い

初めてコミックスに触れた機会が私の場合はちょっと特殊だった。
これも小学生の頃、母の友人の家に行った時のことだった。私はこの頃からものすごく人見知りで、他人の家に行った時はいつも一人でいる面倒くさい子だった。そんな時、訪ねた家の娘さんが遊び代わりにコミックスを貸してくれた。それがコミックスに触れた最初の瞬間だった。その時読んだのは高屋奈月先生の『フルーツバスケット』。

天涯孤独の少女・透が住み込むことになった家には、異性に抱きつかれると十二支の動物に変身してしまうという呪いにかかった男の子たちがいて……。というちょっと変わったほのぼのホームドラマ。
初めはコミカルに進んでいくストーリーだけれど、だんだんと呪いが原因で起こった複雑で悲しい真実に登場人物たちが直面していって、シリアスな展開になっていく。絡み合う人間関係と呪いを打ち破ろうとする主人公たちの姿がひたむきで、優しさに溢れていて、とても素敵な作品。中盤からはけっこう重い話なのだが、それが小さい頃の私でも面白かったらしく、帰るギリギリまで読んでいたような気がする。その様子を見てか、新刊が出ると娘さんがゆうパックで送ってくれるようになった。私はお礼の手紙を書き、少しだけど交流を深めていった。結局、最終巻までそのやりとりは続いて、今思うと本当にありがたいことだったなあと思う。今は交流もなく、コミックスは姉と折半して全巻購入(続編のフルーツバスケットanohterも含め)したけれど、もし機会があったら娘さんにお礼を言いたいなと常々思っている。

コミックス爆買い期

中学生になって、私は一時期不登校だったことがあった。人間関係も変わって、楽しみがひとつもない学校が嫌だったのだ。でも、どこかで学校に行っていないことに罪悪感を持っていて、塞ぎこむことが多かった。そんな状況にあった私の唯一の救いはテレビアニメだった。可愛い絵柄、面白おかしかったり、白熱したりするストーリー展開。見ていると辛いことも忘れられて、毎週欠かさずビデオで録画して、見返しては楽しんでいた(この頃はまだビデオが主流でした)。けれど、今と違ってビデオテープの時代。テープが切れてしまえば、話の途中であろうと録画されなくなるというアクシデントがつきまとった。そして、楽しみにしていたアニメの時にちょうど、テープが切れてしまっていた。それもまたいいところで!幸いその作品は漫画原作だったので、続きを知ることができた。その話の続きが見たくて私は初めてコミックスを買った。その作品が天野明先生の『家庭教師ヒットマンREBORN!』だった。

運動も勉強もダメで何事もすぐに諦めてしまう中学生・沢田綱吉の元に、殺し屋を名乗る赤ん坊・リボーンが家庭教師としてやって来たことで、マフィア・ボンゴレファミリーの10代目ボスになるために教育されるという突飛な設定のバトルもの。
そのため、初めはコメディ色の強い作品なのだが、私はバトル展開が中心になっていくvs黒曜編から読み始めたので、バトルものの印象が強い。買った当初はその章の終わりまでと思っていたのに次の章のさわりも読んでしまい、気になる!とだんだんと歯止めがきかなくなってしまって、結局最新刊まで買うくらい好きになった。読み始めた章が一番主人公が成長を遂げる瞬間があったので、もしかしたらダメダメな主人公を自分と重ね合わせていたのかもしれない。そして、その作品をきっかけに私は完全に漫画にハマってしまった。連載していたジャンプも毎週買ったし、他にもアニメで見ていた『MAR』、『金色のコルダ』、『ハヤテのごとく!』や、広告で見かけた『ヴァンパイア騎士』『ダイヤのA』などとにかく気になった作品はコミックスを爆買いして読み耽っていた。この頃にちょうど小説が書きたいと思っていて、ライトノベルの真似事のような文を書いていたので、この時期に読んだ作品にだいぶ影響を受けている節がある。『REBORN』のような異能力バトルものや『MAR』のようなファンタジー、『金色のコルダ』のような学園ものを考えたこともあった。(ちなみに今でもアイデアは練りに練られ生き続けている)実質、不登校だったのは一年生の3学期だけだったので、その間にもう学校には行けるようになっていて、月日が経って学校生活に慣れてくると、爆買い衝動は減っていった。

再熱

高校生の時は漫画よりもテレビや音楽やおしゃれなど、他のことに夢中になって、漫画を買う機会はほとんどなかった。たぶん継続的に続いているコミックスを買うくらいだった。そして大学生になり、自由な時間が増えて、ある程度お金を好きに使うことができるようになった。そんな時出会ったのが、藤原ゆか先生の『CRASH!』。

芸能事務所社長の娘・花はアイドルの原石を見つけると鼻血が出るという特異体質。その能力で発掘した5人の男の子が組んだアイドルグループ「CRASH」とともに、トップアイドルを目指して駆け上がっていくアイドル漫画。
もう主人公の設定からトリッキーなのだけれど、これがまた少女漫画らしからぬ展開の作品だった。一人の女の子がイケメンに囲まれていながら、わちゃわちゃラブラブする展開はあまりないのだ。むしろ異性というより友情、仲間との絆を深めていく感じの展開で、いろんな困難を乗り越えながら懸命に上を目指す6人の姿に胸が熱くなる。さらにメンバー一人ひとりの成長が見られ、だんだんとカッコよさに磨きがかかっていく様も見ていて楽しい。まあ、第一章はそんな感じなのだが、8巻からの第二章は今まで描けなかった反動があったのか、ラブな要素が強くなる。けれど、アイドルの在り方を描いているところは変わらないので、それもまたいい。
私がなぜこの作品にハマったのかというと、その頃ジャニーズが大好きだったのだ。嵐から始まり、関ジャニ∞やNEWSなど派生して好きになっていて、今ではミュージックプレイヤーに入っている曲はジャニーズのものが8割だ。言わずもがな今も好きである。ジャニーズの話はこれくらいにしておいて、とにかくアイドル大好きだったその時期に出会ったこの作品に私はドハマりした。当時12巻くらい出ていたので、近所の本屋さんで大人買いして数日で読み切った記憶がある。
そして、先程述べたストーリーもそうだが、この作品の最大の魅力は本当のアイドルのように推しメンバーができること。もちろん私にも推しはいる。私の推しはクール系キャラの篠ノ塚怜。いつもポーカーフェイスなのだが、ふと笑った顔がもう尋常じゃないくらいに好きっ!そして、この作品は第一章と第二章のヒロインが変わるのだが、彼はどちらの章でもヒーローになり得る位置にいるのに絶対に報われない!いわゆる当て馬男子です(笑)でも第二章の最初らへんはヒロインが彼のことを好きなので、彼の言動に一喜一憂する気持ちがすごく良くわかって、めちゃめちゃ楽しい👍(なんの感想……熱くなってすみません💦)

そんなこんなで、『CRASH!』をきっかけにまた漫画にハマり始めた。大学在学中から卒業した後も、調べていて気になった『暁のヨナ』、『ラストゲーム』。さらにアニメや映画化きっかけに気になった『Orange』、『FAIRY TAIL』、『聲の形』、『彼女は嘘を愛しすぎてる』など、有名どころからマイナーな作品まで気になったら片っ端からコミックスを買って読み耽る生活が再び訪れた。この間、小説も読んでいたけれど、圧倒的に漫画の方が読書量が多かったと思う。
そしてここでもまた、さらに激押しの作品が現れる。それは堀越耕平先生の『僕のヒーローアカデミア』。

今ではアニメ化もして言わずと知れた人気作だが、私はアニメ化前から好きだった(ドヤ顔)誰もが何かしらの超常能力・"個性"を持つようになった世界で、無個性だった少年・緑谷出久がナンバーワンヒーローから力を託され、幾多の苦難から這い上がってヒーローになっていく成長物語。
もう不遇の主人公が傷つきながらも成長していくその設定から性癖をくすぐられるのだが、幼馴染・かっちゃんとの関係が確執からライバルに変わっていく過程、体育祭、課外活動、試験、学園祭など学校っぽいイベントを通して固くなっていくクラスの団結力、先輩ヒーローの活躍など、とにかくストーリー展開が熱い!コミックスの一巻にひとつは胸が熱くなるシーンが必ずある!それは主人公でもあるし、他の仲間でもあるし、はたまた敵でもある。どのキャラクターも個性が際立っている。
その中でも私は見つけてしまった。過去最高の推しを!彼の名は轟焦凍。初めは父への復讐心から冷酷な雰囲気を纏っていたのに、体育祭での主人公との闘いで吹っ切れて、優しい雰囲気に変わるギャップがたまらなく良い!カッコいいプラス可愛いになった彼は私的には最強である。そして、その一挙手一投足一言動に心がときめき、どの場面でもどんな小さく描かれていても好きなのだ。ここまで好きになれたキャラはそういない。とまぁ、要するに激ハマりしてしまったのだ。今でもコミックスを楽しみに買っている。

そして、新しい作品もそうだが、この頃になってくると、昔ジャンプやアニメで見ていた作品も懐かしくなってくる。『しゅごキャラ』、『SKET DANCE』、『ダイヤのA actⅡ』、『ワールドトリガー』がそのあたりだ。ふとした時に思い出して、猛烈に読みたくなってしまって、会社帰りにコミックス大人買いを決めたのがこのラインナップ。どれも昔から好きなので、けっこう思い入れがある。話し出したら長くなると思うので、ここでは泣く泣く割愛することにする。

Twitterから

4年前にTwitterを始めたことがきっかけでまた、素晴らしい作品に出逢うことになる。Twitterにはいやでも多くの情報が流れてくるものだ。その中でも漫画の広告ツイートはよく目に留まった。そこで見つけたのは『ショートケーキケーキ』、BLの『嫌いでいさせて』。最近は『来世は他人がいい』という漫画を読んでいる。
そして、私の漫画の間口を新しく開いたのがツイート上に載せられている漫画だ。メディア4枠で構成された物語は気軽に読みやすいし、面白い。私は『クールドジ男子』『氷属性男子とクールな同僚女子』、『オレが私になるまで』、これは載っているのは別サイトだけど『うらみちお兄さん』、『君には届かない』、『新しい上司はド天然』あたりが好きだ。その中でも特に心惹かれたのが、Marita先生の『類はトモを呼ぶ』。

ある冬の日、二つの雪だるまをきっかけに出逢った人々が織りなす運命的日常コメディ。
途中から読み始めたのだけれど、絵、キャラクター、物語展開のライトとヘビーのバランスの絶妙さ、全てがツボにハマって、遡って読み返してしまうほど好きになった作品だった。辛い現実に光をくれるような、あたたかく優しい物語で、なにより伏線回収がハンパない。全て読み終わってそれがわかった時、じわりと心に染み入るとても素晴らしい作品なので、ぜひ多くの人に広まってほしい!
1、2巻は講談社から出ているけれど(電子版のみ3巻も出ている)、3、4、5巻は出ていない。けれど、とらのあなで同人誌が売っているので、気になる方はぜひ入手して頂きたい。3巻以降がとても良い展開だから。それと、現在作者さんのTwitterでスピンオフもやってるからおすすめです。


優しいお姉さまから

私の姉は遅咲きのオタクである。こえ恋というドラマがきっかけで声優の櫻井孝宏さんのことが好きになって、それからアニメや漫画を読むようになった。今では先にそういうのが好きだった私よりアニメの情報を知っているし、私の知らない作品もすでに読破、視聴済みだったりする。Twitterやってないのになんでなんだと日々思うのだけど。
そんな姉は、去年くらいからレンタル屋さんで漫画を借りてきたり、こそこそと漫画を積んでいたりする。ので、何を読んでるんだろうと目の前をちょろちょろしていると、私にも漫画を貸してくれるようになった。『弱虫ペダル』から始まり、『文豪ストレイドックス』、『ハイキュー!!』、『DAYS』、『鬼滅の刃』、『Dr.STONE』など。けっこう姉に借りて読んでいる作品は多い。レンタルしていた作品は気に入ると、二人で折半してBOOKOFFで全巻セットを買ったりしている。その中でも面白かったのは、オノ・ナツメ先生の『ACCA13区監察課』。

舞台は、13の自治区で構成される一つの国・ドーワー王国。そこには国民の生活に寄り添いながら各区を統一し、平和を守る巨大民間組織・ACCAが存在していた。そのACCAで、各区の支部を監視する業務を担う監察課に所属するジーン・オータスは、各区を視察しながら組織に広がる噂をきっかけに、平和を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。組織に生きる男の"粋"様を描いた物語。
私はこの作品が纏う"粋"な空気感が好きだ。ゆったりと流れる落ち着いた雰囲気、静かに身を置く空白のバランスが煙草の紫煙ようにゆたゆたと漂って、なにかがある、という含みを与えて、物語を読み進めたくなる。前半は地域色のある各区をのらりくらりと旅をする放浪記のような軽やかさがあるが、後半、怒濤の展開が押し寄せてきて、どんどんと陰謀の影が濃くなり、重く苦しい事実に胸が張り裂けそうになる。けれど、最後は爽快に幕を閉じて、つい微笑んでしまう愛らしさを覚えた。最後まで読み終えた時、また立ち戻って小さな伏線を一つひとつ拾い上げるように読みたくなること間違いなしの作品だった。


まぁ、これくらいだろうか。現在はTwitterのものの更新と、連載が続いているコミックスの発売日を心待ちにしている日々だ。こうやって遍歴を書いてみて、漫画というものは、いつだって私のそばにいてくれて、時に笑い、時に悲しみ、時に言い知れぬ感情をもたらしてくれるかけがえのない存在だったのだと気付かされた。

おわりに

最後にちょっと遊びで。だいぶ前にTwitterで、「私を構成する5つのマンガ」というハッシュタグがはやっていたので、私もやってみた。過去の私と現在の私の結果がこうである。

過去の結果:
家庭教師ヒットマンREBORN!
フルーツバスケット
MAR
金色のコルダ
CRASH!


現在の結果:
僕のヒーローアカデミア
ワールドトリガー
ダイヤのA actⅡ
ACCA13区監察課
類はトモを呼ぶ


作品が変わったのはご覧の通りだが、少年漫画は健在、少女漫画がなくっている。代わりに成人向けの漫画がラインナップに並び、私も大人になったんだなぁと改めて思った。

どんな作品も終わってしまう時はどん底の悲しみがあるが、そうして別れを告げた先に新しい作品との出会いが待っていて、私も新しく更新されていくんだろうか。また新しい出会いを楽しみに、これからも漫画を読み続けようと、読みかけのページを捲りながら思った。


 ***


最後までお付き合いいただいた方はありがとうございます!
この記事を読んで、好きな作品が同じであれば、よかったら声を掛けてくださると嬉しいですし、もちろんまだ読んだことがない作品で気になるものがあれば、訊いていただいても構いません。
これを機に多くの方に好きな作品を読んでいただけたなら幸いです。
改めまして、ありがとうございました!

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