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敗退の大峯奥駈道(2019.04.28-2019.05.01)[5] - 4日目

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05月01日。大峯奥駈道4日目。天候は雨、気温は10度から15度。
撤退を決めた4日目だが、一筋縄では行かなかった。

行程

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* 千丈平 4:20
* 釈迦ヶ岳 1799m 4:54 15分休憩
* 千丈平 5:25 15分テント撤収
* 古田の森 6:24
* 登山口 8:07
* 旭橋バス停 14:42

行動時間 10時間20分。22.6km。
釈迦ヶ岳に空身で登った後、テントを撤収して下山。
撤退とは思えない行動時間になった。

起床

結局2時過ぎに起きて撤退を決めた後、眠れず。
スープを飲んだりクッキーやナッツを食べて栄養補給など。テント内の荷物も片付けラジオを聴きながら4:30になるのを待つ。5時には日が出るので、4:30にヘッドランプをつけて登り始めればちょうど、釈迦ヶ岳の山頂に着く頃明るくなっているはずだから。

第四十靡 釈迦ヶ岳へ

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出発時、この風雨。雨は大雨というわけではないが、がっつり普通に降っている。撤退を決めて良かったと思った。

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登り中。なぜかのGoPro自撮り。

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頂上に近づくにつれ、徐々に明るくなってくる。

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登頂。
釈迦ヶ岳の頂上にはお釈迦様の像が設置されている。一人の男が担ぎ上げたらしい。標高1799m。二百名山。

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これで大峯奥駈道を離脱するので、名残惜しくお釈迦さまにお祈りなどをした。
かろうじて携帯の電波がつながることがあるようなので、LINEで嫁に撤退することを連絡。


明るくなると同時に雨もやんできて、撤退するのが惜しくなってきたが、濡れたテントを撤収してザックに入れ背負うと、あまりの重さにやっぱり撤退しようと改めて決意した。

登山口へ

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古田の森を抜けて、登山口への分岐へ。
ここまでの道は高低差もさほどなく、のんびりした道。

ここの分岐だが、右の「旭・不動木屋林道」へいく破線(難度高め)のルートと、左というか奥に進むと「太尾登山口」に進むルートの二つに別れる。距離がだいぶ短そうのもあり「旭・不動木屋林道」を選んでしまったのだが、これは間違いだった。「太尾登山口」のルートを行ってないから比較はできないが、「旭・不動木屋林道」方面のルートはほとんど人が入ってないのか、あちこち崩落したり木が倒れて道がだいぶ不明瞭、というか途中で道がない状態。なんとなく沢の方に降りながら、道に復帰したりまた道がなくなったりという非常に頼りないルートだった。
そこそこ大きな沢と林道に囲まれてはいるので、遭難することはなくどこかに降りられると思うが。
30分ぐらいで降りれるつもりが1時間以上かかってしまった。

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↑そこそこ大きな沢。登山口に出るまでにこの沢に出会うということはすでに道を外れている。沢沿いに降りれば登山口。

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登山口に到着。8:07。
沢と道路が直結しているので、ドロドロになったレインパンツを洗ったり、タオル濡らして体拭いたり、靴の泥落としたりなどなど。身支度を整える。
あとはアスファルトの道。
いつもだったらもうほとんど山行終わりなのだが・・・

旭橋バス停へ

どこかでタクシーを呼ぼうと思っていたが、ここはまだ圏外。
身支度を整え、アスファルトの道だしレインウエアをしまって、傘をさして出発。

歩くこと1時間・・・

2時間・・・

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↑どっかの山

ずーっと圏外。
アスファルトの道を登山靴で歩くと、足の裏のダメージがとても大きい。
すでに3日の山行で痛んできているのもある。
かなりきつくなってきた。

ヒッチハイクでもしたいが、車は釈迦ヶ岳の登山口に向かう車しか通らない。

3時間半・・・

やっと、旭ダムの関西電力の施設に着く。これまで道とガードレールとコーナーミラーしか人工物がなかったが、ここで自動販売機と公衆電話が。
自動販売機で何を買ったか忘れてしまったが、何か人工的な味のするものを飲む。
公衆電話にタウンページも置いてあったので、十津川村のタクシー会社(1つしかないみたい)を探し、電話。配車の依頼をするも、まさかの拒否!!!

今出払っていていつになるかわからない(そんなわけないだろう、どこに客乗せてるかとか把握しないのか?)、旭ダムまで40分かかる(全然かかって構わない)、関電の施設まで行ってるなら旭バス停までタクシーより早く着くのでは(いい加減なことを言いすぎ、まだ2時間以上かかる)。

など・・・本当に腹が立ったが、このおばちゃんとこれ以上話してもしょうがない。とにかく気をとりなおして歩く。

4時間半・・・
携帯がピコーンとなる。嫁が送ってきていたLINEが圏内になったため受信したのだ。すぐさま確認すると十津川村から嫁の実家へはなかなかに遠いらしく、車で迎えにきてくれるつもりらしい。
が、こちらからLINEを送ろうとすると圏外。山だとよくあるが、LINEは送信しておけば勝手に何回かリトライしてくれて、圏内に入った瞬間に送信できたりすることがよくあるので、そうやってやり取りをしながら歩く。
とにかく、16時前ぐらいには旭橋バス停まで迎えに来てくれることになった。ありがたい。優しい嫁。
そして携帯電池切れる前に下山して本当によかった。村で遭難するところだった。

5時間・・・

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6時間・・・

足の裏が拷問を受けているように痛み、雨の中、祝日のため動いていない屋根付きのバス停があるたびに荷物を下ろして休憩。

なんとか旭橋バス停に到着。登山口からなんと6時間半。
サンダルか何かでも持っていればもっと早く歩けたと思うが、とにかく辛かった。

旭橋バス停には雨をしのげる場所はなく、勝手にバス停前にあった民宿リヴァーの屋根のある駐車場で休ませてもらい、嫁を待つ。

16時前、嫁に回収してもらい、無事、世界に復帰。
このあと、温泉によって汚れまくった体を洗い、イオンでご飯を食べ、登山靴が痛すぎるので安いスニーカーを買って、嫁の実家へ。


こうして、今回の大峯奥駈道への挑戦は終わった。
敗退に終わったが、今回の山行の記録、
これまでの山行の中で、
最長の移動距離 82.2km
最長の行動時間 34時間30分
最高の累計高度(登り) 13,060m (ちなみにヤマレコだと 6,177mでだいぶ違う)
ぶっちぎりではあった。

大峯奥駈道は今度は北から向かう逆峯でリベンジしたい。
今回道中であった人も9割北からくる人だったし。

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敗退理由について

もちろん天気は大きいが、それはきっかけにしか過ぎない。結局トータルで実力が足りなかった。体力も、経験も、事前の計画も足りなかった。

ということになるが、細かくは振り返ることあるので、別のnoteにまとめることに!

では。

あー、疲れた山行だった。


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