コーパス(SkeLL)の利用~ROW vs. PADDLE~

今井むつみ『英語独習法』(岩波新書、2020)によると、語彙力が高いとは以下の要素によって構成されているといいます(53頁)。

①その単語が使われる構文
②その単語と共起する単語
③その単語の頻度
④その単語の使われる文脈(フォーマリティの情報を含む)
⑤その単語の多義の構造(単語の意味の広がり)
⑥その単語の属する概念の意味ネットワークの知識

上記のうち、②の共起を鍛えるための手段として、同書を読んで知ったSkeLLというコーパス(テキスト等をデータベース化した言語資料)が非常に有意義であり、とても面白かったので使い方をご紹介します。

今回調べてみるのは、漕ぐという動作を説明する動詞として用いられるrowとpaddle。この二つをどう使い分けするのか気になっていたのですが、このサイトを使うと割とその使い分けがすぐにわかります。

まずpaddleで検索してみて、Word sketchのタブを開くと、paddleと一緒に共起する単語が出てきます。

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次にrowのWord sketchをみます。

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両者の”object of ~”を比較すると、rowはboatという目的語のみと共起すること、paddleはboatとも用いることができるが、canoeやkayakと共起しやすいこと(そして、riverを目的語にとれること)がわかりますね。

試しにExamplesで"row river"と検索しても、riverを目的語にとった例は出て来ないですね。

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まぁただそれだけですが、SkeLLを用いると、英語の共起表現が勉強できる、というご紹介でした。

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