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骨折と関羽さまの逸話

左足の小指を強く家具にぶつけたら
骨折していた。斜めにぽっきりと。
全治2ヶ月。

細長い千歳飴をねじ切ったら、
その切り口にできそうなひび割れの跡まで
くっきりとレントゲン画像に映っていた。

私は痛みに弱いごく普通の人間なので、
子どもの頃左腕を折った時ほどではないが、
ちょっとでも体重をかけると痛いし
普通の歩行がままならない。

しかもうちはエレベーターのない
集合住宅3階である。
生まれて初めての松葉杖生活には、
難易度が高すぎる。

入院・手術するほどではないので、
保険も下りずなにかと辛い。

こんな時に嫌いな鳥(我が家のマメルリハインコ・シャル)などに向き合う気にはなれないので、シャルの話は申し訳ないがお休み。

私が何らかの外傷系の痛みに耐えている時、
いつも思い出すのは三国志の関羽さまである。

三国志好きには有名な話で、「関羽さまが毒矢で負傷した左腕の骨を削る手術で、麻酔もなく宴会中に酒を飲んだりしながら行わせた」というものがある。

次の時代に『正統』な歴史書として編纂された
『正史・三国志』にも記載がある史実で、
『三国志演義』という明の時代に書かれた
物語にも脚色されてしっかり載ってる話だ。

手術してなくてもこんなに痛いのに訳わからん。
この1点だけでも人間でなくて神様だと思う。
(実際関帝廟は関羽さまをまつっているし)

私がこの話を知ったのは、
物心つくかつかないかの年齢の時である。
1984年にNHKの人形劇・三国志で
まさにこの場面が放映されていた。
当時私は生まれておらず、
おそらくその後の再放送で観たと思う。

母がこの人形劇に登場する美しい人形たちを好んで観ていたのだ。それを幼い私が横で観ていたのではないかと思う。

どんな人形かは↓をご覧ください。
人形制作者の美術館があります!
私も10年以上前に行きましたが、最高でした。

それはそれは強烈な印象を私に残した。
腕をおもむろに差し出す関羽さま(人形劇では右手だった)。
手術を受けながら配下と碁を打つ関羽さま。
血を受けるお盆を震えながら持ってる配下。
※後年再度DVDを購入してみたら、私の記憶違いで
 震えていたのは碁を打ってる方だったが。

幼い私には恐ろしいシーンであり、
当時は「関羽」さまという人物であることは
わかっていなかったが
何てすごい人だろうと思ったのだ。

私が10代前半になったある日、
たまたま三国志関連の書籍を
何気なく読んでいたら、
この逸話が紹介されており、
その時初めて子供の頃に見た
強烈な人形劇の一場面と
「関羽」さまが繋がった。

この時私は「三国志の洗礼」を受けてしまった。
そのまま三国志の深みにハマり、大学では中国語と中国文化を専攻していた学生だった。

三国志検定2級取ったなあ。
現在でも三国志も中国も
私の人生には欠くべからざるジャンルであり、
人形劇三国志における関羽の手術シーンは
結果的に私の人生に多大な影響を与えたのだ。

人生を変える出会いとなった人形劇三国志、
そして関羽さま。
凡人の私は関羽さまのように
痛みに耐えられないが、
関羽さまに影響を受けた者としては
もう少し痛みに強い人間でありたい・・・

が、やはり痛い。

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