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"地元の魅力を届けられる市民作家" を育てるまち〜合志市クリエイター塾〜

こんにちは、エムコです!
2018年に熊本にきてから、たくさんの素晴らしい人に出会い、たくさんの素晴らしい活動にも出会ってきましたが、そんな中でも私が気になっていたまちの、とある活動があります。

そのまちの名前は「熊本県合志市」。東洋経済新報社が全国の792市と東京23区の20区(千代田区、中央区、港区を除く)の計812市区を対象に公表している「住みよさランキング2019」では九州沖縄1位となるなど、その取り組みは全国的に評価され、子育て世代の人口も年々増加していると言います。

そしてそんな合志市が取り組んでいる様々な施策の中でも私が特に注目していたのが、「合志市クリエイター塾」! こちらににHubさんも講師として参加されているということで、8月5日に開催された「合志市クリエイター塾2020 説明会」に参加させていただき、この合志市クリエイター塾がどんなものなのか、そしてどんな魅力的なプロジェクトなのかレポートにまとめてみましたので是非ご覧ください!


合志市クリエイター塾とは?

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合志市クリエイター塾とは、地元の魅力を届けられる市民作家を育成する【自分で、発信できる人になる。】をキャッチコピーとして2015年から運営されているその名の通り"未来のクリエイターのための塾"。応募対象は中学生以上*であれば誰でもOK!学生・社会人・主婦・プロのクリエイター・フリーランスなどなど…過去には本当にさまざまな方が参加されているとか。

開催は毎年1回。9月〜12月の期間に全16回のプロの講師陣を迎えてのレッスンを通じて、動画を使った作品作りを軸に学びを深めていきます。授業の内容はその年によってテーマが異なり、今年は映像の企画・演出・制作だけではなく、このコロナ禍においてさらに重要になってきた広告やSNS、ECサイトを使った広め方などのポイントも学ぶことができるとのこと。グループに別れての実践を含むワークショップも多数。そして最後には、各グループの作品の発表もあるという、理論の実践での活かし方をすぐに学ぶことができるという、本当に "即戦力となるクリエイターを育てる" ためのプログラムだと感じました。

*未成年の応募にはご親族の承諾が必要です。


「自分で発信できる人」=「クリエイター」

「クリエイター」という言葉。とてもよく耳にはしますがその定義は広く、一般にはきっとどんなことをしている人をクリエイターと呼ぶのかわからない人もいるんじゃないでしょうか。そんな「クリエイター」という言葉の定義については、合志市クリエイター塾の公式サイトにこんな記載がありました。

あしたの、合志
あしたの、熊本
あしたの、日本

合志市クリエイター塾が始まって五年がたちました。
塾を卒業してすでに「クリエイター」としての活動を
はじめている塾生の方もいて、とても嬉しいです。

「クリエイター」という言葉にはかなり広い意味があるように思います。
(ちょっと曖昧で、胡散臭い感じもあるかもしれません)
合志市クリエイター塾での「クリエイター」の定義は、「自分で発信できる人」です。

さまざまなモノ、面白い人、土地の自慢、おいしい野菜、
地域の課題、あたらしい取り組み、自作のアニメ、映画、ドラマ、などなど
あなた自身が世の中に知らせたいこと、広めたいこと、
あなたのまわりにいる誰かが、伝えたいと思っている何かを
世の中に発信するための知恵と技術を学ぶ塾、それが合志市クリエイター塾です。

日本の、九州の、熊本の、この合志市から何かを発信したいと思うあなたの熱意が、
いつの日か、あたらしい「あしたの、日本」の姿につながっていくと信じています。

(合志市クリエイター塾公式サイトより抜粋)

一般に辞書を引いてみると、クリエイターとは "創始者。創設者。創造的な仕事に携わる人の総称。広告制作者" などといった意味が出てくるのですが、合志市クリエイター塾は「クリエイター」という言葉をしっかり定義してくれています。

合志市クリエイター塾での「クリエイター」の定義は、「自分で発信できる人」です。

「自分で発信できる人」
これが、合志市クリエイター塾の目指す「クリエイター」の定義。
まちの魅力を発信できる市民作家(クリエイター)を増やすことでまちを、熊本を、日本を盛り上げていく。そんなクリエイティブな事業に本気で合志市というまちが2015年からずっと向き合い、取り組み続けている。こんな市民と向き合った未来への投資プロジェクトを実施しているまちは、きっと日本中探してもきっと合志市にしかないんじゃないでしょうか。


講師陣が本当に本気なところがスゴい

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8月5日に開催された説明会は、熊本でのコロナのリスクレベルが増加していることを受けてオンライン(Zoom)での開催でした。その画面越しに現れたこちらの方がこの企画をずっと支えてくださっているという株式会社ロボットのプロデューサー・柳井研さん。

株式会社ロボットさんと言えば、「踊る大捜査線 THE MOVIE」や「ALWAYS 三丁目の夕日」などをはじめとした数え切れないほどたくさん代表作を持つ、映画・ドラマ・CM・アニメーション・ゲームなども手掛ける大手制作プロダクションさんです!(まさにこの作品は私が大学生時代に働いていた映画館で大ヒットを飛ばしていた思い出深き作品たち…!)

↓柳井さんが担当されているお仕事についてのインタビュー記事はこちらからご覧いただけます🙌

そんな柳井さんが、
「もしかしたら一番力を入れているプロジェクトはこの合志市クリエイター塾かもしれません。」
と語ってくださるこのクリエイター塾の本気度。そして柳井さんだけでなく、他にもご参加いただいている講師のみなさまがとにかく豪華!!!このラインナップを見るとさらに本気度がひしひしと伝わってきます。

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我らがHub.craftの山下さん・岡部さんもこの講師陣一覧に!Hub.craftのおふたりからは撮影・編集に関わる直接的な技術サポートを受けることができます!頼もしい!


"誰でも" 本気のプロから「伝え方」を学ぶことができる

<2017年度授業風景:編集を学ぶ>

受講は応募者多数の場合、厳選なる審査のもと選ばれた方のみが参加できるプログラムとはなりますが、最初にお伝えした通り応募資格は【中学生以上であること】ただそれだけ!公式ウェブサイトで過去の合志市クリエイター塾の卒業生一覧(市民クリエイターたち)をみてみると、"ふだん僧侶" "ふだんJA職員" "ふだん学童保育の先生" "ふだんプログラマー" など本当に職種も様々。

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「起業家を増やしたいと言う裏テーマも実はあるんですよね」という柳井さんの言葉通り、それぞれご自身のお仕事に活用される方だけでなく、新たに映像のお仕事を始められる方も何人もいらっしゃるとか。


2018年/2019年度の卒業生・加藤義和さんにインタビューさせていただきました🙌

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先日の説明会に参加されていた2018年/2019年度の卒業生・加藤義和さんもそのお一人で、介護職や老人ホームのボランティア経験から、お年寄りと話す機会が多く、「人の歴史」を映像として残し伝えたいと強く思うようになり、2019年に起業されたお一人。そんな加藤さんに直接お話をお伺いさせていただきました🙌


Q. 加藤さんがクリエイター塾に参加されたきっかけはどのようなものでしたか?
加藤
「子供の頃から写真が好きで、写真を撮ったりしていたのですが、Youtubeがでてきてからいろんな方が作った映像をよく見るようになり、『面白い映像って、簡単にできそうだな、やってみたいな』と興味を持つようになりました。そして映像の仕事に興味があることを家族に相談したら、義理の母が合志市にはクリエイター塾というものがあるから行っておいで、と教えてくれたのがきっかけです。」


Q. クリエイター塾に行ったことで、どんな学びを得ることができたと感じていますか?
加藤「もともと私はひとりが好きで、他人と一緒に何かを作るのは苦手だったもので一人で映像の仕事を始めようと思って1年目は一人でクリエイター塾に参加しました。参加した当初は自分一人で作った方がいいものができると思っていたんですが、クリエイター塾に入って色々な勉強をしていくうちに、何人かで協力した方が自分一人で作ったものよりももっとすごいものができる!ということを実感しまして、2年目は息子と一緒に参加させていただきました。

チームで作業をしていくとき、もちろん自分と他の人とでは考え方が違いますので、それぞれのアイディアを出し合うことで、『あなたのそのアイディアいいね!』と意見をぶつけあい、全く違った形のより良いものができあがっていくという体験をすることができました。これは本当に貴重な経験だったと思います。

またそういったチームでのワークを通じて出会った方とその後も繋がり、仕事に関して相談できる相手が増えたこともとてもありがたかったです。私は熊本に引っ越してきてまだ4年目で人脈もなく、独立することに少し抵抗も感じていたんですが、始めてみたらいろんな方が力を貸してくださったり相談に乗ってくださったりして大変助かっています。コロナでやはり売上が伸びなくなってしまったりしたのですが、その時に新しい事業のアイディアをくれたのも、クリエイター塾で出会った方でした。」


Q. クリエイター塾での経験で、印象に残っているエピソードはありますか?
加藤
「合志市のクリエイター塾を一番始めに始められた市の職員さんのお話を聞く機会があったのですが、その方の熱意と行動力が本当にすごくて、市役所の職員さんにこんな人がいるのか!と本当に驚きました。熊本のこんな小さな町のイベントに、東京のROBOTさんのような一流のクリエイターの方々を連れてくることができるなんてすごいことです。その方のお話を聞いて、行動力と熱意は人を動かす力があるんだと感じました。

それと、講師の先生方も最初は普通の方かな、と思っていたんですが、授業を受ければ受けるほど、あ、この人たちは天才なんだ、という場面がたくさんあり、そういった天才の方々の仕事を目前で見ることができてものすごく刺激を受けました。

2年目の個別指導の際、自分で撮りたいと思っていた作品を、どう表現したら自分が伝えたいことを伝えることができるだろうか?どう広めたらいいか?といったところが形にできず、実際に撮影したものを塾長の清水さんに見ていただき相談に乗っていただきました。その時に清水さんが、その場でスラスラ〜っと、『こういう言葉で表現したらどうですか?』とキャッチコピーを書いてくださいました。それを見て私は『ああ!これこれ!!私が表現したいのはこれです!!』と。そしてそのキャッチコピーを動画の中におりこんでいったら、非常に素晴らしい映像ができたんです。そんなちょっと映像を見ただけで伝えたいことがわかり、それを言葉にできる。あ、この人は本当に天才だ、と思いました。さらにあとでわかったことなんですが、実はその清水さんは、私が10年前に本当に大好きだったコマーシャルを作られた方だったんです。本当に何度見ても飽きなくて、大好きだったCMを作られていた方だとわかって、やっぱりこの方は天才なんだ、と改めて思いましたね。」


Q. Hub.craftの山下さん、岡部さんとのエピソードがあればぜひ教えてください!
加藤「1年目の前半に、みんなで同じ素材を使って自分のテーマにそった編集をするという授業があったんですが、その時に、岡部さんに『こんな風に編集がしたいんです』と相談させていただいたら、どんどん、自分が思い描いていたイメージが形になっていくんです。それで私は『岡部さんは、魔法使いなのかな?』と思いました(笑) 

さらにその作品の発表会の時、それぞれみなさんすごく素敵な作品を作られていたので、これは、と思った方にすごいですね、と声をかけに行ったら、『実はこれ岡部さんに手伝っていただいたんです』という人が何人もいて、あれ?もしかしてほとんど岡部さんの作品?と驚いたことをよく覚えています。それぞれの人の想いを聞いて、それに合わせた映像を作る方法をとてもうまく教えてくださっていたみたいです。

山下さんは、授業の中だけでなく、授業のあとにも本当にお世話になっています。親子ほど年が離れているんですが、私にとって山下さんは"頼れる先輩"ですね。そして私は今『ライフバンク』という屋号でお仕事をさせていただいているんですが、この名付け親が山下さん。そして私たちが作っている映像のことを『ライフムービー』と呼んでおりますが、こちらも山下さんにつけていただいた名前なんです。というのも、私がやりたいことを色々と相談させていただいて、そしたらこんな風にしてみたらどうですか、こんな名前はどうですかとものすごく深く考えてくださってアドバイスをくださるんです。コロナの時にも自分の儲けよりも私の儲けを気にして声をかけてくださったり(笑) 本当に親身になってくれる、頼れる先輩です。Hub.craftさんって、人と人を繋げてクリエイトしていくというお仕事なんだと思うんですが、まさにそういったお仕事に適任の方だと思います。」


Q. 最後に、これから合志市クリエイター塾へ参加される方へ一言お願いいたします!
加藤「本当のプロフェッショナルの、その熱意と半端ない才能を、どんな人でも身近に感じることができるまたとないチャンスです。ぜひ参加してみてください!」


↓加藤さんの始められた「ライフムービー」制作サービスはこちらから

↓過去の授業風景やそのほかの卒業生のみなさまの作品などは、こちらからご覧いただけます!


きっと日本中さがしてもここにしかない。
本物の才能と未来の仲間、そして自分の可能性と出会える場所:合志市クリエイター塾

今回、合志市クリエイター塾に関わる方々のお話をお聞きして私が感じたのは、そのお一人お一人の"半端ない熱意"でした。熱意とは愛情そのもの。地元への愛情、人への愛情、作品への愛情。そこに愛がなければ、きっと人の心を動かす作品を作ることも、相手に何かを伝えることもきっとできない。でもこのクリエイター塾に関わる皆様の熱意と愛情はまさに本物!そんな講師の皆様、また仲間と共に "誰でも" 学ぶことができるという環境は、本当に日本中どこを探してもここにしかないんじゃないだろうかと感じました。

【自分で、発信できる人になる。】

2020年度は9月から開講とのこと。今後の皆様の活躍がますます楽しみです!!伝えたい何かを持っている方は、ぜひ、熊本県合志市のこのクリエイター塾に参加してみてください。きっと、人生を変える出会いが待っています😊

最後までお読みいただきありがとうございました!


(つづく)


画像・動画:合志市クリエイター塾公式サイト
インタビュー:加藤義和さん
文:谷本明夢

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