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Vシネ『仮面ライダー555』を見てきた感想

ファン映画としては、まさに上の上ですね……しかし、子供の頃見た本編のラストが儚いものになってしまうという結果に蛇足感があるのもまた事実。

昔そのままのノリなんで、大人になった視点で見ると疑問符が浮かぶ場面が多々あって没入感が削がれるんだけど、井上敏樹氏の脚本は演出優先だよなぁと思えば(響鬼後半以外は)全部許せる気分にもなる不思議な感覚。

以下は、異形の花々を購入するぐらい昔は好きだったけど、今は日アサを見なくなった人間が思い出補正込みで楽しんできた感想です。

ネタバレ全開なので注意。


たたたたっくん

半田健人さんが意味不明なぐらい格好良い。
すごい良い年齢の変化を経ており、声に渋みがあって歴戦の戦士感があるし、半田さん本人のレトロなイメージと旧ファイズの未来感が融合して独特の味わいがある。
途中、ヌーディな場面でたっくんの筋肉がお披露目されるんだけど、むっちゃ鍛えていてトゥンク……ってなるんだわ。ヒーローの肉体最高かよ。

終盤の「わかってるじゃねぇか!」からの旧ファイズへの変身後の怒涛の流れは、もう最高すぎて最高だった。
どこからともなく参戦するオートバジンさん草だし、ミッションメモリーをカチャカチャして戦うの、たまらなくらしくて好き。

そこ以外は、予算の都合とオルフェノクを安易に殺せない理由があって、戦闘シーンに不満がでてしまうところが多々あり。
パラダイス・ロストがあれだけよかったのに、どうしてこうなったのか。
薄汚いオルフェノクをクリスマで滅ぼせないの、やっぱつれぇわ。

特にアクセルフォームの出番がない件は、ファイズでいちばん好きなフォーム&演出なだけあって不満ありありで残念すぎる。
ネクストファイズアクセルが活躍すればまだよかったんだけど、謎空間でビュンビュンするだけという……

バサシレンコン(Youtuber)が定期的にファイズアクセル要素を供給してくれるのに、本家本元で新作カットの供給がなかったの、この映画でいちばん肩透かしを食らった部分かもしれない。
まりちゃんがネクストファイズに変身して、たっくんと一緒に今日は俺とオマエでダブルアクセルだ、ぐらいやってくれても良かった、マジで。

まりちゃん

大人の色気ってすげー。まりちゃん、昔は少しぽちゃっとしていてアギトのまなちゃんのほうが可愛かったなーとか思っていたら、作中進むに連れてドンドン可愛くなっていって手のひら大回転して好みの女性が園田真理になってたような記憶があるんだけど、今作では序盤から終盤まで、心の弱さもみせながら男心をくすぐってくるのマジでなんなの?
自分の弱さを露呈している中で、たっくんの弱音から良い仲になるの母性ありすぎて、さすが草加の母になってくれるかもしれなかった女性で草なんだわ。

たっくんとまりちゃん、二人の仲は恋人通り越して家族感があったけど、そこに依存的なものも加わってぐちゃぐちゃになってる。

海堂がたっくんにヤらせなかったのが悪いという旨を発言してたけど、当時腰が引けてたのはたっくんのほうだと思うんだ。人間とオルフェノクの寿命が違う件もあって逃げてしまったのが前回で、本音を言えたのが今回。
まりちゃんとしては、たっくんから自分に対して執着してくれれば、今回のようにいつでも応じてくれた気がする。

たっくんが戻ってこなくて、草加で妥協しそうな雰囲気になってるのは無駄にリアル。でも、ちゃんと待っていてくれた。

少年時代の自分にNTRを経験させた木場さんの元カノの件があるので、結果として木場さんのコトを好きだったまりちゃんが同じ行動を取らなくてよかった。描写されていない空白の数年間で葛藤は色々あったと思うけど、たっくんを忘れるために……という一線を超える行為がなかったことに、視聴者としては安心するばかりである。

オルフェノク形態が遺伝子レベルでたっくんと相性が良さそうなのも、とってもお似合いでよいですね。

まりちゃんがJ太郎を守る描写が頻繁にあるけど、あんな良い女性に守られて育ってしまったらJ太郎の性癖が歪んでしまいそう。

映画のあとに芳賀優里亜さんのインスタに飛んで、プロフィールに「子育て中心」とか書いてあったのには自分の性癖が歪みそうだが。
これが人妻の魅力……私の母になってくれる……

ただし獣姦、テメーは駄目だ。
子供に配慮する形でああなったと思うんだけど、それは別の性癖の扉ぞ。一緒に観に行った子供がアレで性に目覚めたら親は絶望するんだわ。

J太郎

他人なのに、こんな魂レベルで親族にしか見えない配役とかあります???
見た目でも性格でもK太郎の遺伝子引き継ぎすぎ。
あまりにハマり役すぎる。

K太郎に姿が重なりすぎて泣いちゃった。

草加

放送当時の時代っぽいクソダサシャツを着ているの、年齢考えたら気持ち悪るすぎて泣いちゃった。
あんだけ良いキャラなので出したいのはわかるけど、色々設定の犠牲になりすぎててネタ枠すぎるんだわ。

サイボーグなのにあの気持ち悪さ、手をふきふき、安定のスマイル。
人格をプログラムしたのか、変な細胞を採取して植え込まれているのか。

μ's

悔しいけど好きって純情。たっくんに執着してまりちゃんのオルフェノクの記号を活性化させるあたりのドロドロは好き。
ストーリー的に出番があった理由はよくわかるんだけど、性癖に刺さらなかったせいで主役級に出番があった割に感想がない。

δ

本編で三原がどうなったか、本気で思い出せなかったので、まあ彼女と一緒に引退したんだろうなと脳内解釈して見てた。
あまりに攻撃的な人が変身者なので、デルタとの相性が良いけど悪い状態な気がするんだけど、このあたりの設定はどうなったのか。

スネークオルフェノク

海堂、オマエがナンバーワンだ。
ノーダメージのデニムジャケットを着た姿が素敵すぎる。
子供の頃、長田さんが彼に惚れる理由が心底分からなかったんだけど、おっさんになってみるとマジで海堂かっこいいんだわ。
K太郎はクリーニング店で何人も穀潰しを養う甲斐性みせてたけど、2号店をラーメン屋にして繁盛させる彼もまた甲斐性ありすぎの良い男だ。

たっくんが砂サラサラしてたのに、何もそんな兆候がないスネークオルフェノクって完成されすぎてますわ。

おわりに

不自然な設定とかご都合主義とか、時間の経過をぼかしすぎて逆におかしくなってるとか、新規の玩具を売る気あるのかネクストカイザ存在感なく爆散したぞとか、ドラゴンオルフェノクが見たいのにサイコロステーキ先輩かよとか、速水もこみち登場しないやん冴子さんとチャコと村上社長もだしてくれよとか、そういうのを気にしなければ懐かしのファイズらしい空気感に満足できる作品。

K太郎がいない? 大丈夫、J太郎がいるので本当に大丈夫だよ!

――ただ、子供向けの楔を振り切っているので、オタク気質ではない人間が懐かしくて子供と一緒に「お父さんが子供の頃の仮面ライダーだよ」をやると無事死亡する作品なので注意は必要だと思います。

以上、PG12という表記は伊達ではない作品でした。

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