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人を縛る素敵な言葉の話


あいさつ

 久しぶりです。2024年から高校二年生三学期ということで、さすがに勉強しなければとか小説やnoteを我慢しなきゃとか思ってたら記事を更新する時間が取れなくて、現在1月19日金曜日23時、ようやくnoteに手を付けることができました。

 小説を我慢していた、とはいえめちゃめちゃ勉強していたわけでもなく、普通にアニメや漫画で創作のインプットやってました。小説よりもお手軽ですし。

 インプット期間で『やがて君になる』を視聴しました。漫画は中学時代に読み終わり、アニメも最近全話見終えたところです。あまりにも良かった……アニメの絵も原作寄りで百合のシーンはアニメならではの演出などで深みが増しててしかもあの背景の描き込みが丁寧で……(早口)と、まあここまで読まれた方ならおわかりかと思いますが、今回は『やがて君になる』の感想です。漫画読んだときは「この作品良いなあ」ぐらいの気持ちだったんですけど、アニメ見たらその愛が再燃するどころか、ぼうぼうと燃え上がってしまったので、今のうちに大量の薪を感想(というよりも、刺さったセリフの話かな)にかえていけたらと思ってます。

 あらすじは省くので、アニメか漫画のどちらかを視聴済みであることを推奨します。

 (*以下ネタバレあり)


感想、散文

 『やがて君になる』は登場人物全員クソ重感情を抱いてる凄まじい百合なんですけど、僕は特に七海の思考がめちゃめちゃ心に刺さったんですよね。

「『こういうあなたが好き』って「こうじゃなくなったら好きじゃなくなる」ってことでしょ?『好き』は人を束縛する言葉」(漫画第二巻より)

 この時点で僕は「こいつ、七海、はっはっは、めんどくせー女だぜ」となってしまいましたが、まあ七海の人生を振り返れば、七海がそうなってしまうのは仕方がないことだと思いますね。七海は亡くした姉を目指しているから、弱い自分も好きになってほしくないし、姉として振る舞う自分も好きになってほしくないっていう複雑で重すぎる感情を抱いてるんです。

 な の に!!!!!!七海は主人公の小糸に対して「好きだよ」と普通に言っちゃうんですよね……自分は『好き』に縛られたくないくせに、『特別』がわからない小糸はそのままにしておきたいっていうクソ重面倒感情を抱いてる七海先輩、最高でした。小糸が振り回されてるのは生徒会の仕事だけじゃなくて、こういう感情面も七海の思い通り(さすがに小糸可哀想だな)。

 七海は紆余曲折経て、終盤で『好き』は人を縛る言葉じゃないことに気づくんですが、僕はどうしても、かつての七海の思考に囚われたままなんですよね。この漫画を読むまでは『好き』は束縛の言葉であるなんてこと、考えもしなかったので、七海の思考を見たときは衝撃が強くて、それが今でも僕の中に残ってて、僕だけが二巻に取り残されたままです。

 『特別』を知ってしまった小糸のことを七海が好きでいられたのは、たまたま七海にとって大丈夫な変化だっただけなのだと僕はずっと思ってて、まあ、物語だからキャラが納得してるならそれで筋は通るし良いと思うんですけど、これを僕の人生に置き換えた場合、僕は好きな人の変化に耐えられるのかな、って。僕の好きな人は落ち着いた人間なんですけど、そんな人がある日突然バチクソ陽キャになったら、僕は受け入れられないと思います。そもそも陽キャ苦手なので……(誤解される前に補足しておくと、僕の好きな人は陰キャではなく、あくまで陽も陰も関われる中立型です。それが陽に偏った性格に変わったら僕はきっと受け入れられないって話です)

 だから人を縛る言葉かどうかって話は七海と小糸の場合は解決したけど、『やがて君になる』の読者の一部は(少なくとも僕は)最終巻を読み終えた今でも、二巻の七海に取り残されたままなんですよね。七海、マジで罪な女だぜ……



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