『乱気流/タービュランス』午後ローを予習する。

 本日の午後ローは『乱気流/タービュランス』。一九九七年の作品。
 本作をはじめて観たのは試写会だった。当時の僕は大学生で金もなく、あちこちの試写会に応募することで映画をそれなりに観ていた。えり好みはできないので、あまり興味のない映画もたくさん観た。申し訳ない。
 本作はそんな中の一本だった。途中までは航空パニックものだと思って観ていたのだが、話が進むにつれて、これはどうもレイ・リオッタを前面に押し出した映画のように思えてきて、笑いながら観ていた記憶がある。
 そのちょっと前にレイ・リオッタの『不法侵入』を観ていたせいもあって、なんかこうお笑いでいう天丼のような感じで面白くなってしまったのだ。もちろん本作が意図したのとは別の楽しみ方だとは思うのだけれど。
 そんなレイ・リオッタさんも先日急逝。『フィールド・オブ・ドリームス』や『グッドフェローズ』のイメージが強いが、個人的には本作や『アイデンティティー』での正体を隠していたが、突然変貌しぶち切れるサイコパスの印象が強く残っている。
 さて、以下は本作のあらすじ。
 クリスマスイブ、主人公テリー・ハロランが客室乗務員を務めるトランスコンチネンタル47便に、ロサンゼルスの刑務所へ護送途中の凶悪犯ライアンとスタッブスを連れたFBI捜査官らが搭乗する。そして機内食の配膳中に、スタッブスが銃を奪い発砲。銃撃戦の末、多数の死者が出ることに。機長および副操縦士を失い、自動操縦で飛び続ける機内で、残されたテリーとライアンとの死闘が繰り広げられる。乱気流による激しい揺れも重なり、制御不能となった飛行機を、主人公は無事に着陸させられるのか。
 主役のテリーを演じるのはローレン・ホリー。レイ・リオッタの犯人役に負けじと頑張ってしまったせいか、こちらもかなりの怪演ぶり。『ドラゴン/ブルース・リー物語』や『ジム・キャリーはMr.ダマー』は観ていた記憶。
 他には『炎のランナー』のベン・クロスや『トータルリコール』のレイチェル・ティコティンといったキャストが目を引く。
 世間的な評判はたぶん、そこまで良くない。おそらく悪い。しかし高濃度のレイ・リオッタ成分を摂取できる映画としては良作ではないだろうか。
 面白いと思うけどなあ。

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