『レオン』午後ローを予習する。

  初めてこの作品を見たのは、大学生の頃だった。当時はレンタルビデオ店が数多くあった。駅近くでざっと数えても三店舗ぐらいはあったはず。雑居ビルの二階にある店には、階段を上ったところにいつも『グラン・ブルー』のポスターが飾られていた。僕も映画サークルにこそ入ってはいなかったが、雑誌などを通じてリュック・ベッソンの人気は知っていたし『グラン・ブルー』も好きだった。映画館に観に行くほどの熱意や金銭的余裕はなかったが、レンタル店に並べばすぐに借りるぐらいには好きだった。そんな経緯で『レオン』を観た記憶がある。
 そして初見でボロ泣きした。エンディングのシーンとバックに流れる『Shape of My Heart』がいつまでも頭から離れず、暗いアパートの一室で数日間はぼんやり過ごしていた。そのぐらいショックな映画だった。
 そんなわけで本日の午後ローはそんな思い出がまざまざと蘇る『レオン』でございます。一九九四年の作品。
 ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、ゲイリー・オールドマンといった今や押しも押されもせぬ名優たちが、その魅力をこれでもかというぐらい静かに魅せる。ダニー・アイエロも人の良さそうでいて、どこか打算的なトニー役が本当にはまっていた。
 その後も、何度か観たが、そのたびにぐっと来てしまう。レオンとマチルダと観葉植物というシンプルな絵がそれだけでこちらになにかを訴えかける。そんな風に勝手に受け取っていたなあ。
 とりとめのない文章になったが、とにかく当時の人気はすごかったし、いまだにマイライフ映画ベスト10とか人に聞くと、入っていることも多いと思う。そんな映画だったよね。


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