『L.A.ギャングストーリー』午後ローを予習するついでに暴力。

 本日の午後ローは『L.A.ギャングストーリー』。二〇一二年の作品。
 四〇〜五〇年代のロサンゼルスを舞台に、ギャング組織と彼らを壊滅させようと暗躍する秘密警察部隊との抗争を描く。と書くと名作『アンタッチャブル』を連想されるだろうが、監督は『ゾンビランド』で有名なルーベン・フライシャー。オールスターキャストに引きずられることなく、スタイリッシュでテンポよく過剰な暴力をスクリーン上に展開し、観る者を飽きさせないつくりになっている。まあそのぶん、重厚なドラマや落ち着いた役者の演技や演出などを期待していたお客さんには軽すぎるように思えるかも知れない。
 でもわしは好き。
 しかしあんだけやっておいて、実話から着想を得ているってのは無理があると思うぜ、ルーベン。
 キャストはとにかく豪華のひと言につきる。
 ギャングの親玉はショーン・ペン。こいつがちょっと笑ってしまうぐらい大げさな悪役で、いきなり人を八つ裂きの刑にしたりするのでこれはやっつけないとダメだろと子どもでもわかる仕組みになっている。そんな悪に立ち向かうべくニック・ノルティ演じる市警本部長が非合法の組織を結成するようジョシュ・ブローリンに命じるんだけど、これがまた後先って言葉を戦場に忘れてきたのかってぐらい猪突猛進タイプで、しかも彼には身重の妻がいて、彼女が引き止めるかと思いきやけっこうノリノリでチームメンバーの選考を手伝ったりするんでオイオイとこちらが止めたくなるぐらい。その選考理由も、普通の警官はほとんどギャングに買収されているので、逆に問題児ばかりを集めるという良いんだか悪いんだかよくわからない方式。それも凄腕ガンマンとか投げナイフの達人とか諜報のプロとかやばい連中ばかりで、まるで荒野の七人のようなノリでメンバーが揃っていく。
 その面子が、ロバート・パトリック、アンソニー・マッキー、ジョバンニ・リビシというそうそうたる並び。そこにギャングの親玉の情婦であるエマ・ストーンとこっそりつきあっているライアン・ゴズリングや、なんだかわかんないけどマイケル・ペーニャが加わるよ。最高だね。
 そんな感じで、個人的にはおすすめ。
 

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