『ザ・ガンマン』午後ローを予習する。

 ショーン・ペンはつくづく不思議な俳優だと思う。俳優業、監督業を営む一家の中に生まれ、子役から経歴スタート、キャリアに恵まれ代表作多数、アカデミー賞の常連、マドンナの元夫、監督としても有能。
 完璧じゃあないっすか。
 まあ、外からプロフィールを眺めていると、そう思えるだけなのかも知れない。壮絶な苦悩や努力を経ているのだとしたら、安易に賞賛などできないのかも知れない。しかし不思議だよなあと思う。
 いや、なにがってわけではないんだけど、不思議なのだ。不思議ちゃんなのだ。いや、不思議ちゃんではない。不思議な存在なのだ。
 個人的な思惑は置いといて、本日の午後ローは『ザ・ガンマン』。
 二〇一五年の作品。未見。分類としてはアクションスリラーだろうか。
 元特殊部隊員にして最強の暗殺者という主人公をショーン・ペンが演じる。予告を見たが、けっこう激しいアクションもこなしていた。やるなあ。
 共演はハビエル・バルデムにイドリス・エルバ。渋い。好き。
 監督は『アルティメット』や『96時間』のピエール・モレル。安定安心のアクション映画になりそうな布陣じゃないすかね。
 しかし、先々週の『アメリカン・アサシン』の時にも書いたけれど、この手の映画の市場って、かなり飽和状態にあるのではないだろうか。けっこうなキャリアの俳優たちが、激しめのアクション映画に挑戦し、タフな男を演じる。元CIAとか元特殊部隊とか元海兵隊とかで、その筋では知らない者のいない凄腕のエージェントだったり暗殺者だったりで、みたいな。そうなると有名俳優を起用したぐらいでは、なかなか観客に響かないのでは、などと心配すらしてしまう。僕はショーン・ペンが心配です。
 そんな親心を抱きつつ、本作を楽しみにしようかな。


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