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テスター・QAのキャリア

前回はテスターやQA職に出会うパターンをお話ししました。
今回はそういった職種についた後、どのようなキャリアに展開していくことが多いのかご紹介しようと思います。

他職種への転向とQA組織内でのキャリアアップとそれぞれ軸があると思いますが、まずはQA内キャリアから。

まずはQA・テストリーダー

リーダーシップを磨くか、専門性を伸ばすか。ソフトウェアテストの職種に限ったことでは無いかもしれませんが、大きく分けて、マネジメント中心の業務へ行くか、専門性を追求した業務へ行くかの2つになると思っています。職種名でいうと、テストエンジニアかQAマネージャーになるか、といった感じです。

とはいえ、どちらに進むにしてもまずは、プロダクト単位でのQAリーダーを経験することになるでしょう。

専門分野にいくにしてもマネジメントをするにしても、プロダクトのQAサイクルというものを知る必要性が高いためです。

QAサイクルというのは、簡単に言えば、QAチームの結成から、QAフローの策定、リリース前QA、アップデート対応などの運用QAといった一連の場面場面に合わせたQAの流れのことです。

マネジメントの人数規模としては、3~10人くらいを任されることが多いかと思います。大規模のプロジェクトになると、100人近くを2〜3人のリーダーでマネジメントするみたいなパターンもあるようです。

こうしてQAリーダーをする中で、どういったスタンスでプロダクトに貢献するかで、なんとなーくその後のキャリアも見えてくることが多いです。
例えば、テストを進める中で、エンジニア、プランナー、PMと主にコミュニケーションを取るのですが、どの職種と綿密に連携を取りながら進めるか、みたいなところでテストのアプローチに個性が出てくるといった感じです。

とりあえず、QAマネージャー

前段でキャリアの方向性は大きく分けて2つといいましたが、その内ほとんどがQAマネージャー方面に流れると思います。

その理由を簡単にまとめると、以下に3つになりそう。

なぜQAマネージャー方面が多くなるのか
1. テストエンジニアのポジションがそもそも無い
(日本のテストは手動でやるのがメインの会社がほとんど)
2. エンジニア経験無しで、テストエンジニアになるのにハードルが高い
(教育コストが高い、教えることが出来る人もなかなかいない)
3. 循環論法的になってしまうが、ほとんどの上司となる存在がQAマネージャーのため、そっちのコースのほうが分かりやすい

テストエンジニアになるには
QAになるまでにすでにエンジニア経験やスキルが付いている人は、テスト自動化にどんどん挑戦していけば、テストエンジニアとして周囲にも認められるようになってくるかと思います。
逆にQAになってから、プログラミングもするテストエンジニアになろうと思うとちょっと大変です。先輩社員などにすでにテストエンジニアの人がいれば、その人についていって、その人のできることをひとつでも多くやっていけばいいと思います。
ロールモデルが無い場合は、しょぼくてもいいから、とにかくselenium書いてみたり、rspec書くの手伝ったり、各種テストツール(負荷テスト、自動化、コードの静的解析などなど)使ったりして、とにかくQAの幅を広げてみるのがよいと思っています。特に最新のテストツールを知っていることは重要で自分の手を動かさなくても、テストエンジニアリングが捗ることがあります。

その先は…?

ここから先は、各々の得意分野や方向性次第…という曖昧な回答になってしまいます。
そもそもQAから会社にインパクトを与える成果というのが、出しにくいという現状もあったりします。
いくらQAからプロダクトに貢献しても、プロデューサーとかのほうに貢献度がいきがちなのですよね。
中には、QAとして社内のプロダクト品質向上を一手に引き受け、部署を拡大し、部長や役員になる人もいたり、QAの経験から開発の工程を把握していることを武器にスクラムマスターやプロマネに転身する人もいたりします。
QAの経験をどのくらい積んだら、そういうようなキャリアステップになるか、と明確な基準はいいにくく、会社次第となってしまう面もあります。
あとは、QAは会社の財政状況にも左右されやすかったり(予算が足りないときにテスト工数が削られることは頻繁)、成果の基準が会社によりまちまちなので、ジョブホップで給料をあげていくベテランもいたりします。


キャリアステップは人それぞれで、ここに当てはまらないケースももちろんあると思いますが、まずは分かりやすいように一般的なパターンとしてのご紹介でした。こんな面白いキャリアを歩んでいるよ、とか知っていたらぜひ教えてください!
QA職のキャリアの幅が今後さらに広がればなーと願っております。

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