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雑用力

 新年度に入り一ヶ月が経ちました。ゴールデンウィークは、アフターコロナでどの行楽地も賑わっていますね。
 私は、部屋の畳が古くなったので張替えを行い、ついでに不用品の処分もやろうと部屋を整理しました。その時に、以前に勤めていた会社でお世話になった方から言われたことを書留めたメモが出てきました。

 ある時期、庶務的なことや雑多なこと、訳の分からないことがとりあえず何でも回って来る役回りだったことがあります。「雑用ばかりで耐えられない。」、「担当は明確に自分とはなっていないのに、なぜ自分が拾わなくていけないのか。」、「やり方も分からない。」という様なことを不満として抱えていました。「三歩進んで五歩下がる」ような日々の連続で精神的にもキツかった。そういう時に電話で相談したと記憶しています。
 メモには書いてあったのは、「雑用は、色んな事象の集合体です。トラブルや障害対応も然り。喜んで首を突っ込むことです。そこでどう対処したか、それが自分が将来意思決定を行う立場になったときの軸になります。雑用を経験していない人は、そのような軸がない、決断ができないというようなことに為りかねない。」ということでした。

 前列がないこと、利害関係者が多くて複雑なこと、面倒ごと、厄介ごと、さらにそうした事象が複数同時もしくは連続発生した場合に、どう対処できるでしょうか。優先順位はどれも1位といったような状況でどう判断し、決断するか。
 雑用やこぼれ球というのは、そもそも単純に割り振れず、誰がやるのか知らないけど、誰かやらないといけないという性質のものだったりします。組織にとっての重要ごとも経営戦略や日々の業績だけでなく、こういった表に出ない事象をどう処理していくかであり、雑用やトラブル対応はその相似形ではないでしょうか。
 これらのことは、地味で評価されにくい気がしますし、損な役回りにも思えますが、経営者になる上で最も必要な経験=修羅場への近道であり、雑用力を身につけることは、組織人としての総合力を磨くことに他ならないと、昔のメモ書きを見て改めて思いました。

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