子供の頃は人気者の家に自転車がたくさん停まっていた

子供の時、人気のある友達の家にの前にはたくさん自転車が停まっていて、その自転車の種類で誰が居るかだいたいわかりましたよね。

そして、たまにそこに止まってる自転車を見て子供時代の勢力図の推移を見たりもしました。

「△△くんの家に、〇〇くんの自転車止まってる!
と言うことは、△△派閥と〇〇派閥が合体して一大勢力に!?」

みたいな。
「これは明日から学校揺れるぞ」みたいな。
あの頃はそんなスケールの小さい世界が全てだと思って必死に生きていたもんですけど。

やっぱり今の子供も、家の前に自転車止まってることがある種のステータスだったりするんですかね。
友達がいる証拠というか。

さらに、〇〇ちゃんの自転車と××ちゃんの自転車が停まってるということは、クラスの権力者2人を掌握しているからだいぶ強者とか。

その町のリーダー格の子供7人衆の自転車が全て揃ってるとかは、もうその光景だけでうまい棒何本でもいけたりするのかも。

ここにビジネスの匂いがする。

ズバリ、「君のお家の前に、人気者の自転車置いてあげるよサービス」だ。

人気者の〇〇君の自転車を家の前に置くことによって、

「ちょっと待て!あの、誰とも遊んでるところを見たことない陰気田の家の前に〇〇君の自転車があるぞ!」
「どうゆうこと!?どうゆうこと!?」
「どうゆうことかわからんけど、陰気田と〇〇君が友達となったら、一気に陰気田のランクが急上昇して、その分我々のランクが落ちてしまうことに」
「これは、我々もうかうかしてられんぞ」

みたいに、桐島部活辞めるってよ的に波紋が広がって、人間関係が少しずつ変わっていきそう。
「陰気田の家の前に自転車止まってるってよ」である。

自転車を停めてるだけで、他のクラスメイトに牽制できるし、自分も家の前に人気者の自転車が停まっているところなんて普通見られないから、その自転車と家の前で記念写真とかも撮ると思う。
(その撮影代もビジネスになるかも」

あとは人気者たちの自転車の調達だけだ。

これは、リーダー格っぽい子から直接借りればいい。
小学生なんて、
「新しい輪ゴムの飛ばし方教えてあげる」
だけで、なんでもしてくれる。

オリジナルの輪ゴム飛ばしさえ編み出したら、もう入れ食いだ。
ダメ押しで、綺麗な形の石でも握らせとけばもうなんでもしてくれる。

さらに子供たちに、その地域で誰がどれくらい偉いのか聞き、
SSS、SS、S、A、B、C、底辺
のランクに分け、借りた自転車にそれぞれそのランクを照らし合わせ
「人気者自転車カタログ」を作る。

それで、なるべく友達いなさそうな子供を公園に集めて、

「これからの時代、どれだけ家の前に自転車を停められるかがステータスになる」

と大演説だ。
大人の本気の演説で子供たちに
「自転車が停まってることこそ全て」
という価値観を植え付ける。

そこで、
「実はここだけの話、その自転車が金で買えるとしたら?」
と持ちかけ

「そんなことできるんですか?」
と来たところに、

人気者自転車カタログどーん!!!

「こ、これは、、!!クラス1足が速い俊山君の自転車!いや、ここには、64色の色鉛筆を使ってる二階堂さんの自転車も!」

「どうだい?これはまだSランク、さらにこっちのページには、SSSも…」

「…。」

「あとは、きみ次第だ。」

「…いくらですか!?」

チェックメイト。

勝ち確である。

子供相手の「家の前に人気者の自転車置いてあげるよサービス」は、今後間違いなく来るはず。

このビジネスモデルを確立して、この街にネバーランドを作りたい。

わかってます。
多分やばいこと言ってることくらいは。

#エッセイ #コラム #少年時代


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