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今、注目されている「経営分析5つのキーワード」②

2.ROE(自己資本利益率)とは何か?

(1)用語の説明
自己資本利益率(ROE)はリターンオンエクイティの略語で収益性分析(資本収益性)の代表的な財務指標です。自己資本(純資産)に対する当期純利益の比率を算出することで株主から預かった資本の利回りとしての収益性が高いか低いかを分析し、投資対効果の観点から経営効率の問題点を調べることを目的とします。
 
【ROEの計算方法】
当期純利益÷自己資本(純資産)×100%
※当期純利益=会社の最終利益
 
【具体例】
自己資本(純資産)1億円、当期純利益1千万円の会社の自己資本利益率(ROE)
当期純利益1千万円÷自己資本(純資産)1億円×100%=10%

【目安】
10%以上なら良好です。
※日本の上場会社の平均が約10%程度の水準


(2)注目されている背景
ROE(自己資本利益率)が高いということは、限られた自己資本(純資産)を効率的に運用しながら、利益を生み出していることを意味します。
東証は、プライム市場の約半数がROE8%未満かつPBR(株価純資産倍率)1倍未満という状況を問題視しています。
PBRが1倍を超えるには、株主資本コスト(投資家が期待するリターン)を上回るROEを実現する必要があるためです。
ROEを向上させるのは難しいのが現実ですが、東証では「増配」や「自社株買い」などの株主還元の強化を注目しています。

(3)留意ポイント
ROE は、次の3つの要素に分解することができます。
この3つの要素で分解することを「デュポンシステム」と呼んでいます。
 
・売上高当期純利益率     =当期純利益÷売上高
・総資産回転率(総資本回転率)=売上高÷総資産(総資本)
・財務レバレッジ       =総資産(総資本)÷株主資本
 
よって、ROE=売上高純利益率×総資産回転率×財務レバレッジとなります。
上記の3つの要素となる数字を改善すればROEも向上するという考え方です。


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