【DTMクラシック】フンメル/序奏と華麗なロンド 変ロ長調,Op.98

フンメル/序奏とロシア民謡のテーマによる華麗なロンド 変ロ長調,Op.98

華麗なロンド 変ロ長調 Op. 98は 1824 年にウィーンで出版され、出版社のピータースに宛てた手紙の中で、フンメルは「私の最も素晴らしい作品の1つであり、恐ろしいほど難しいものではありません」と述べています。
この曲は1822 年のロシア 旅行のために作曲され、サンクトペテルブルクの「ペロフスカ夫人、旧姓ゴルチャコフ王女」に捧げられました。 この訪問の際には、ロンドンで共にクレメンティに師事していた旧知のジョン・フィールドと連弾したり、フィールドのノクターンに感銘を受けたりしています。一方のフィールドもフンメルのウィーンの香りがする煌びやかな装飾や技巧的な二重トリル等に驚いたそうです。
またフンメルは1828年にワルシァワで4回ほど演奏会を開催し、ショパンにも会ってますが、その際にも演奏された曲の一つとされています。

変ロ長調とト短調をゆらゆら行き来する哀愁を帯びた幻想曲的序奏は、賛美歌の伴奏を伴ったオーボエ独奏が奏でる悲しげで非常にスラブ的なテーマが印象的です。続いてピアノの即興性あふれる長いカンタービレのソロに続きます。

軽快なポラッカ風の第一主題からロンドの主要テーマである「素晴らしきラズベリーの収穫」というロシア民謡(第二主題)につながっていきます、軍隊的な性格の全奏部をはさみながら展開部へ。
この展開部は短調のテーマから民謡のメロディーを変形させながら、ピアノと木管楽器のかけあいが続く美しい部分です。

ショパンの教育用教材としてもこの曲は使われていたそうです。確かにショパンの初期の協奏曲作品に影響したであろう部分が沢山あります。そして弟子の女性作曲家・ファランクらもよく演奏していたそうです。


録音された演奏は数が少なく、ブルメンタール、プラハ室内管のLPが長らくの愛聴盤でした。1970年の録音でメインはラフマニノフの協奏曲でした。
https://ml.naxos.jp/work/138919
フェリシア・ブルメンタール (ピアノ) /プラハ室内管弦楽団 /ヘルムート・フロシャウア(指揮)

そして現在の代表的なものはハワード・シェリー(ピアノと指揮)とロンドン・モーツァルト・プレイヤーズの演奏でしょう。
https://amazon.co.jp/music/player/albums/B09NLYP89Q?marketplaceId=A1VC38T7YXB528&musicTerritory=JP&ref=dm_sh_wvnxAGl8Zde8BpBBhHLajcX33

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Introduction and Rondo Brillant on a Russian Folk Theme in B-flat,Op.98
Solo: piano
Orchestra: flute, 2 oboes, 2 clarinets (B♭), 2 bassoons,2 horns (B♭), 2 trumpets (B♭), timpani, strings
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:SSW10 Lite & Music Pro for Windows V5
Sounds:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA5
The portrait of Hummel in the thumbnail was drawn using generative AI.

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