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【映画】百瀬、こっちを向いて。

TSUTAYAプレミアム視聴三本目。

……三日続けて映画観るなんて、人生初。


あまり邦画は観ない方なのですが、この作品は、いつか観たいと思っていました。

この映画を知ったのは、この歌から。

私、主題歌を歌っているWEAVERのファンなのです。

WEAVERを知ったのは、多分5~6年前。ほとんどの曲が好きだけど、この曲を初めて聴いた時には、泣きたくなるくらい心に沁みた……。

すでに映画の公開から数年たっており、残念だなあと思いながらも、結局観ないまま時は過ぎ。

どんなストーリーなのかと、MVをベビーローテーションしながら、妄想を膨らませておりました。

……こういうのが私の「らしい」ところで、DVDを観るか、原作を読むかすればいいのに、自分の中で勝手に膨らませて楽しんだりします。

そんな作品が、このたび観られることになった!

今回は、内容の予習もせず、レビューも読まずに視聴しました。

余計な知識を入れずに観たかった。

「これは、予習してから観たら後悔するやつだ」と、なんとなく思ったのと、「面白くなくても、最後まで絶対に観る!」と心に決めていたのが理由。

どんなにつまらなくても最後まで観て、その上で、エンドロールでこの曲を聴くのだと。

今回は、「ストーリー後に主題歌を聴き、全てが消えるまでが映画!」の息込みです。映画の主題歌として、この曲を聴きたい。

「大人になってから振り返る、高校生の頃の話」なので、リアルタイムのフレッシュな高校生感は少ないかも。元気でエネルギーに満ち溢れる高校生の話ではない。

今の高校生がどんな感じなのか、知らんけど。

でも、高校生って、このくらいには大人なのかも知れない。


全編通じて、台詞がいい。すごく言葉の深さが感じられる。凝った言い回しや決め台詞ではないけど、普通の言葉だけど、すごくいい。

一番好きなのは、終盤の、相原の「もう嘘はつかない」っていう台詞。彼の、素直で真っ直ぐな心が、全部詰めこまれてる。

……百瀬、酌んでやってくれ……!

相原が放置自転車を将棋倒しにしてしまって、途方にくれている時に、突然現れるクラスメイトの田辺くん。相変わらず、サエないくんなのだけど、「コイツ、天使か……!」となりました。サエなくて、ニコニコしてる。ドーナツを頬張りながら、相原を慰めるでもなく、「自分が思うこと」をのほほーんと話す。

彼の台詞がね、全部いいの。

どんなふうに育ったら、こんないい子になるのかな? 親御さんに、お会いしたい。

失意の底にいるときに、神様が遣わしてくださる天使です。

ラストシーンでは、大人になった相原が、ひとりの女性とすれ違ったあと、笑顔になって、また歩き出す。

そして、【こっちを向いてよ】。

もしかしたら、曲が全部終わったあとに、何かしらのエピソードがあるかもしれない。

「こっちを向いて」と懇願したあと、百瀬の後頭部を映したまま暗転した、あの場面の続きか。

笑顔を見せたあと、歩きだした相原のその後か。

……何でもいい、知りたい。




そのまま、映画は終わりました。

ああ、ここで終わっちゃうのか。

でも、人生そういうものかも。何でも都合よく、ドラマチックではないよね。

人生の中の、ワンエピソード。

観終わってから、映画のレビューを読んでみました。

あまり評価は高くなかったです。

感想の中によく見かけたのは、「神林先輩のホオズキに、ゾッした」「ホオズキのエピソードが怖い」というもの。

……私には、特に意外でもなかった。

花言葉の登場がかなり唐突な印象で、「ああフラグだな」と思っていたので。

それに、私自身が神林先輩みたいなことをするタイプ。

「あー、どうせこの男、こんなことしたって気がつかないんだけどね」と思いながら、やる。

逆に言えば、気がつくような男なら、する必要はない。

結局、宮崎は気がつかない。(映画の中で描かれないどこかでは、気がついているんだろうか? それだとストーリーの印象が、かなり変わる)

神林先輩の「ひみつね」は、なかなかキタ。やりおるな、お主。あー。オンナだな〜……。

ホオズキの件はやってしまうかもだけど、多分私は、「気がつかない」男とは、付き合い続けられない。結婚なんてとんでもない。だから、神林先輩の気持ちというのは理解できない。……それでも別れられないくらい好きってことかな……。

もしかしたら、百瀬への手紙を書いたあと、彼は変わったのかもしれないけど。


「恋愛は恐ろしいよ。気が狂うような事が起こっても仕方がないような“特別な出来事”なんだ」


って、映画の中で、語られてた。


年齢を重ねた今でも、わからないことばかりです。

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