昨年、車を新調した。

そのときに、「この車にはドラレコつけるから」とダンナが言ったのだけれど、装備されないまま、気がつくと1年以上が過ぎていた。（単に、ドラレコにまわす予算がないのだろう）

当の私はと言えば、街乗りでしか使用しないので、特に欲しいとは思っていなかった。

しかし、煽り運転だとか、悪質な違反とか……わりと怖すぎる昨今。ビビりな私は、多分そういう目に遭ったら、大パニックを起こして事故るとしか思えない。

さらに今年は「交通事故に注意」と、再三、西企画からおふれが出ている。防犯アイテムとして、防犯カメラやドライブレコーダーが推されてもいる。防犯カメラはあるから、やっぱりドラレコは手に入れるべきか……？　と思っていたら、とんでもなく怖い煽り運転を情報番組で見てしまい、「土用前に買おう！」と決意した、夏土用直前。

土用中は「いつも以上に気をつけるように」とのことなので、土用の交通安全対策として買っていいはず！　自分や同乗者を守るための対策としては、あったほうがいいので、この機会に自分の財布から購入することにした。家計費が回ってくるのを待っていては、いつまでも装備できない。

……多分、その頃すでに私はフライングで土用入りしていて、突然に浮き足立って行動力が上がるモードに入っていたのだと思う。

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先代の車は新車で購入したのだけれど、あちこち擦りまくり、極め付けは信じられない貰い事故。廃車にこそならなかったが、酷いありさまだった。後方から車線変更した車が、何故か私の車の助手席のドアを擦り、ドアミラーをぶち抜いて行ったのだ。今でも意味が分からない。

幸い車に乗っていたのは、運転手の私ひとりで、骨折などもなくムチウチですんだ。いや、ムチウチもつらいんだけど、入院せずにすんだのは良かった。タイミング悪く父が入院した翌日の出来事で、父が退院するまで、私はパソコンが使えない母の代わりに父の会社の事務を代行することになっていたのだ。

もちろん車は即レッカー。ディーラーに代車も用意してもらったが、首が回らないので運転できないことを考慮し、なんとか自力で歩いていける距離にある総合病院の整形外科を選んだ。

正直に言うと、整形外科のドクターは、あまり真剣に診てくれてる感じがしなくて不安だったのだけれど、物理療法士さんが本当に腕が良くていい人だったので、救われた。

近所にありながら一度も受診したことのない病院に、あのタイミングで通院することになって、結果的に良かった。

私のムチウチ通院中に、母の体調が悪くなり、その病院の脳神経外科へ担ぎ込んだこともある。さらに、物理療法士さん情報で、新しくできた小児科の医師がすごくいい先生だと聞いた直後に娘がインフルエンザ。受診してみたら、とてもいい先生だったので、娘の日常的なことに関しての主治医はそこに変えた。優しい女医さんで、思春期の娘が受診を嫌がらなくなったのが、ありがたい。

私は子供の頃から病院慣れしていて、基本的に「医者は医者」としか思っていないので、医師の性別にこだわりがない。「……男の先生じゃなくなって良かった」と娘が言うのを聞いて、「あ、嫌だったのか」と初めて知った。……親としては、医師の性別ではなく信頼度に重きを置いているのだけれど。

しかし、残念ながら娘がそろそろ小児科の年齢でなくなるので、その先生ともお別れが近い。娘よ、諦めてくれ。

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事故った車は、某所から「曰く付きだ」とのお墨付きもいただき、保険で修理したものの、初の車検を待たずに手放すことにした。

私はもともと、あまり運転が好きではなく上手でもなかったから、「あちこち擦るようになったのは、歳をとってきたからなんだな……」と思っていたのだが、違ったらしい。

これまで何度か自家用車を新車で購入したが、曰くつきの車にあたったことなどない。中古車に纏わる怪談は数々耳にするが、新車だから大丈夫だと思っていた。その思い込みが崩れ去った驚愕の出来事だった。

そうして車を買い替えてから一年ちょっとが過ぎたが、信じられないところでぶつけたり、擦ったりしたことは一度もない。未だ無傷。

……「曰くつき」って、怖いな。

しかし、どこにも擦らずにすんでいるのは、おそらく全方位モニターのおかげだろうと思っている。素晴らしい文明の利器の登場で、私の駐車テクニックは、さらにレベルを下げているに違いない。全方位モニターがない車を運転するのが怖い。

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購入するドライブレコーダーを決めて、取り付け作業をするダンナに確認してもらい、ポチったのが夏土用初日。土用に気をつけることとして、「大きな買い物は土用は避ける」というのがあるのだけれど、土用前から下調べなどしていて、購入が土用になっただけだということで良しとした。しかも、初日は間日だったので、さらにセーフ。

文明の利器・ドライブレコーダーの設置から1か月がすぎ、特に可もなく不可もなく。

怖い思いをすることもないが、ドラレコのおかげかどうかは、分からない。気になっているのは、ドラレコ搭載ステッカーを貼るつもりでいるのだけれど、気に入ったデザインが見つからないこと。

他の変化は、運転中のひとりごとが減ったこと。普通に運転していれば、ドラレコを検証することもおそらくないのだが、万が一のときに自分の意味不明なひとりごとが残っていたら恥ずかしいと思い、気をつけている。歌も歌わないように心がけている。

……愛車が、プライベートスペースじゃなくなってしまったような気がして、少し悲しい。