見出し画像

【座談会】『青春ヘラver.1~5』傑作選

2022年11月、大阪大学感傷マゾ研究会の発行する会誌『青春ヘラ』の5号目が刊行され、ナンバリング的にも折り返しとなりました。今回は、感傷マゾ研究会校正班の皆さんに集まってもらい、これまでに発行された会誌の中からおすすめの文章を各々紹介して貰おうという企画です。ページの最後にver.1~5までの記事をすべて挙げましたので、参考にしてください。
※この会話は『青春ヘラver.5「インターネット・ノスタルジー」』刊行後に行われたもの(というテイ)です。

↓会誌はこちらで買えます。

【ルール】
・参加者は大阪大学感傷マゾ研究会校正班の6名(ペシミ、カルテ、サボテン、枯葉、森野、風雪)。
・1周目はルーレットでランダムに順番を決め、2周目は逆順に回る。3周目はもう一度ルーレット。
・選ばれた1人目から好きな記事を挙げるドラフト制。既出の記事と自身の書いたものは選べない。

1巡目

ペシミ:さて、ルーレットで順番が決まりました。一巡目は、「風雪→森野→枯葉→ペシミ→カルテ→サボテン」の順です。まずは風雪さんから。
風雪:決まってるじゃないですか。「レンタル彼女体験記」(ペシミ/from ver.3「虚構と異常」)ですよ。最高傑作です。質感があって、拗らせた人間が架空の恋愛を体験した結果生まれた怪文書。読んでるこっちまで辛くなってくるのが良いと思います。
ペシミ:これイジられてるよね?(笑)。あの文章、今までで一番ササッと書いたのに一番読んでもらえて、僕としては複雑なんだけど(笑)

森野:僕は「イキリ大学生を叩こう!」(べっこう飴大魔神/from ver.3「虚構と異常」)でお願いします。ver.3のなかでも圧倒的に異常なタイトルで、内容も圧倒的に異常。エッセイという体裁でここまで斬新な表現ができるのがすごいし、言いたいことが分かりやすい。関西弁をそのまま書き起こしたみたいなスタイルも読んでて飽きない。べっこう飴大魔神は自分の文体を確立しつつあると思う。

枯葉:人気なものから取っていった方がいいってこと?それともただ自分の好きな記事を挙げればいい?
ペシミ:いや、好きなのを選んでもらえば。
枯葉:であれば、「『虚構でない青春』としての『異常な青春』─大学生の青春としての「変なサークル」の可能性─」(茂木響平/from ver.3「虚構と異常」)ですね。
ペシミ:うわっ、取られた。
枯葉:まず、文章がめっちゃ読みやすい。変なサークル文化の前提知識がなくてもスッと入ってくる。そして、実績があるからこその説得力が相まって、軽妙な文体と突飛な内容が巧く絡み合ってると思う。読んでて素直に面白い。
ペシミ:分かる。エピソードをパンチラインとして主張を織り交ぜるフリースタイルなんだよ、茂木さんの文章は。

ペシミ:僕が一巡目で挙げたいのは、「ナンバーガール◎感傷の渦、現前する青春」(レガスピ/from ver.2「音楽感傷」)かな。
サボテン:あ、それ校正担当したの覚えてる。
ペシミ:「ナンバーガール×青春・少女」というのが会誌テーマ的にも完璧だし、図解もありつつ丁寧にバンド活動の変遷を追った労作です。この文章が出た後にナンバガは復活を宣言したんだよね。一度ライブをやってもう解散しちゃったけど。それを経た今読み返すと、めちゃくちゃエモーショナルな論考になってますね。時代がこの文章に追いついてきた感じがある。

カルテ:私は、「ひとりでにリボン結びになった紐の痛みは計り知れない」(クツズレ・アシガ・チマミレー/from ver.5「インターネット・ノスタルジー」)ですね。校正を担当したから思い入れがあるのも理由のひとつだけど。感傷マゾの主体って男性目線のことが多いなかで、この小説は登場人物のほとんどが女性なんですよ。だから、女性目線の感傷マゾ的なモチーフってこういう風に映るんや、っていうのが素直に面白かった。93ページの“いいか、真琴。過去なんてモンは美化されるんだよ。時間が経つ度に思い出の角張った部分は削っちまって、本来とは全く別の都合のいい思い出に作り替えられる。”ってセリフに傷つけられました。第三者目線で読んでたら、いきなりこっちを刺してくるタイプの小説が好きです。

サボテン:僕はミーハーなので、「ガラケーでCメールがいいの」(べっこう飴大魔神/from ver.5「インターネット・ノスタルジー」)が好き。
風雪:ミーハーってなんだよ(笑)
サボテン:これは読んでて引き込まれますね。CCレモンを飲んでるような甘酸っぱい想い出を連打したかと思えば、唐突に温度が低くなる。スマホとガラケーの間を生きた、僕らみたいな人間にしか分からない文章なのもポイントが高いです。
ペシミ:良い感想だ。1周目で3分の2が出てくるべっこう飴大魔神って何者?
サボテン:こいつはやっぱ天才だよ。
枯葉:べっこう飴大魔神とペシミはミーハーっていう共通認識があるん?
ペシミ:僕とべっこう飴大魔神は、感傷マゾ界の尾田栄一郎と青山剛昌だから。
カルテ:おこがましすぎる。
サボテン:あんま褒めてる感じがしなくてすごい。

2巡目

ペシミ:じゃあ、2巡目は逆順なので、サボテンさんから。
サボテン:はい。「『言葉』に救われたいのに。――「青春の全体主義」概念の提唱」(竹馬春風/from ver.1「ぼくらの感傷マゾ」)です。言語化の鬼ですよね。感傷マゾ研究会の会誌初号に載るにふさわしい文章だし、これを読まないと始まらない。必読原稿ですね。
ペシミ:青春の全体主義ってワードもすごいよね。
サボテン:この後の会誌も、青春の全体主義を前提にした上で思考されている部分が大きいので、その意味で重要度は高いです。

カルテ:私はさっきの小説と同じver.5から、「どこかへ恋をしていたぼく」(夏凪/from ver.5「インターネット・ノスタルジー」)を選びます。理由が前と被るんですけど、インターネットに求める偶像が男性の場合もあることに気付かされた。男性目線の神様が「白いワンピースと麦わら帽子の少女」だとして、反転すると不健康そうで前髪の長い男の子になるんだと思って笑っちゃった。これがこの人にとってのヒーローなんだって。あと、76ページの“作品の中でヒロインと出会って知らない間に傷が溶けていくお兄さんをずるいと思った。”に大共感してしまいました。わっかるぅ~~。
ペシミ:カロリーメイトを常備して、むせながらタバコ吸ってて欲しい。この年齢でこの文章を書くのは才能の塊すぎて恐ろしいよ。

ペシミ:ということで、2巡目で僕が挙げるのは「異常性癖としてのメサイア・コンプレックス」(ホリィ・セン/from ver.3「虚構と異常」)です。
サボテン:うわ、言われた。
ペシミ:ほぼ論文なのよ。正直、前提知識が結構必要だから書いてある内容の半分くらいしか理解できてないけど、実証的な例を用いながらメサコンに関する分析を丁寧に行っていく。文章の希少性はもちろんだけど、この後に掲載してる小西真理子先生のインタビューとのシナジーも考えて、すごい記事だと思います。載せさせて頂いて本当に有り難かった。

枯葉:次、僕ですね。「言葉にも突き放された我々は─「青春の全体主義」概念の語り直し」(竹馬春風/ from ver.4「エモいとは何か?」)かな。シンプルに、こいつヤベえって感じた。内容は面白いし図解もあって分かりやすいんだけど、それ以上に同年代でここまで思考してる人間がいることにびっくりした。青春の全体主義を、色んな根拠を伴って語り直せる境地まで至ってるのが感動した。とっつきにくさはあるかもしれないけど、読みやすいので色んな人に読んで欲しいですね。
ペシミ:説明がめちゃくちゃうまいよね。これで、竹馬春風の青春の全体主義に関する記事はどっちも出ましたね。

森野:自分は「血液たちの濃厚接触─私たちが繋がるための「エモい」を探して」(ukiyojingu/from ver.4「エモいとは何か?」)です。初見で読んだ時はあまり掴めなかったけど、9月にやったリアルイベントで説明を聞いた後に読み返したらめちゃくちゃしっくりきた。ずっと「なるほど~」って言いながら読んでて、具体例も関心が近くて興味深い。最初はタイトルがよく分からなかったけど、通して読むとたしかにこのタイトル以外はありえないな、と思わせる説得力がありますね。

風雪:「自虐と時間――「感傷マゾ」概念の心ばかりの整理」(きゃくの/from ver.1「ぼくらの感傷マゾ」)ですね。諸事情あって、研究室で感傷マゾを説明しないといけない時に、参考にさせてもらいました。今だとペシミくんの「『エモ』と『アオハル』の20年代」とかがあるけど、当時の感傷マゾのまとめとしては一番短くて分かりやすかった。ペシミくんのやつは長いし。
ペシミ:それは本当にそう。『青春ヘラver.1』は、青春ヘラへの説明はあっても感傷マゾについての説明は巻頭インタビューくらいしかないから、論考の形で整理してもらえたのはたいへん有り難かったな。

3巡目


ペシミ:というわけで、ラスト3巡目の順番は「カルテ→ペシミ→風雪→サボテン→森野→枯葉」となりました。カルテさんからどうぞ。
カルテ:はい。「これからの新海誠の話をしよう──新海誠はなぜRADWIMPSを選んだか――」(ペシミ/from ver.2「音楽感傷」)ですね。自分は新海作品を1つも見たことがないのでこの文章で初めて映画の内容を知りました。一番面白かったのはペシミさんがどのように新海誠に狂わされていったか綴ってる部分ですね。『君の名は。』→『秒速5センチメートル』の順番で見たからこその苦悩とか、人が沼に嵌まる瞬間はなんぼあってもええですね。
ペシミ:いや、これ良いと思ったなら新海作品見てくれよ(笑)
カルテ:まあ、そのうちね。新海作品って『君の名は。』のイメージが強くて、ガキが広告で「君の名は。最高!」とか言ってるタイプのキラキラ映画かと思ってたのよ。でもペシミさんが好きってことは単にキラキラしてるだけじゃないんだろうなって。
ペシミ:そらそうよ。僕が好きになるってことはそういうことだからね。まあ、ありがとうございます(照)。

ペシミ:ええと、僕は「エモを自然化する─情動の哲学におけるエモの位置付け」(おでん丸/from ver.4「エモいとは何か?」)ですかね。めちゃくちゃ迷ったんですが……。ただ、『青春ヘラver.4「エモいとは何か?」』は論者の傾向がバラけていて、皆が「エモ」について喋ってるんだけど語り口がまったく異なるというのが良いところだと思うんです。そんな中、おでんさんの文章はしっかりとエモの「身体」的な側面に焦点を当てていて、これのおかげで冊子全体が引き締まってるような気がします。プリンツの身体評価説とか、新たな分野も知れて面白かったです。

風雪:正直、これはちょっと逃げなんですけど、「インターネット座談会 ~2022年生まれから見たインターネット原風景~」(ペシミ+カルテ+サボテン+森野鏡+風雪+枯葉/from ver.5「インターネット・ノスタルジー」)かなぁと。
ペシミ:ほう、その心は。
風雪:まず、昔のインターネットコンテンツについて喋れたのが普通に楽しかった。この座談会って収録がめっちゃ長かったけど、正直まだ全部を振り返れてはないじゃん。
ペシミ:そうだね。だし、結構カットしてるからね。
風雪:同年代くらいの人間がこれだけしっかりと昔の想い出について語ってるテキストってあまり見たことがないし。わざわざニコニコとかMADについて話そうと思わないでしょ。
枯葉:それがこの段階で形になってるのは多少価値があるのかね。
風雪:そう、鮮度が高いのよ。理由は後付けだとしても、楽しかったです。

サボテン:作者の前で言うのはあれなんだけど、最後は「一週間、恋人がいた話」(風雪/from ver.4「エモいとは何か?」)です。ネタバレにはなっちゃうんだけど、165ページの“「私は君の世界の舞台装置なんかじゃない。だから、これは別れ話だよ」”って部分が好きなんですよ。
ペシミ:めっっっちゃ分かる。
サボテン:「現実感がないんだよ。自分には遠い世界みたいでさ」とか言ってるあたり分かりやすいけど、主人公は現実の恋愛体験でさえもエモ消費の一環でしかなくて、相手にそれを見透かされてるわけだよね。それゆえに出たセリフがこれってのは素晴らしいよね。
風雪:有り難いことです。でも、これを書いたことによって、これ以降「もうこれでいいやん」ってなっちゃって、書く気が起きないのよ。
ペシミ:あぁ。必殺の一作を書いちゃったわけね。
風雪:自分にとっての感傷マゾはこれなんだ、って結論が出ちゃった。
サボテン:舞台装置~のセリフは感傷マゾを端的に表してるよね。
ペシミ:そういえば、誰かが「感傷マゾってMOROHAに全部論破されるからすごい」みたいなツイートしてて爆笑した記憶あるなぁ……。

森野:じゃあ「Orangestarとn-buna(ヨルシカ)の作家性の違い」(かくしか/from ver.2「音楽感傷」)でお願いします。これは、自分のやりたいことをやってくれてる感じがあった。そもそもn-bunaとOrangestarが好きって前提はあって、分析の方法が日本学(森野の専攻)と似てるのね。
サボテン:コーパス分析だよね。
森野:そうそう。歌詞分析の手法がすごく日本学っぽい。そんで、自分がやりたかったことに近い。色んなポイントに着目してるわけじゃなく、「君」と「ひとり/ふたり」という2点から攻めてて、論点が分かりやすい。この2人は何かしらの共通点があるのはみんなずっと感じてたと思うけど、具体的に言語化されてきたことはなくて、まとまった文章として貴重かな、と。

ペシミ:じゃあラスト、枯葉さんどうぞ。
枯葉:いやぁ、「これからの新海誠の話をしよう──新海誠はなぜRADWIMPSを選んだか――」と「Orangestarとn-buna(ヨルシカ)の作家性の違い」が取られてどうしようかなと思ってたところ。
カルテ:(笑)
枯葉:まあでも、「蒼乃稚は偶像だった」(舞茸/from ver.2「音楽感傷」)かな。しっかりと(良い意味で)気持ち悪くて、硬い文章が多いなか、「これが感傷マゾだ!」っていうのを小説で分かりやすく説明してるところがさがあると思った。
ペシミ:ボカロ小説みたいな形式も珍しいよね。
枯葉:こういう視点で感傷マゾを語ることも可能なんだと気付かされましたね。
サボテン:本家『感傷マゾ』でも『青春ヘラ』でもそうだけど、「感傷マゾ小説」というジャンルが生まれてるのがすごいよね。昔の白樺派っぽい感じの(笑)
ペシミ:日本の未来は暗いなぁ……。
枯葉:感傷マゾ文化の発展には必要不可欠ですから、感傷マゾ小説は。それが発展なのか退廃なのかは分からないけど。
ペシミ:退廃に決まってるよ!

~座談会を終えて~

ペシミ:では、ver.1~ver.5を出しての感想と今後の展望を、一人ずつ言ってもらいましょうかね。
カルテ:自分はこれまでver.1と座談会の参加しかしてないので、今後はもっと書いていきたいかなと思います。とりあえずver.6で書きたい(書きました)。
風雪:1~5まで2年くらいで作ってきて、まあペシミくんのおかげかなと思うんですけど、最近の変化としては感傷マゾから段々脱却してきたことですかね。20歳になってから「感傷マゾはもういいかな」みたいな心境の変化があって。
ペシミ:やめろ! 追いていくな!
風雪:なので、今後は感傷マゾを乗り越えた先から書いていければいいかなと思ってます。
サボテン:ちまちま寄稿してきましたけど、僕は一貫性があまり見えてないので、自分の芯にあるものと感傷マゾの距離を探っていくのが今後の課題ですかね。自分の専攻のフランス文学研究もそうだけど、概念分析よりは、既出の概念を用いて具体的な作品を分析していく方が好きなんだと感傷マゾ研究会の活動を通して知ることができました。
森野:僕はver.5で久々に書いて楽しかったので、今後はコンスタントに書いていければなと。あと、もう折り返しまで来たかぁという感慨。正直、「大学で何してましたか」って訊かれたら、サークルしか思い出がないんですよ。それが感傷マゾで良いのかという不安はあるけど。
ペシミ:でも、ないよりはずっとマシだよ。多分。
森野:まあ結論、最初は面白半分で入ったサークルにだんだん愛着が湧き始めてます。
ペシミ:うわ、エモっ。雰囲気が完全に卒業前なんだけど、まだ終わらないからね。
枯葉:そうですね。20歳になって、大学の人間関係が深まってくるなかで、自分は感傷マゾにどんどん近づいてきているような気がしていて。かつてあれほど楽しかった努力がしんどくなって、今は従来の暗さが戻りつつある。でもこれまでは穴が空いたような空虚さが苦しかったけど、今は感傷マゾや青春ヘラという概念で埋められることに気付いてしまうと、面白さ半分、怖さ半分という感じですね。
ペシミ:なんか重くない……?
枯葉:それくらい、BIG LOVEってことよ。
ペシミ:なんか、飲みの席で話すような想い出トークかと思ってたら、妙に湿っぽいんだけど。感傷マゾ研究会って明日終わるの?
枯葉:これからの2年でどちらに転ぶのか、ぜひ楽しみにして頂ければ。
ペシミ:そうだね、僕はなるべくエモいことは言わないようにするけど、単純にみんな文章が上手くなってるなって思いました(偉そう)。あと、順当に賢くなってるな、とも。一番それを思ったのは、べっこう飴大魔神が最新のエッセイで西田幾多郎を引用してた箇所なんだけど。4年間のログを取ってるからこそ、成長が見られてエモいなと思います。
森野:逆に言うと、昔書いたやつはめっちゃ恥ずかしいけどな。
ペシミ:そうそう、それで言うと「拗らせオタクが感傷マゾ研究会に入ってみた」(森野鏡/from ver.1「ぼくらの感傷マゾ」)は死ぬほど好きなんだよ。これはガチの名文で、「さて、十分な警告をしたにもこの段落にやってきた諸君は相当な馬鹿だとお見受けする。」って一文が拗らせ感MAXで最高。
森野:お前だけは許さん。いや、でも違うんよ。あれは、ああいう文体で、森野鏡にラノベ作家の魂が憑依して……。
枯葉:今の「魂が憑依して……」の部分も2年後に読んだらめっちゃ恥ずかしいと思うぞ。
ペシミ:いいんだよ。悪法もまた法だし、黒歴史も歴史には違いないから。というわけで、これからも頑張っていきましょう。みんな、付いてきてくれるかな?
一同:沈黙
ペシミ:俺、このサークル辞めるわ。

これまで寄稿して頂いた原稿は例外なく素晴らしいもので、選びきれなかった名文たちも沢山存在します。ぜひ、会誌を読んであなたにとって最高の文章を教えてください。また、これまで寄稿して頂いた方々、読んでくださった方全員に厚くお礼申し上げます。今後ともよろしくお願いします。



選出記事(敬称略)

1巡目
風雪「レンタル彼女体験記」(ペシミ)from ver.3「虚構と異常」
森野「イキリ大学生を叩こう!」(べっこう飴大魔神)from ver.3「虚構と異常」
枯葉「「虚構でない青春」としての「異常な青春」─大学生の青春としての「変なサークル」の可能性─」(茂木響平)from ver.3「虚構と異常」
ペシミ「ナンバーガール ◎感傷の渦、現前する青春」(レガスピ)from ver.2「音楽感傷」
カルテ「ひとりでにリボン結びになった紐の痛みは計り知れない」(クツズレ・アシガ・チマミレー)from ver.5「インターネット・ノスタルジー」
サボテン「ガラケーでCメールがいいの」(べっこう飴大魔神)from ver.5「インターネット・ノスタルジー」

2巡目
サボテン「「言葉」に救われたいのに。――「青春の全体主義」概念の提唱」(竹馬春風)from ver.1「ぼくらの感傷マゾ」
カルテ「どこかへ恋をしていたぼく」(夏凪)from ver.5「インターネット・ノスタルジー」
ペシミ「異常性癖としてのメサイア・コンプレックス」(ホリィ・セン)from ver.3「虚構と異常」
枯葉「言葉にも突き放された我々は─「青春の全体主義」概念の語り直し」(竹馬春風)from ver.4「エモいとは何か?」
森野「血液たちの濃厚接触─私たちが繋がるための「エモい」を探して」(ukiyojingu)from ver.4「エモいとは何か?」
風雪「自虐と時間――「感傷マゾ」概念の心ばかりの整理」(きゃくの)from ver.1「ぼくらの感傷マゾ」

3巡目
カルテ「これからの新海誠の話をしよう──新海誠はなぜRADWIMPSを選んだか――」(ペシミ)from ver.2「音楽感傷」
ペシミ「エモを自然化する─情動の哲学におけるエモの位置付け」(おでん丸)from ver.4「エモいとは何か?」
風雪「インターネット座談会~2022年生まれから見たインターネット原風景~」(ペシミ+カルテ+サボテン+森野鏡+風雪+枯葉)from ver.5「インターネット・ノスタルジー」
サボテン「一週間、恋人がいた話」(風雪)from ver.4「エモいとは何か?」
森野「Orangestarとn-buna(ヨルシカ)の作家性の違い」(かくしか)from ver.2「音楽感傷」
枯葉「蒼乃稚は偶像だった」(舞茸)from ver.2「音楽感傷」

これまでの記事総覧


【青春ヘラver.1「ぼくらの感傷マゾ」】
インタビュー=わく/かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン「これまで、これからの感傷マゾ」
ぼくらに感傷マゾが必要な理由(ペシミ)
「言葉」に救われたいのに。――「青春の全体主義」概念の提唱(竹馬春風)
自虐と時間――「感傷マゾ」概念の心ばかりの整理(きゃくの)
理想の人間像・青春像、私の今後(サポテン)
届くことのない青春像 ─魚の小骨を添えて─(カルテ)
私の青春、その残滓(枯葉)
拗らせオタクが感傷マゾ研究会に入ってみた(森野鏡)
虚構を愛でること、現実で愛を知ること(しづき)
つれづれなるままに(風雪)
感情を快楽に変換すること(否定形)
死ぬほど楽しい夢をみた(織沢実)

【青春ヘラver.2「音楽感傷」】
インタビュー=和田たけあき「感傷・未成年・ポーカロイドについて」
"音楽と感傷"座談会(ペシミ+北出栞+サカウヱ)
これからの新海誠の話をしよう―新海誠はなぜRADWIMPSを選んだか――(ペシミ)
「縋想」を語る(竹馬春風)
ヘッドフォンとピアス―『恋する寄生虫』の「感傷マゾ」的読解(きゃくの)
Orangestarとn-buna(ヨルシカ)の作家性の違い(かくしか)
私、感傷マゾちゃうかったわ(べっこう飴大魔神)
真冬にサイダーを飲むような話(風雪)
ナンバーガール ◎感傷の渦、現前する青春(レガスピ)
みかんの花(伊藤充季)
エビゴウネ(さ)
蒼乃稚は偶像だった(舞茸)
「批判」からの逃避──青春ヘラ批判を試みる(ちろきしん)
感傷マゾから感傷サドへ 大森靖子について(灰街令)
晩夏の恋(K字)

【青春ヘラver.3「虚構と異常」】
cosMo@暴走Pインタビュー「感傷マゾヒストについて」
レンタル彼女体験記(ペシミ)
イキリ大学生を叩こう!(べっこう飴大魔神)
異常性愛から見る感傷マゾ的思考(枯葉)
負けヒロインオタクが感傷マゾをちょっとだけ理解した話(舞風つむじ)
私は「虚構」という言葉が嫌いだ(ニッソちゃん)
徹李の部屋(竹馬春風)
SF──虚構と現実の接続(はっぱ)
見られることの拒絶──『この恋と、その未来。』の感傷マゾ的読解(きゃくの)
「虚構でない青春」としての「異常な青春」─大学生の青春としての「変なサークル」の可能性─(茂木響平)
「青春の全体主義」、青春と制服(Cと呼ばれる大学生)
青春ヘラと2020年代の批評ライン─それを「批評」と呼ぶ理由(紅茶泡海苔)
一生勉強は一生青春なのか(早大留年サークル)
マゾヒズムから見た感傷マゾ(柿内午後)
断章 感傷マゾとメランコリーの時間論(喫水)
『ボヴァリー夫人』における主人公エマの創作観(サボテン)
異常性癖としてのメサイア・コンプレックス(ホリィ・セン)
インタビュー=小西真理子准教授「マゾヒズムと「異常」について」

【青春ヘラver.4「エモいとは何か?」】
インタビュー=loundraw
エモ座談会(ペシミ+アオトケイ+うちだしんのすけ+上篠翔)
どこにもいないあなた─メリッサ・キンレンカへ(きゃくの)
ちいちゃんのかげおくりとかエモすぎ(べっこう飴大魔神)
ふたたび戦うための7章(青松輝)
散財と時間(西島尊大)
この身体を「エモい」フィクションにする(品回口)
「エモ」と「アオハル」の20年代(ペシミ)
言葉にも突き放された我々は─「青春の全体主義」概念の語り直し(竹馬春風)
「エモ」の神話を解体する─質問調査と機械学習による「エモさ」の抽出─(箱部ルリ・舞風つむじ)
血液たちの濃厚接触─私たちが繋がるための「エモい」を探して(ukiyojingu)
エモを自然化する─情動の哲学におけるエモの位置付け(おでん丸)
一週間、恋人がいた話(風雪)

【青春ヘラver.5「インターネット・ノスタルジー」】
インターネット座談会~2002年生まれから見たインターネット原風景~(ペシミ+カルテ+サボテン+枯葉+風雪+風雪+森野鏡)
インターネットは最悪(ペシミ)
2000年代初頭生まれとインターネット(サボテン)
私のインターネット・ノスタルジー(仮)(風雪)
ガラケーでCメールがいいの(べっこう飴大魔神)
祇園精舎の鐘の音とインターネット(森野鏡)
思春期に少年から大人になれなかったオタク(ルノー)
どこかへ恋をしていたぼく(夏凪)
ノスタルジーとか言うけど、結局お前らが変わっちゃっただけじゃん。(舞風つむじ)
ひとりでにリボン結びになった紐の痛みは計り知れない(クツズレ・アシガ・チマミレー)
ノスタルジーの外を探す──マゾッホ、天使、マゾッホ(きゃくの)
この過去の未来──インターネットにおけるコアの美学とノスタルジー表象(木澤佐登志)
「VTuber」文化における出逢いと別れについて(山野弘樹)
懐かしい月は新しい月(月宮)
キモオタがいなくなるとき──インターネットのうつろいと交換可能性について(sen)
セカイ系、やる夫スレ、『あの花』──2010年代の個人的な回想(江永泉)
インタビュー=西村梨緒葉「不在を再現すること──インターネットとボーカロイド」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?