『SDGsな意識』とは何か

「SDGsな意識」とは・・・・「私は、自然の一部であって、目の前の樹木や雑草と私は平等でフェアな存在である。そこに立ってみると、私は世界の大きなグラデーションの中にいて、人種の違いや、言葉の違い、LGBTなどは、顔が違う程度でしかない」という意識だ。

SDGsは「誰も取り残さない」と説明されるが、社会的な弱者は他者であり、主語である「私」は救済する側にいるので、個が確立して他者と明確な区別がある西洋社会の意識だ。私たち日本人は、他者との関係性の中で個をポジショニングしているため、この言葉に戸惑いを感じる方も多いのではないか。

私は、「だれも取り残さない」ではなく「私たちは自然の一部であり、世界の大きなグラデーションの中にいる」という意識からスタートしてみたい。その意識を宇宙まで無限に拡げていけるのがアーティストたちだ。東京都美術館のアートコミュニケーター(とびラー)に在籍し、藝大生インタビュー(https://tobira-project.info/geidai2020/)をした時、若いアーティストたちから、自然の摂理と意識が一体になりどこまでも広がっていくイメージを何回ももらった。(強者が弱者を食い物にするグローバルな意識ではなく、)自然や世界と一体化する彼らアーティストの意識こそが、私たちの求めるSDGsな意識である。

東京藝術大学の美術学部長でありアーティストの日比野克彦さんは「人間が心を動かすことができるがゆえに、すべてのものが進化してきた。」「アートという活動は・・・人間の気持ちを動かすものだし、人間の気持ちが動いた先には(SDGsの)17の目標につながるようなアクションは必ず起こすきっかけにはなる」「すべての(SDGsの)ゴールに芸術は接続する」と語っている。(HIBINO EARTH PAPER 2021つなぐ新聞 東京藝術大学・岐阜新聞社共同制作)




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