これ

キロクニスト養成講座 3回目の記録

2015年5月15日

中田一会(PR/コミュニケーションディレクター)さんが講師。「伝える」をテーマとして話された。WEB時代をウエディングケーキとロールケーキで説明したのが、とても新鮮だった。

ウエディングケーキは、見た目は豪華だけど中身はわからない、お皿にのっている手元のケーキが、実際に入刀したケーキとは違うのでは、という違和感がある。WEB時代は中身が詰まったロールケーキ。会社として正式に発信している情報も、飲み屋で「ウチの会社ってさあ・・・」としゃべったこともインターネットにのれば同じ。直接口にはいるので、コンテンツ、自分たちがいっていることが確かだ、との証明が命。その人のお気に入りのネットワークまでつながれば、人の感情にまでとどく。(この情報はネットッワーク上でここにいますよ、という関連づけ、Wikipediaにつなげるなど。)

自主的に溜めるキロクと、周囲、外部メディアがシェアして発信してくれるキロクとのバランス加減が大切、という話は、2回目に小倉ヒラクさんが提唱した「自前のアーカイブをつくろう」の続きとして、興味深かった。

「自分のキロクしたいことと、周囲の興味がずれている、と感じたとき、どうしますか?」と質問してみた。

中田さんの応えは秀逸だと思った。「自分の内と外で同じ言葉にしていくことを一番身近なスタッフと日常的にやっています。そうすると、どのような言葉で対象を切り出し発信すれば伝わるのかが、わかってきます。」

技術的アドバイス。「絵になるキロクを残す」…どのワークショップの写真も同じ様になってしまう。楽しかった、という情報発信は集合写真が一番。絵になるような瞬間に「ここで写真をとろう。」と提案するなど、キロクを仕込むことも必要。「シェアしたくなる魅力あるコンテンツ」…たとえばパブカフェのマシュマロ・ラテ。かわいい写真が発信されアーカイブされる。「はじめまして、の瞬間をキロクで押さえる。」…WEB時代、見えない相手に発信するから、初めのインターフェイスの(場面の)大切さは数倍になる。…もちろん「さよなら」の瞬間も。

中田さんがロフトワークから独立するとき、辞める人がホームページで発信するのはおかしいのでは、という意見もあった。結局「新人広報に伝えたい教科書にはない5つのこと」「会社紹介は毎回ちがう言葉で語ってみよう。」など、この時の気持ちをメッセージとして発信した。中田さんがこの講座の初めに語った言葉、「使えるものはすべてコンテンツにすること、いかに愛されるか、(企業として)信頼されるか」の意味がこの思いやりのある発信でわかるように思った。

2人一組で、相方のキロクしたい対象を雑誌のカバーストーリーにするワークショップ。Sさんが書いてくれた私のストーリーが、初めの写真。アートプロジェクトに参加した人が、感じたことを発信できるフィールドをつくりたい、という思いを絵にしてくれた。




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