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思想、ものづくり

めちゃくちゃひさしぶりにnoteという場所に帰ってきた気がする。少し前まで毎日noteを書いていて、その期間がすごく充実した日々だった。自分が書いたものを読んでもらえている実感だとか、額縁のサポートをもらえていることだとか、そういうことがとてもとてもモチベーションになっていて、苦しさももちろんあるけれど、それを余裕で越えてしまうほどのうれしさとたのしさがあった。

だから、またなにかを企画したいし、なんなら毎日noteを書きたい、それで稼げたら最高やし、頑張ったら俺稼げるんじゃね?みたいになぜか舞い上がってたんですが、毎日の連載を終えてちょっとずつ冷静になってきて、調子に乗ってる自分がやっと客観的に見えてきた。かわいいね、自分。

とはいえ書きたいという気持ちは変わらずにあるので、とりあえず平常運転に戻ることにした。「早起き出来たとき、書きたいときに、2000字使って書く。」
どんだけ調子に乗れるようなことが起きたとしても、この原点に立ち返りたいな。お金のことも誰かに読まれることも全く気にせずはじめたこの「2000字」というフォーマットがたぶんこれからも自分を原点に戻してくれるような気がする。


最近考えているのは、これから売り出そうと思っている商品のこと。
7月16日にマルシェのイベントがあって、そこで出店したり、7月末に妻と関西圏に旅行したりして、ほんとうにいろんな人のいろんな考え方、そしてその考え方から生まれた品々をたっくさんみてきた。その生まれた品々は僕の凝り固まった概念をぶち壊してくれるようなものばかりだった。
例えばマルシェに共同で出店した米農家の寿美子さんが作っていた「買いもの袋」。商品を買ってくれた人にお渡しする端切れで作った布の袋なのだけど、それにいまだに感動している。だって買いもの袋ってビニールのものなら買えばすぐに手に入ってしまうものじゃないですか。いくら脱プラと言っても「袋くらいはまあいいか」とか「袋なしでもいいか」とかって自分は考えてしまっていたのですが、寿美子さんは袋を作って持ってきてたんですよね。それがほんとめちゃくちゃ驚きで僕がどれだけファッション脱プラだったかを思い知らされたんです。

そして何より大事なのは、その袋がめちゃくちゃかわいいので、その袋に商品を入れてもらっていた人がめっちゃ喜んでたんです。それもまたすごくいいなーと思っていて。環境のこととか説教くさい感じじゃない「もしよかったらこれ使ってください」くらいの謙虚な感じ、人の温かい感じがあの袋に詰まっていたなあ、と何度も思い出してしまいます。

そして旅行に行った時に宿泊させていただいた清荒神の「awai」という食のシェアハウスも衝撃のオンパレードでした。奥田さんという建築家の方が作ったシェアハウスなのですが、至る所のこだわりがすごすぎる。新しいものを簡単に使っちゃうのではなくて、もともと家にあった材木や、ジモティーとかでもらったちょっと古い建具などをDIYして再利用する。手間はかかるのだけど、その手間は惜しまない。新しいものを買って業者に頼めばいつのまにかそこに扉が出来ているわけだけど、DIYで作ったその空間には昔と今が混じり合っていて、歴史が出来ている感じがする。ただ新しいものを作るだけの設計や建築ではない奥田さんの考え方がめちゃくちゃ反映されている点がすごく最高で素敵だった。

左官をしている八田さんという方の作る壁も最高で、既調合された漆喰やコンクリートを使うのではなくて、あえてふつうは混ぜないモノを混ぜたりする。混ぜるものもそのときその場所の雰囲気で変えていく。その不安定さが壁や机の野生っぽさを演出したり、生々しい生きている石のような感じを作り出していて、めちゃくちゃよかったんです。

そのawaiという場所に行った日、たくさんの人が集まっていたので他にもいろんな出会いがありました。その日会った人のことを全部書きたいくらいの気持ちなのだけど、ちょっと書き切れない。でもとにかく僕がその場のかっこいい人たちの話から学んだことは、とにかく「自分で考えたおもしろそうなことは何が何でも形にする」ということ。今までにないことであればあるほどやらないといけない。それはもう損得でいえば損なのかもしれないし、どちらかというと面倒だなと思うことだったとしても、こっちのほうがいいじゃん、って思ったんだったら動こうよ、ってことだ。

しかもそれらのことは誰にも気づかれないかもしれない。実際寿美子さんの「買いもの袋」も奥田さんや八田さんの「家」や「壁」も、話を聞かないと気づかなかった。そういう気づかない部分を「どうせ気づかないなら同じ見た目で安いほうがいい、手間がかからないほうがいい」で仕上げていくと、どんどん「みんなといっしょ」になってくる。「みんなといっしょ」っていうのは、悪いことじゃないのかもしれないけど、僕が目指すところではないし、できれば寿美子さんや奥田さんや八田さんのように、その部分にそういう思いがあるんですかー!という驚きのある商品作りがしたい。思想とその思想から生まれたものが一貫していて、すごくかっこよかった。

・・・

ついつい話が逸れてしまったけれど、みんなに会えたことで、これから作る商品のことを改めて考え直そうと思えたのはほんとうにラッキーだった。奥田さんには直接いろんなアドバイスももらえて、心のどこかで「これは無理かな」と思っていたことを「よしやろう」とも思えた。ほんとにありがとうございます。
損得やらめんどうやらをとにかく考えずに、絶対におもしろいし、喜んでくれるだろう、というものをやっていく。それをやらないとただのマタギになってしまう。それではいつかダメになる。やりすぎなくらいいろんなことをやっていこう。


ここまで読んでいただきありがとうございました。ちょっと2500字になったので「絵と2500」というマガジンにして、かきためていこうかなと思います。絵も懲りずにガンガン描いているのでそちらだけでもさらっとみていただけるとうれしいです。それでは、また。

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